ぶつ切りキャベツに バルサミコ酢をかけた
私は、大学に勤める一方で、テノール歌手として活動してきました。広島大学学長を務めていた当時は、「歌う学長」といわれたこともあったのです。
83歳になった現在も、世界最高齢のテノール歌手として、週に1度は、ステージで歌っています。そんな私の健康法の一つが、酢キャベツダイエットです。
私が酢キャベツダイエットを始めたのは、今から4年ほど前。講演などでごいっしょする機会の多い、藤田紘一郎先生から勧められたのが、きっかけです。
私自身、最も重いときには体重が79kgもあったので、「少しやせなくては」と思っていました。そこで、ものは試しと思い、酢キャベツダイエットを試すことにしたのです。
大皿に、ぶつ切りにしたキャベツと、それに加えてトマトやタマネギ、ピーマンなどを盛り、その上にバルサミコ酢をかけます。これを朝晩2回、食前に食べるようにしました。
ドレッシングは油を含みますし、かといって味つけがないのも、飽きてしまって続きません。そこで私なりに、バルサミコ酢をかけることにしたのです。
また、自家製のコンブみそをつけて食べることもありました。材料は、塩分少なめの白みそを少量と、そのまま食べられるように加工してある、おやつ用コンブを3〜4枚です。
コンブを細かく切った物とみそを混ぜ合わせて、キャベツに添えるのです。こちらも、とてもおいしくいただけます。
大盛りにしたキャベツをよくかんで食べると、かなりの満腹感が得られます。ですから、その後に食べるご飯の量も、茶わんの半分程度で済みます。
主食は控えめにする一方、おかずは制限せずに食べるので、酢キャベツダイエットをつらく感じることはありませんでした。
昼食は普通に食べますが、夜は、仕事の関係で外食することもしばしば。しかし、よく行く店では、店主が私の食べ方を知っていて、キャベツを先に持ってきてくれます。
運動面では、仕事の行き帰りに1日約30分、5000歩は歩くようにしています。また、私はゴルフが好きなので、毎朝、ゴルフボールを130球打っています。これは、もう30年続けている習慣です。

ちょっと太っても 自然に体重を戻せる!
こうした生活を続けながら、酢キャベツダイエットを1年ほど続けたところ、ダイエット開始時には78kgあった体重は73kgまで落ちました。
以前はポコッと出ていた腹周りがスリムになり、昔の服が着られるようになりました。顔もやせて、少し精悍になった印象です。
体力面も変わりました。ゴルフをしていても、以前は歩くのがおっくうで、ラウンド中の移動はカートに乗ってばかりでした。
しかし、体が軽くなったためか、今では、徒歩で全ラウンドを回れるようになったのです。
また、酢キャベツは便通にもいいようです。私はもともと、便通は悪くないほうですが、ますますよくなり、1日3回お通じがあることも珍しくなくなりました。ちなみに、妻もいっしょにキャベツを食べていますが、便秘が解消したと喜んでいます。
体調も全般的によくなりました。健康診断では、血圧やコレステロール値、肝機能値が基準より高めで、脂肪肝と指摘されていました。
しかし、酢キャベツダイエットでやせてからは、すべての数値が正常になり、脂肪肝も解消したのです。
おかげさまで、歌手としても、ますます盛んに活動しています。
一昨年の3月には、広島県合唱連盟から選抜された、団員75名の合唱団の団長として渡米。国連大ホールで、平和と希望の合唱を披露してきました。
元気に旅行できるのはとてもうれしいのですが、外国に行くと食事が変わるため、どうしても太ってしまいます。実は、このときも、1・5㎏増えて帰ってきました。
しかし、また酢キャベツダイエットを始めると、自然に体重は減り、再び73㎏に戻すことができました。私は毎朝、体重計に乗り、自分の目方を確認します。
これも、体重をコントロールするために役立っていると思います。
今後も酢キャベツダイエットで健康維持を図り、元気な歌声を皆さんのもとに送り届け続けたいと考えています。
酢キャベツの作り方

コンブとみそで 腸内環境を改善!(東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎)
バルサミコ酢をかけた酢キャベツが健康にいいことはもちろんですが、自家製コンブみそも、いい工夫です。キャベツやコンブは食物繊維が豊富なので、発酵食品であるみそと併せれば、腸内環境がますますよくなります。
やせられてからは、以前にまして声に張りが出て、実によく通る声だと感じ入りました。これからも体調を維持して、すばらしいお声を聴かせてください。