酢トマトの作り方
ひざ痛というと、高齢になってから患うものといった印象があるかもしれません。しかし私の場合は、学生時代にソフトボールの練習でひざを酷使したのがまずかったようで、20代のころから、ひざの痛みに悩まされてきました。
以来、何十年もひざの痛みとともに生活していたわけですが、4年前から、その痛みがさらに強くなったのです。
当初は、じきに以前と同じぐらいの痛みに治まるだろうと思っていました。しかし、症状は時を追うごとにだんだんとひどくなっていったのです。ひざを曲げたり伸ばしたりするときに、瞬間的に痛む程度だったものが、激痛に変わりました。
特に立ち上がるときには、ひざ全体にビリリと痛みが走り、物につかまらないと立ち上がれません。階段を使うときも、顔をしかめるほどひざが痛みました。手すりにつかまり、ひざと腰を曲げ、ヨタヨタとふらつきながら、上り下りするありさまだったのです。
そのような私の姿を、当時中学生だった2人の子供たちは、哀れむような目で見ていました。
自分でも、ひざ痛のせいで、ふだんの動作も、気持ちも、ずいぶんと老け込んでいくのがわかりました。
骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)のことも心配だったので、病院で一度診てもらおうかと思いました。しかし、病院に行く前に、自分でできるだけの努力はしようと思い、下半身を鍛える体操などを毎日やることにしました。そして、食事にも気を遣い、「酢トマト」を食べるようになったのです。
食べ始めるきっかけは、以前、『壮快』で、酢トマトの記事を見たことでした。運よく母がトマトを栽培していたので、新鮮でおいしいトマトを分けてもらいました。
私の酢トマトは、『壮快』に載っていた作り方を、少しアレンジしています。
まず、中くらいの大きさのトマトをよく洗います。水気をふき、8等分に切ります。
空き瓶に、黒砂糖を大さじ2杯入れて、黒酢180mLを注ぎ、はしで軽くかき混ぜます。そこに、切ったトマトを入れて瓶のふたをし、冷蔵庫で1晩、保存します。黒砂糖のかわりに、ハチミツを使用することもあり、冷蔵庫に2晩寝かせることもあります。2晩おいておくと、トマトにコクが出て、さらにおいしくなります。
こうして作った酢トマトを1日に2回、昼食と夕食にとりました。またトマトを漬けた酢は、ヨーグルトにかけて子供たちといっしょに食べました。
基本的な酢トマトの作り方

トマトジュースでもよい
酢トマトを食べ続けたところ、まず以前よりも体が疲れなくなりました。また、美容面にも効果があり、シワが薄くなって肌に潤いが出てきました。
そして、しばらくたったころに、肝心のひざ痛にも効果が現れ始めたのです。ひざ痛は、少しずつ少しずつ軽くなっていきました。
半年後には、立ち上がるときや階段を上るときに感じていた激痛が消えていました。壁やイスにつかまらなくても、すっと立ち上がれるようになったのです。トントンと階段を駆け上がれるまでに改善しました。
気がつくと、痛みの程度は、以前の10分の1くらいになりました。ほとんど痛みがない、といっていいほどです。以前は、少し長い距離を歩くと、ひざがすぐ痛くなるので歩くのがおっくうでした。しかし、今ではそういうこともなくなったので、外によく出歩くようになりました。
ひざ痛がなくなったことで、日常の動作も気持ちも、若さを取り戻すことができました。「友達のお母さんよりも若くなったね」と子供からいってもらえたときは、うれしかったですね。
酢がいいのか、トマトがいいのか、私にはわかりませんが、酢トマトで血流がよくなって、体操の効果も相乗的に高まったのではないかと思っています。
ひざ痛が治ったあとも、なるべく冷蔵庫に酢トマトを常備して食べるようにしています。甘いトマトがなくなる冬は、トマトジュースを飲んでいます。おかげで季節の変わり目や雨が続く季節でも、ひざ痛がぶり返すことはありません。
おいしいトマトを送ってくれる母も、毎日トマトを食べていますが、ひざが痛いという話を聞いたことがありません。現在、83歳ですが、毎日、畑仕事ができるほど、足腰は丈夫です。
これからも酢トマトで、健康的に年を重ねていきたいと思います。
トマトと黒酢の成分が炎症を鎮める(茨城キリスト教大学名誉教授・医学博士板倉弘重)
トマトには、β─カロテン(ビタミンA)などの抗酸化成分が豊富に含まれています。それらが炎症による痛みを軽減することは、研究で認められています。
一方、黒酢に含まれる酢酸やクエン酸、ミネラル成分にも炎症を鎮める効果が期待できます。さらに、酢によって新陳代謝が高まることで、患部の損傷の回復が促進されるのです。
材料はたったこれだけ!