その場でシャキッとし 杖を忘れて帰った
大腿筋膜張筋は、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつなぎ、足を前に出すときに使われる筋肉です。
大腿筋膜張筋を刺激することで、腸骨筋や大腰筋など、股関節を動かす多数の筋肉が緩みます。
すると、足全体の血行がよくなり、足のむくみや腰痛、股関節痛の改善に役立つのです。
歩くのがつらいときにも、足のつけ根もみを行えば、股関節の動きがよくなり、楽に歩けるようになります。
大腿筋膜張筋は、上半身と下半身相方に影響を与えています。
ここを刺激すると、下半身だけでなく、頭部を含む上半身の筋肉もほぐれ、ずれていた関節が元の位置に戻ることもあるのです。
顕著な影響が及ぶ場所が、顎関節にかかわる筋肉群です。
大腿筋膜張筋を刺激すると、あごの筋肉まで緩むので、顎関節症の痛みや、口の開けにくさが緩和します。
また、こめかみの周辺の側頭筋も弛緩するため、頭痛や疲れ目も改善します。
足のつけ根をもむことで、頭部の症状が軽快するのは不思議かもしれませんが、これこそが筋ほぐしの醍醐味です。
足のつけ根ほぐしの即効性を示す好例を、ご紹介します。
足のつけ根もみのやり方

72歳の男性Cさんは、山歩きをした直後に、足腰が立たなくなりました。
Cさんは長野県在住ですが、大事な会合のため、無理を押して上京。
「なんとかしてほしい」と、ヨロヨロと杖を突いて来院しました。
足のつけ根をもんだところ、その場でシャキッと立ち上がり、なんと杖を忘れていきかけたのです。
東京での会合も無事に済ませ、長野に戻りました。