帰宅すると一気に痛みが押し寄せた
酢もニンニクも健康にいいことは知っていましたが、その二つを組み合わせることなど、思いもよらないことでした。
ある日、『壮快』の記事で、「酢ニンニク」が紹介されているのを読みました。この二つの食品の優れた健康効果が、同時に活用できるそうです。
私自身、長年、ひざ痛に悩まされてきました。この酢ニンニクが、その改善に役立つかもしれないと考え、早速試してみることにしたのです。
最初は、記事で紹介されたとおりに作ってみましたが、酢ニンニクは、私には酸味がきつすぎると感じました。そこで、作り方を変え、いろいろ試してみた結果、定着したのが、ハチミツを加えた「ハチミツ酢ニンニク」でした。
私の酢ニンニクの作り方は、次のとおりです。
材料は、ニンニク2kg、黒酢1・2L、ハチミツ適量です。 まず、ニンニクをバラバラにほぐして皿に広げ、電子レンジで2〜3分加熱します。こうすると、簡単に皮をむくことができます。
ニンニクが冷めたところで、皮をむいて瓶に入れます。
そこに黒酢を注ぎ、ハチミツを加えます。軽く混ぜて瓶にふたをしたら、冷暗所に置き、熟成を待ちます。
私の場合、酢ニンニクを最低1年は寝かせるようにしています。1年経つと、酢のツンとしたきつさや、ニンニク特有のにおいもほとんどしません。
酢ニンニクは、長くおけばおくほど、味がまろやかになり、黒酢とハチミツが混じり合って、なんともいえないコクが生まれてきます。ハチミツを加えることが、うまさの秘訣ではないかと思います。
最初は、漬けたニンニクも食べていましたが、そのうち甘酢だけを飲むようになりました。長い間、漬けておくせいか、ニンニクのエキスが甘酢に染み出して、ニンニクそのものの風味が薄くなっているように感じたからです。
1日に飲む甘酢の量は、さかずき1杯ほど。これを水で倍に薄めて飲みます。空腹時に飲むと胃がキリキリすることがあるので、夕食後に飲むようにしています。こうして、酢ニンニクを続けていたところ、ひざがどんどんよくなってきたのです。
そもそも私のひざ痛は、職業病でした。私は長年、バスの運転手をしていました。私が働いていたころのバスは、現在の車に比べてクラッチペダルが恐ろしくかたく、重かったのです。それを毎日、何度も何度も操作しなければなりません。長年、ひざを酷使していたのです。
定年になる4〜5年ほど前から、左ひざに痛みを感じるようになりました。左足はクラッチを踏むほうの足です。夜、帰宅すると、一気に痛みが押し寄せてきました。
幸い、ひざの痛みを抱えながらも、運転手として定年まで全うし、退職後は、学校の用務員の仕事に就きました。この仕事も、重い物を持ったり運んだりすることが多いものでした。ひざに負担が大きく、鈍いひざの痛みが常時続きました。立ったり座ったりすることさえ、苦痛になりました。
酢ニンニクを始めたのは、まさにそのころだったのです。
酢ニンニクの作り方と飲み方

高かった血圧が正常値になり、降圧剤が不要になった
年とともに、ひざの悩みを訴える人が増えてきます。ひざ痛の持病がある場合、悪くなることはあっても、よくなるという人は少ないと思います。
ところが、私の場合、全く逆です。酢ニンニクのおかげで、年を取るにつれて、ひざの痛みが楽になっていったのです。
現在は、ひざにほとんど痛みもなく、楽に立ったり座ったりできます。重い物を持っても痛みが出ないのですから、ひどいときと比べたら、格段の違いがあります。
また、酢ニンニクを食べるようになってから、血圧も安定しました。最大血圧は120mmHg、最小血圧は80mmHgと正常化したのです。以前は、血圧が高めだったため、降圧剤を飲むこともありましたが、今は、薬に頼ることもありません。

「重い物も持てる」と山口さん
全身の血流がよくなり、ひざの炎症を抑える(玉川学園岡田医院院長 岡田研吉)
ニンニクは、全身の血流をよくするので、ひざの炎症を抑えて痛みを軽減する働きが期待できます。山口さんのケースからもわかるように、酢ニンニクを長期的に摂取すれば、ひざ痛の緩和につながるでしょう。
また、酢ニンニクを作る際に、黒酢や果実酢、ハチミツや黒砂糖などを用いると、さらなる効果が期待できます。
長期間漬けておくと、ニンニクの栄養成分が溶け出すため、酢だけを摂取してもけっこうです。胃に負担をかけないように水で3倍以上に薄めましょう。