つまずきや転倒を招く猫背の矯正に役立つ
背中の上部にある肩甲骨周辺は、血流が滞りやすく、こりやすい部位です。
肩甲骨周りのコリは、肩の不快感や、腕が上がりにくい、という症状で現れます。
また、上半身のだるさも、肩甲骨のコリが原因の場合が多いのです。
さらに、肩甲骨の周辺の筋肉が緊張すると、姿勢が悪くなり、猫背になる傾向があります。
背中が丸くなると、内臓が圧迫されて、食欲不振や便秘などを誘発するばかりでなく、つまずきや転倒の原因にもなります。
「年のせい」とあきらめず、いい姿勢を取り戻しましょう。
肩甲骨のコリの改善に最適なのが、腕のつけ根もみです。
大円筋は、腕のつけ根にあります。
大円筋をもむと、肩周りの9種類の筋肉に、同時に刺激が伝わります。
また、三角筋、棘上筋など、肩甲骨に付着する筋肉の拮抗筋となっているので、肩を構成する多数の筋肉を緩めることができるのです。
その結果、腕を上げやすくなって、姿勢もよくなります。
大胸筋も緩んで血流が改善するため、上半身のだるさも解消してきます。
腕のつけ根もみのやり方

解説者のプロフィール

班目健夫
1954年、山形県に生まれる。1980年、岩手医科大学医学部卒業後、同大学院進学、第一内科入局。
1984年、医学博士号取得。2004年より東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック講師。
2011年、青山・まだらめクリニック自律神経免疫治療研究所を開設。
西洋医学の専門領域は内科、肝臓学、消化器内科。西洋医学と東洋医学のいいところを取り入れた統合医療を実践している。
●青山・まだらめクリニック
https://www.dr-madarame.com/
五十肩(肩関節周囲炎)の改善にもお勧めです。
五十肩は、突然、肩関節に激しい痛みが生じます。
3〜6ヵ月で痛みは軽減しますが、肩関節の動きが悪くなり、肩や腕が上がらなくなります。
五十肩の人は、肩を構成する肩甲下筋が腫れ、硬直していることが多いのです。
大円筋を刺激すると、肩甲下筋のこわばりを緩めることができます。
五十肩の人が、腕のつけ根もみをやると、その場で腕がスッと上がることもあります。