足がしびれて、痛くてだるくなり、思うように歩けなくなった
私は70代後半までは、いたって健康体で、どこも悪いところがありませんでした。ところが、80歳を目前にした平成21年の8月、突如として体に異変が起こったのです。
その日は暑い日で、私はクーラーをかけたまま昼寝をしていました。目が覚めて起き上がろうとしたところ、腰に激しい痛みが走り、立ち上がれなくなったのです。
そのまま1時間ほど寝たままでいると、なんとか起き上がれるようになったものの、右足の筋肉に沿ってジーンというしびれを感じました。
腰からひざにかけての痛みもまだ残っていたので、すぐに近所の整形外科を受診したところ、脊柱管狭窄症(背骨の中が狭くなることで、中を通る神経が圧迫されて起こる病気)と診断されました。
患部に注射をしてもらうと、痛みは治まったのですが、しびれは相変わらず取れないままでした。
その後、1年間くらいは、同じ整形外科に通院しましたが、しびれと痛みは取れず、完治には至りませんでした。
そうこうするうちに、足のしびれが悪化していきました。それまでは、私は長年ウォーキングを習慣にしており、30〜40分歩くのを日課としていました。
しかし、歩いていると、足がしびれて、痛くてだるくなり、思うように歩けなくなりました。100mを歩くのに3回も休憩を取らないと、前に進めないようになったのです。
以前、ときどきギックリ腰を起こしたことはありましたが、足の痛みやしびれはありませんでした。このように右足にしびれが出るときは、右ひざも、てきめんにひどく痛くなります。
これまで元気でいたのに、こうした痛みやしびれのために歩けなくなったらどうしようと、不安が募るばかりでした。
そんなときに、ある友人が、坂井医院を勧めてくれました。その友人の奥さんは、坂井学先生に診てもらったら、腰痛や足のしびれがよくなったというのです。
ひと筋の希望を抱きながら私が坂井医院を訪れたのは、平成22年の11月のことです。先生に診察をしていただいた結果、腰と足の血液循環が低下し、筋肉がかたくなっていることにより、歩行困難が生じているとのことでした。
長い距離を歩いてもしびれや痛み知らず
坂井医院では、体のエネルギーを整えて、血液循環を改善する治療を受け、簡単な運動療法を行いました。
そのあとに、坂井先生は自分で体をケアする方法を、いくつか教えてくれました。それが、生活習慣を見直したうえで、痛みが出ている患部をカイロで温めることです。
先生によれば、痛みの原因は血液循環の低下にあるとのこと。そして、生活習慣として大事なのは、体よりも冷たい飲み物や食べ物を、口にしないことだそうです。
また、口を開けずに行う鼻呼吸や、体を横にして骨を重力から解放する「骨休め」が大切とのことでした。
そこで、私はアドバイスに従い、努めて温かいものを口にするようにしました。寝るときには、口で呼吸をしないように、口にテープを貼り、マスクをして寝ました。骨休めとしては、7〜8時間はしっかりと睡眠を取るようにしたのです。
加えて、いつも欠かさなかったのが、使い捨てカイロを貼ることです。朝起きたら、骨盤の辺りに1枚、しびれと痛みのある足のひざに1枚、合わせて2枚のカイロを貼り、1日中過ごしました。夜お風呂に入るときにカイロを外しますが、翌朝また新たに貼ったのです。
カイロを使い始めたのは冬でしたが、季節が変わり、温かくなってきても、私はカイロを貼り続けました。しびれや痛みが改善するなら、やめるわけにはいけないと思ったからです。
さて、その効果が現れ始めたのは、数ヵ月が経ったころからでした。いつしか、長い距離を歩いても足のしびれやひざの痛みが気にならなくなってきたのです。そして、9ヵ月が経ったころには、腰の痛みもかなり楽になっていました。
現在では、足のしびれはほとんど感じません。ただし、長時間歩き過ぎたときは、今度は左足にしびれと痛みが少し出るようになってきました。そこで、今は骨盤の辺りと、左ひざにカイロを貼るようにしています。そのおかげか、しびれや痛みが長く続くことはありません。
坂井先生には、心から感謝しています。
血液循環が促進され筋肉の緊張が取れる(坂井医院院長 坂井学)
しびれの主な原因は、血液循環が障害されていることです。そこで、しびれている場所に使い捨てカイロを貼ると、患部が温まって、血液循環が促進され、筋肉の緊張が取れてしびれの症状が解消します。
また、石岡さんの場合は、生活習慣も見直し、「鼻呼吸」「温飲食」「骨休め」を忠実に実行しました。このことも、症状の改善を早めたのでしょう。
ところで、しびれがあっても、我慢して運動を行う人がいますが、患部のダメージを大きくするおそれがあるので、無理な運動は禁物です。しびれや痛みが取れてから実行してください
「長距離も歩ける」と石岡さん