解説者のプロフィール
鶏のから揚げと食感がそっくり!
私は昔から、料理のレシピコンテストに応募するのが大好きです。昨年も、あるコンニャクメーカーが主催したコンテストに応募し、グランプリを獲得することができました。このとき考案したメニューに使ったのが、「氷コンニャク」です。
コンニャクは、いったん冷凍し、解凍した後でギュッと絞ると、含まれている水分が抜けます。この水分が抜けきってスポンジ状になったものを、氷コンニャクと呼んでいます。
氷コンニャクには、普通のコンニャクにはない、シコシコ、キュッキュッとした独特でクセになる食感があります。グランプリをとったメニューでは、鶏肉の代わりに氷コンニャクを使ってから揚げを作ったのですが、「本物の鶏肉のような食感がある」「大人も子どもも楽しめる」と好評でした。
実は、氷コンニャクは私の発明ではありません。実家の母が昔から、ムニエルや揚げ物などの料理に氷コンニャクを使っていたのです。母の父はマクロビオティック(玄米菜食を中心とした食事療法)に関心のある人でしたから、おそらく氷コンニャクもその知恵の一つだったのでしょう。
レシピコンテストを機に、あらためて氷コンニャクの可能性に気付いた私は、その後、さまざまな料理に氷コンニャクを使うようになりました。
「しっかり食べた」という満足感がある
すると、体にうれしい変化が表れたのです。
実は昨年の6月に結婚して以来、大食漢で外食好きの夫との食事が影響し、私は少々太ってしまいました。ところが、氷コンニャクを使った料理を食べ始めると、スルスルとやせたのです。それからというものの、氷コンニャクを使った料理が食卓に上らない日はないほどのペースで食べ続けたのです。
体重は、わずか3ヵ月で47㎏から40㎏に減りました(身長は156㎝)。
私と同じ食事を取った夫にいたっては、なんと96㎏から84㎏に(身長は178㎝)。夫婦で合わせて19㎏ものダイエットに成功したのです。
考えてみれば、コンニャクはカロリーのほとんどない食材で、100gで約5㎉です。摂取カロリーが減れば、やせるのは当たり前。
氷コンニャクで7Kgやせた

氷コンニャクのしっかりとしたかみ応えも減量に役立つ
氷コンニャクは、揚げ物や炒め物から煮物まで、メインのおかずに使われる肉や魚介類の代わりになります。そうすることで、カロリーを抑えた食事を取ることができるのです。
特に、食感が肉に似ているため肉料理の代用品だと考えていただくとよいかもしれません。
さらに、氷コンニャクは、水が抜けた分、普通のコンニャクよりも味がよく染みます。ですから、しっかりとした味を付ければ、和食、洋食、中華など、どんな料理にもよく合う万能食材なのです。
このような食感と味付けのおかげか、夫も最初はコンニャクを使っているとは気付きませんでした。
一般的な低カロリーのダイエット食と異なり、氷コンニャクを使った料理は「しっかり食べた」という満足感があります。
また、氷コンニャクのしっかりとしたかみ応えも減量に役立ったのでしょう。かみ応えがあれば、かむ回数が増えるため、肥満の原因である早食いを避けることができます。
氷コンニャクの使い方

味付けや量に対するストレスはゼロ!
コンニャクに豊富に含まれる食物繊維も、減量には役立つはずです。私は、もともとお通じの調子はよいほうですが、氷コンニャクを食べ続けていた間は、さらに快調だったような気がします。
加えて、太ってきてから気になっていた肌の乾燥や毛穴も気にならなくなってきたのです。
たくさんおいしいものを食べて、スリムになれて、美肌を手に入れることができたのは、まさに氷コンニャクのおかげと言っていいかもしれません。
では、氷コンニャクの作り方をご紹介しましょう。
①まず、コンニャクを用意します。コンニャクは、煮物などに使う一般的な市販品を使います。上等な生コンニャクは、解凍後、食感が硬くなるので氷コンニャクには向きません。
②コンニャクは、洗ってぬめりを取ってから、料理の用途に応じて切り分け冷凍します。
切り方は、肉料理の肉の代わりをイ
メージして、「ひと口大ぶつ切りサイズ」「そぼろ切りサイズ」「ステーキ切りサイズ」「ベーコン切りサイズ」「シート切りサイズ」「ダイス切りサイズ」「短冊切りサイズ」などがお勧めです。
それ以外にも、その食感を生かしてアレンジとして「エビ切り」「ホタテ切り」「マカロニ切り」なども紹介していますが、みなさんのアイディアしだいで無限に可能性が広がるのが、氷コンニャクの特長です。
冷凍するさいの注意点は、コンニャクは完全に凍るまで時間がかかるので、一晩以上凍らせてから使用するとよいでしょう。
また解凍後、コンニャクはかなり縮みます。小さく切り過ぎると食感が硬くなるので注意してください。糸コンニャクやシラタキも硬くなり過ぎるので、氷コンニャクには向きません。
③使うときは、熱湯をかけて解凍します。もちろん、常温で解凍しても構いません。解凍後は、キッチンタオルなどで包んでから、両手でしっかりと絞って水を抜きます。この水抜きで、コンニャク独特の臭みが消えます。
食事はたっぷり、でも痩せたい人にはピッタリ

氷コンニャクは、濃い味の料理や、薬味・スパイスを使った料理にもよく合います。ただ、味が染みやすいため調味にはご注意ください。火もすぐに通ります。
肉や魚介類を適量合わせて使うと旨味も加わりますし、慣れないうちは、そのほうが食べやすいかもしれません。私の周囲で評判がよいのは、そぼろ切りの氷コンニャクを使ったギョウザやつくねです。
食事調整によるダイエットは、味付けや量に対するストレスが多く、続けづらいと聞きます。氷コンニャクであれば、そのストレスはほとんどありません。
また、コンニャクは1枚100円程度で、お肉よりも何倍もお買い得! ある程度冷凍しておけば、家計がピンチのときや買い物に行けない日のお助け食材にもなります。
食事はおいしくたっぷりと食べたい。でもやせたい! という人は、ぜひ氷コンニャクを試してみてください。
橋爪佐和子
1982年生まれ。大学卒業後、専門学校で学び、鍼灸あんまマッサージ師の資格を取得し、2011年、女性専門の鍼灸院「四次元堂」を開業。日本古来の鍼灸指圧術と民間療法や自然療法を取り入れたセルフケアを女性誌などで提唱。料理は趣味というより生きがいで、ヒマを見つけてはオリジナルレシピをコンテストに応募している。今夏には、アメリカのコンニャクメーカーのホームページで「コンニャククイーン」としてレシピを公開する予定。
http://sawakohashizume.com/index.html