首の後ろは全身の治療点! 温めれば脊柱管狭窄症、ひざの痛みまで消える
首の頸椎5ヵ所にはツボもあり、これらをまとめて「刺熱穴」と呼びます。それぞれ「肺熱穴」「心熱穴」「肝熱穴」「脾熱穴」「腎熱穴」という名前がついています。これらはその名のとおり、肺、心、肝、脾、腎の「五臓」に対応しています。
【解説】木戸正雄(日本鍼灸理療専門学校教務部長)
首の後ろを温めると全身の血流がよくなる
東洋医学では、手のひらや耳など体の一部分に、人体の縮図が投影されると考えます。
あまり知られていませんが、実は首の後ろの第3頸椎から第1胸椎までにも同様に人体の縮図があります。体の悪い部分はこれに対応しているといわれています。
また。首の頸椎5ヵ所にはツボもあり、これらをまとめて「刺熱穴」と呼びます。それぞれ「肺熱穴」「心熱穴」「肝熱穴」「脾熱穴」「腎熱穴」という名前がついています(図参照)。
これらはその名のとおり、肺、心、肝、脾、腎の「五臓」に対応しています。
この刺熱穴は、カゼの特効ツボです。カゼのひき始めに、五つのツボのどこかに反応が現れるので、そこにお灸をすると、鼻づまりやのどの痛み、セキ、発熱などのカゼの症状が早期のうちに治癒します。これは、全身の機能が整い、自然治癒力が高まるためです。
次に、解剖学的に見ると、頸椎を含む背骨(脊椎)を取り囲むように複数の静脈が走っており、これを「椎骨静脈叢」と呼びます。
椎骨静脈叢には、全身を流れる静脈血の4分の1ほどが集まっており、全身の血流に大きな影響を及ぼします。椎骨静脈叢の血流が滞ると、全身の血流が悪くなるのも当然なのです。
首を温めると、首の部分だけでなく、背骨に沿って走る椎骨静脈叢全体が温められ、全身の血行改善が促されます。
東洋医学では、冷えなどで血液が滞った状態を「瘀血」と呼び、万病のもととしています。
首を温めて血行を改善すれば、瘀血が解消し、多くの病気への効果が期待できます。前述のとおり、首の後ろは全身に対応しているので、首、腰、ひざ、脊柱管狭窄症の痛みはもちろん、眼精疲労など目の症状、加齢に伴う耳鳴りなどあらゆる症状に有効です。
ペットボトル治療のやり方
腰の痛みにも有効なホットペットボトル
首を温める手軽な方法としてお勧めなのが、ホット用のペットボトルを使うことです。
60℃程度のお湯をホット用ペットボトルに入れ、上から下へずらしながら、気持ちよく感じるポイントを探します。ポイントが見つかったら、そのまま10分ほど温めます。熱い場合は我慢せず、タオルを巻くなどで調整をしましょう。
このホットペットボトルは、腰、ひざ裏など痛みのある部分に当てるのも効果的です。
解説者のプロフィール
木戸正雄
日本鍼灸理療専門学校教務部長。現在は鍼灸の専門学校教員だが、治療家時代は鍼灸を中心とした東洋医学の医術で1日100人以上を治療していた。
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