MENU
【坐骨神経痛の名医】症状と治療法のキモは仙腸関節 AKA博田法で原因を解決

【坐骨神経痛の名医】症状と治療法のキモは仙腸関節 AKA博田法で原因を解決

原因がはっきりした腰痛は、全体の1割以下で、9割以上の腰痛は「原因不明」です。この原因不明のものに対して「関節運動学的アプローチ」で改善する治療法「AKA-博田法」をご紹介します。【解説】片田重彦(かただ整形外科院長)

解説者のプロフィール

片田重彦
慶応義塾大学医学部卒業後、名古屋保健衛生大学(現・藤田保健衛生大学)講師、スイス・チューリッヒ大学留学、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)整形外科部長を経て、かただ整形外科院長。
「AKA-博田法」をいち早く腰痛の治療に取り入れ、高い実績と治癒率の高さが評判を呼んでいる。
著書に、『たった5分間で9割の腰痛がよくなるAKA-博田法で、腰痛が消えた!』(講談社)がある。

●かただ整形外科
http://www.myclinic.ne.jp/ktseikei/pc/index.html

9割の腰痛が原因不明

 腰痛は、日本人の成人の7割が経験するといわれる、国民病ともいうべきものです。

 皆さんの中にも、椎間板ヘルニア(背骨を構成する椎骨と椎骨の間にある椎間板が飛び出した状態)や脊柱管狭窄症(背骨内部の神経の通り道が狭くなって起こる病気)と診断され、手術を含む、さまざまな治療を試みた人もいることでしょう。

 しかし、あらゆる治療を受けても腰痛が改善しない、という人も多く存在します。

 21世紀に入るまで、腰痛の原因の多くは背骨にある、と考えられてきました。MRI(磁気共鳴画像法)が開発され、椎間板の変形が画像として映し出されるようになったことも、その考えを後押ししました。

 ところが、海外では同時期に「エビデンス(証拠)に基づく医学」が始まり、腰痛の証拠探しも行われました。
 その結果、逆説的ですが、腰痛の原因は「わからない」ということが、あらためて確認されたのです。日本でも、同様の宣言が2012年に行われています。

 確かに、背骨が原因になっている腰痛もありますし、骨折など、はっきりした原因がある腰痛もあります。しかし、それは腰痛全体の1割以下で、9割以上の腰痛は「原因不明」とされているのです。

 原因不明のものに対しては、治療の方法もありません。しかし、実際に腰痛は存在するのですから、その原因はどこかに必ずあるはずです。

 この難題に「関節運動学的アプローチ」という、誰も考えなかった理論と新技術をもって取り組んだのが、私の恩師で、元国立大阪南病院理学診療科医長の、博田節夫先生でした。

 その博田先生が研究開発したのが、「AKAー博田法」という治療法です。

AKA-博田法

仙腸関節の「あそび」を復活させる

 AKAー博田法では、腰痛の原因は、背骨ではなく、仙腸関節の異常にあると考えます。

 仙腸関節とは、仙骨と腸骨をつないでいる、骨盤にある関節です。

 仙骨は、背骨の最下部に位置する三角形の大きな骨です。仙骨の左右で、チョウが羽を広げたような形をしているのが、腸骨です。

 仙腸関節は、仙骨が腸骨と接する部分にあり、周囲の靱帯によって連結されています。それぞれの骨の面と面で接していて、前後左右に最大3mmほど動きます。

 この仙腸関節が、重い物を持ったり、急に腰をひねったりしたことで、引っかかりやずれが生じ、それが痛みやしびれとなって現れるのです。

 関節には必ず「あそび」があり、このあそびが、関節をスムーズに動かしています。仙腸関節も例外ではありません。仙腸関節に引っかかりやずれが生じると、そのあそびがなくなり、動きが悪くなって腰痛が起こるのです。

 これまで、仙腸関節は「動かない関節」だと思われていたため、ほとんど注目されていませんでした。

 しかし、仙腸関節も動くのです。引っかかりやずれが生じたまま放置しておくと、腰痛をはじめ、足のしびれや痛み、筋肉の張り、筋力低下に悩まされ続けることになります。

 AKAー博田法の診断は、まず、仙腸関節の引っかかりやずれの有無、程度の確認から入ります。

 そして、体の表面に手で触れて、仙腸関節の一部を指先で動かし、関節面を1~3mmずらして、あそびを復活させます。

 ギックリ腰のような急性の腰痛の場合は、治療中に少し痛みを感じる場合もありますが、慢性的な腰痛の場合は、ほとんど痛みは感じません。

 私は、1年に3000人ほど、新規の腰痛の患者さんを治療していますが、仙腸関節に原因がある腰痛の9割は、このAKAー博田法で解決しています。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
言われるがままバンドを巻き体を動かしてみたところ、腰とお尻の下の鈍い痛みがその場でスッと消えたのです。心底びっくりし「これはなんですか?」と関口先生に聞いたところ、43円療法と教えられました。私の体に43円療法は合っていると思います。体の痛みを自分で調整できるのはありがたいです。【体験談】奥田弘毅(仮名・無職・69歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私は腰痛や座骨神経痛の痛みをもっとすっきり取る方法はないかと考えていました。これらの痛みは背骨や骨盤を矯正しても、多少改善されるだけで劇的にはよくなりません。試行錯誤を続けているうち、「大腿直筋」という筋肉が、硬くこわばっているために、腰痛などが起こっていることがわかったのです。【解説】関口志行(ツバサ整骨院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
驚いたのは、体操を教わった直後の出来事です。「走ってみてください」先生がそうおっしゃったのです。足を引きずりながら治療院にたどり着いた私です。まさか走れるわけが…、と思いながら足を動かしました。すると、本当に走れるではありませんか。まるで先生に魔法をかけられたかのようでした。【体験談】阿部道子(仮名・主婦・73歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
痛みは、筋肉の硬直から起こります。筋肉がかたくなると、それに引っ張られて骨や関節がゆがみ、神経や血管が圧迫されて痛みが出ます。しかし、手首を押さえながら体を左右にねじると、筋肉が緩んで、骨が本来の正常な位置に戻ります。それによって神経や血管の圧迫がなくなり、痛みが取れていくのです。【解説】関口志行(ツバサ整骨院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私の腰痛は、肩こりも原因の一つなのだとか。最近は特に肩のこりを感じていなかったので、この指摘は少し奇妙に感じました。しかし、実際に手首押しを始めて1週間ほどで、腰はかなりらくになりました。1ヵ月たった今、完全に痛みが消えたとまではいきませんが、腰の調子はかなりよいです。【体験談】有田孝一(仮名・無職・77歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル