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肩こりや腰痛を自分で治したい!ほぐして伸ばして回して鍛える「ほのまき体操」

肩こりや腰痛を自分で治したい!ほぐして伸ばして回して鍛える「ほのまき体操」

肩こりや腰痛を自分で治したい、体力をつけたい、という人のために、体を整えるための四つの要素「ほぐす・伸ばす・回す・鍛える」の頭文字をとった「ほのまき体操」をご紹介します。【解説】岩月麻里(おばた治療室代表)

解説者のプロフィール

岩月麻里(いわつき・まり)
●おばた治療室
名古屋市守山区中新10-8 シャンボール小幡2-C
052-795-4366
http://ma-obata.life.coocan.jp/

おばた治療室代表・鍼灸マッサージ師。大学卒業後、名古屋市の公立保育園に7年間勤務。3児の出産を経て鍼灸学校に入学し、平成11年に名古屋市守山区で女性向の治療院おばた治療室を開業する。自力整体の指導ののち、2011年より指圧、マッサージ、整体、ストレッチ、筋トレの要素を含み、総合的にからだを整えるほのまき体操を考案し、教室および講座等で普及を図っている。

ほぐす・伸ばす・回す・鍛える「ほのまき体操」

私の治療室では、鍼灸治療に加え、指圧、整体、アロママッサージなどを行っています。しかし、いくら治療をしてもすぐに痛みが再発する人がいます。

それは、筋力が弱くて体を支えられずに痛みが出ている人です。その場合、筋力を強化しなければ痛みは解消しないので、治療でほぐした後に、必要に応じて体操の指導もしています。

また、肩こりや腰痛を自分で治したい、体力をつけたい、という人のために体操教室も開いており、そこでは硬くなった筋肉をほぐしたり、伸ばしたり、関節を回したりして、動かしやすい状態にしてから、筋トレを行っています。

その体操を、体を整えるための四つの要素「ほぐす・伸ばす・回す・鍛える」の頭文字をとって「ほのまき体操」と名付けました。

ほのまき体操は、一人一人の体の状態、現れている症状によって、内容が変わります。ほぐす・伸ばす・回す・鍛えるの四つすべてが必要な場合もあれば、四つのうち必要なものだけを行う場合もあります。

仙腸関節の靭帯がゆるんでいるケースが多い

今回は、腰痛に効くほのまき体操を紹介します。腰痛にもいろいろなタイプがあり、この体操が適応となるのは、お尻の仙骨(骨盤の中央にある三角形の骨)の辺りに痛みがある人です。

仙骨の位置

仙骨の辺りに痛みがある人は、仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節の靭帯がゆるんでいるケースが大多数です。靭帯に代わって、周りの筋肉が体を支えようとがんばるため、疲れて痛みが出ているのです。

仙腸関節は、前かがみの姿勢や、お尻が落ち込む座り方を長時間続けていると、ゆるんできます。パソコン、草むしりや農作業、仕事で前かがみの姿勢になることが多い人は、ぜひこの体操をやってみてください。

また、生理痛のある人や、産後の腰痛、年齢とともにお尻の筋力が落ちてきた人にもお勧めです。

なお、今回ご紹介するほのまき体操は、脊椎すべり症など、腰を反らせると痛くなるタイプの腰痛には向きません。ギックリ腰で痛みが強いときに、無理にやるのも禁物です

目安は、気持ちがいいかどうかです。痛みを感じるときは無理をしないでください。

腰痛に効く「ほのまき体操」のやり方

仙骨周辺の腰痛に効くほのまき体操は、次のとおりです。

【伸ばす】
ゆるんだ仙腸関節を元に戻すため、体を伸ばしたり、ひざを抱えたりという動作をくり返します。

【回す】
腰を左右に回して、骨盤を整えます。この体操は急性期の腰痛にも有効です。

【鍛える】
お尻をキュッと締めて、大臀筋を鍛えます。

なお、「ほぐす」は、仙骨周辺の腰痛の場合は、必要ありません。

体操教室にお越しのFさん(60代・女性)は、中腰の姿勢で、ガス台の下を掃除しているときに、腰痛を起こしました。すぐに、ほのまき体操を思い出し、試しに小さく腰を回したところ、徐々に可動域が広がって大きく回せるようになり、腰がらくになったそうです。

【伸ばす】体操

バスタオルを4つに畳んでクルクルと丸める。

①のバスタオルを仙骨に当て、あおむけに寝る。

バンザイをして、手足をグーッと伸ばす。30秒〜1分、気持ちのいい範囲で続ける。

手でひざを抱え、胸に近づけて腰を丸める。20秒キープする。
※③〜④を3セットくり返す。

【回す】体操

足を肩幅に開いて立ち、腰に手を当てる。
右周りに15回、円を描くように腰を回す。
※③〜④を3セットくり返す。

【鍛える】体操

足を伸ばしてあおむけに寝る。
お尻に力を入れてキュッと締め、10秒キープする。これを5〜6回くり返す。

普段の座り方に気を付けていただきたい

それから、ぜひ気を付けていただきたいのが、普段の座り方です(下記参照)。

腰痛予防のためには、骨盤を立てて座ることが大事ですが、お尻の下に座ぶとんやクッションを敷くと、骨盤を立てやすくなり、背筋も鍛えられます。

筋力が弱いうちは、この姿勢を保つのはきついかもしれません。そのときは、背もたれと腰の間にクッションなどを入れて支えると、S字カーブを保ってよい姿勢で座ることができます。日常的にこの座り方を行うだけで、筋力がついてきます。

なお、この座り方は、仙骨付近の腰痛だけでなく、すべての腰痛にお勧めです。

骨盤を立てて背すじを伸ばして座れば、胸が開いて呼吸も深くなり、内臓の働きもよくなります。全身の健康づくりにも役立ち、姿勢も改善されます。ぜひお試しください。

【床に座るとき】

あぐらで座るときは、お尻の下に座ぶとんなどを入れて腰を高くする。

【イスに座るとき】

座面の後ろのほうに座ぶとんなどを敷いて腰を高くし、背中にクッションを当てるとS字のカーブが保たれる。

※いずれの場合も、ひざより腰を高くすることがポイント。座ぶとんを2つ折りにしたり、クッションなどで高さを調節してください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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