解説者のプロフィール

石崎光子(いしざき・みつこ)
●石崎光子フレッシュ体操アカデミー
東京都杉並区阿佐谷北4-27-17 村主ビル
03-3223-1912
http://www.fresh-mi.net/
ボディメイクアッププロデューサー。石崎光子フレッシュ体操アカデミー主宰。
中学のときに肺結核になり、健康のありがたさを痛感。72年、当時数少ない女性ボディビル指導者としてマスコミに注目される。テレビ番組に1年間レギュラー出演。73年フレッシュ体操アカデミー設立。東京ボデイビル・フイットネス連盟理事長補佐としても活躍。
まとまった時間を作って運動する必要はない!
私の体操教室には、30代半ばから88歳まで、幅広い年代の生徒さんが参加されています。
むくみに悩む人もたくさんいますが、運動すると代謝がよくなるので、年齢にかかわらず、誰もがむくまなくなります。
特に50代以降の女性は、むくみに悩む人が多いようです。更年期やその前後はホルモンバランスのくずれによる不調が出やすい時期です。
子育てや介護、仕事などの負担も重く、ストレスで自律神経のバランスがくずれやすくなります。その結果、代謝が悪くなり、水分の排泄が滞るのでしょう。
そんなむくみやすい年代であっても、運動で代謝をよくしておけば、健康で過ごせます。
とはいえ、まとまった時間を割いてまで、運動する必要はありません。日常の合間に取り組める運動で充分です。
そんな運動のなかで、最も続けやすく効果が高いと、私が太鼓判を押しているのが「ゴキブリ体操」です。
これは寝た姿勢で、両手両足を上げてブルブルと振る体操です。ゴキブリがひっくり返って足をモゾモゾ動かしている様子と似ていることから、こう呼ばれています。
名前こそ変わっていますが、むくみを撃退するだけでなく、肩こりや腰痛などを解消し、若返りや、やせる効果まで得られる体操なのです。
手足の末端から一気に血液やリンパを流す
ゴキブリ体操の最大の長所は、手足など末端から体の中心部へと、一気に血液やリンパを流してくれる点です。
手足は日常では心臓より低い位置にあるため、血液やリンパの流れが滞りがちになります。
ゴキブリ体操で手足を高く上げる動きは、末端で滞っていた血液を、体の中心部へと戻していきます。さらに、手足をブルブルと振ることで、末梢の血液循環が促され、筋肉の緊張もほぐれます。
手足を上げる姿勢は、おなか周りの筋肉を使いますから、下半身も引き締まってきます。おなかを刺激するので、便秘の解消にも役立つのです。
ゴキブリ体操は生徒さんたちにも大好評です。行った直後、「だるさが取れた」「手足がポカポカになった」「寝つきがよくなった」などの効果を、皆さん感じていらっしゃいます。
一方、続けた人からは「長年の顔のむくみが取れた」「小顔になった」「おなかとお尻が引き締まった」という声が寄せられています。
慢性的なむくみも2~3ヵ月続ければ解消するようです。
続けている人は見た目がマイナス20歳!

73歳でこの柔らかさ!
私自身も起床時に、ゴキブリ体操を行うのが30年来の日課です。目覚めてすぐに、まず足だけを100回、続けて手も加えて100回振ります。これで体がシャキッと目覚めます。
そのおかげでしょう。私は今73歳ですが、現役で仕事を続けることができています。
身長162㎝、体重50㎏と、体形も20代の頃から変わりません。人生においてむくみを経験したことも一度もありません。
ちなみに、88歳の生徒さんも20年以上、ゴキブリ体操を続けていらっしゃいます。やはり病気知らずで、外見は60代にしか見えないほどです。
ゴキブリ体操を長年、続けている生徒さんはたくさんいますが、この続けやすさ自体が、ゴキブリ体操のすぐれた点だと思っています。
布団の上で寝た状態でできるので、起床時や就寝前の習慣にしやすいのです。布団に入るときはパジャマなど動きやすい服装ですから、その点でも取り組みやすいはずです。
ゴキブリ体操は、お尻をしっかり床につけて、リラックスして手足を上方向に上げるのがコツです。まっすぐ手足を上げるのが難しいなら、ひじやひざを軽く曲げてもかまいません。
ただし、90度近く曲げると、血液の流れがそこで滞り、足が重くなることがあるので、回数があまりできません。
ひざとひじは軽く曲げると、ブラブラ振りやすく効果が出やすいです。100回行って、疲れない角度を探しましょう。
時間や回数にはこだわらず、30秒程度でもいいのでとにかく日々続けてみてください。3ヵ月後、半年後、1年後、体がいい方向に変化しているのを必ず実感できることでしょう。