解説者のプロフィール

深堀真由美(ふかぼり・まゆみ)
●深堀ヨガスクール
東京都新宿区西新宿7-7-33 新銘ビル5階
03-3365-3203
https://www.f-yoga.com/
深堀ヨガスクール主宰・ヨガ研究家・インドヨガ協会認定インストラクター。
全身の気血の流れを促し、細胞をリフレッシュさせる「ブリーズィングヨガ」を提唱。呼吸を深め、心身の調和を育むことを重視している。レッスンの他、講演活動、テレビ・雑誌・書籍・ラジオなど、さまざまなメディアで活躍中。著書に『やせる!きれいになる!指ヨガ』(マキノ出版)、『3分で劇的に楽になる指だけヨガ』(メディアファクトリー)など多数。
指ヨガは便秘や顔・足のむくみに即効!
ヨガというと、体を動かす広いスペースや落ち着ける時間がないと取りかかれない、というイメージがあります。
しかし、今回ご紹介する「指ヨガ」は、その名のとおり、指を使うだけの非常にシンプルなヨガ。
いつでもどこでも簡単にできます。
そのやり方は、指と指で押し合うだけです。
難しいテクニックは全く必要ありません。
「ヨガはやってみたいけれど、体が硬くて、難しいポーズは無理」と思っている人にも勧められます。
体によけいな負荷がかかりませんから、高齢者も楽々行うことができるのです。
私が指ヨガを考案したのは、2004年のことです。
発表当初から大好評で、以来、多くの人に支持されてきました。
指ヨガは即効性が高く、特に便秘や、顔・足のむくみなどには、たちまち効果が現れます。
しかも、根気よく続けることで、「肩こりや腰痛が改善」「血圧やコレステロール値が下がった」「不眠や頭痛を解消」「ダイエットに成功した」などの効果も報告されています。
指ヨガを行うと、全身の血流や代謝が促進され、内臓機能が強化されます。
私たちの意志とは無関係に内臓などの調整を行う、自律神経の働きを整える効果も高いのです。
このため、指ヨガを続けることで、多くの健康効果やダイエット効果が得られます。
なお、東洋医学のツボや気(一種の生命エネルギー)の考え方は、インドから伝わったという説もあるくらいで、インド医学と東洋医学には共通する部分がたくさんあります。
指を重視するのも、その共通点の一つです。
インド医学でも、指には、東洋医学と同様、多くの重要なツボのようなもの(マルマ)が集まっているとされています。
しかも、それぞれの指は、体の各部に対応していると考えられています。
このため、体の部位別や症状別に、特定の指に対して重点的に指ヨガを行うことが、症状改善のためのより有効なアプローチとなります。
別記事で、症状別のやり方をご紹介していますので、それもぜひ参照してください。
原則は、基本の指ヨガを朝昼晩に3セットずつ、毎日行うことですが、最初は1セットから始めてみましょう。
毎日少しでも続けていくことが肝心です。
最初は自分が行いやすい時間、セット数でかまいません。
慣れてきたら、徐々に回数をふやしていくといいでしょう。

指ヨガのレッスンを行う深堀先生
基本の指ヨガのやり方
気になる症状がある人は、基本のヨガを行なった後に、下の症状別の指ヨガを行なってください。
●ヨガの呼吸の基本は、鼻から息を吸って鼻から吐くことです。指ヨガでも、鼻で呼吸をするのが理想です。しかし、鼻で息を吐くのが難しい場合、無理をせず、鼻から吸って口から吐く呼吸でかまいません。
●息は、吐く時間を吸う時間の倍くらい長くするのがコツです。「1、2」と心の中で数を数えながら息を吸ったら、「3、4、5、6」と吐いていきます。
●指ヨガは立っても座っても行うことができます。いずれの場合も、できるだけ背すじを伸ばして行います。
●指先を合わせるとき、手のひらの間にテニスボールを1つ入れるようなつもりでセットします。指先どうしで押し合うといっても、むやみに指に力を入れる必要はありません。肩の力を抜き、適度な力で押し合いましょう。

❶立った姿勢か、いすに座り、両手の指のまたをできるだけ広げる。
❷左右の手の指先どうしを軽く合わせる(基本のポーズ)。

❸まず、親指どうしを押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❹親指から小指までを順番に押し合ったら、次に、5本の指を同時に押し合う。このときも3回呼吸をしながら行う。
❺①〜④を1〜2分間で行い、3セットくり返す。これを、朝、昼、晩の1日3回程度行う。

※第2関節が曲がるほど、力を入れすぎないようにする。
症状別の指ヨガのやり方
指ヨガでは、それぞれの指が体の各部に対応していると考えます。
例えば、親指は、顔やのどに対応。親指への重点刺激で甲状腺ホルモンを活性化します。
更年期障害や耳鳴り、顔のむくみなどに効果的。育毛効果もあります。
このように、悩みによって、部位別、症状別に指を選び、重点的にヨガを行ってみましょう。
❶最初に、基本の指ヨガ(上記参照)を行います。
❷次に、症状に対応した指の指ヨガをもう1度行います。
その指のつけ根を親指で押し下げて伸ばすことで、症状別の指をしっかり刺激することができます。
❸最後に、5本の指で押し合う指ヨガを行うと完了です。
人差し指:胸や上腹部に対応
■改善が期待できる症状
肩こり、カゼ、ぜんそく、胃痛 二日酔いなど
❶基本のポーズで人差し指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❷基本のポーズから人差し指の接点を離し、左右の人差し指のつけ根を、それぞれの親指で押し下げて、鼻で3回呼吸をする。

❸基本のポーズで5本の指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
親指:顔やのどに対応
■改善が期待できる症状
薄毛、顔のむくみ 耳鳴り、めまい 更年期障害など
❶基本のポーズで親指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❷基本のポーズのまま、右手親指で左手親指のつけ根を押し下げて、鼻で3回呼吸をする。反対側も同様に行う。

❸基本のポーズで5本の指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
小指:下半身に対応
■改善が期待できる症状
股関節痛、ひざ痛 足のむくみ、足のしびれなど
❶基本のポーズで小指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❷基本のポーズから小指の接点を離し、左右の小指のつけ根を、それぞれの親指で押し下げて、鼻で3回呼吸をする。

❸基本のポーズで5本の指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
薬指:下腹部に対応
■改善が期待できる症状
便秘、下痢、膀胱炎 頻尿、精力減退、肥満など
❶基本のポーズで薬指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❷基本のポーズから薬指の接点を離し、左右の薬指のつけ根を、それぞれの親指で押し下げて、鼻で3回呼吸をする。

❸基本のポーズで5本の指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
中指:脳や背中に対応
■改善が期待できる症状
頭痛、不眠、イライラ うつ、自律神経失調症 腰痛、肥満など
❶基本のポーズで中指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。
❷基本のポーズから中指の接点を離し、左右の中指のつけ根を、それぞれの親指で押し下げて、鼻で3回呼吸をする。

❸基本のポーズで5本の指を押し合いながら、鼻で3回呼吸をする。