プロフィール

秋本奈緒美(あきもと・なおみ)
女優。1963年生まれ。長野県松本市出身。1982年にデビュー。以後、女優としてテレビドラマ、映画、舞台、CM、バラエティなど幅広い分野で活躍。ソロライブなども積極的に行っている。
●秋本奈緒美公式ブログ
https://ameblo.jp/akimoto-naomi/
頭がスッキリ!体もシャキッ!
私は子供のころから酸っぱい物が大好きでした。果物も、よく熟れた実より、若くて酸味が強い物を選ぶほどです。
中学高校時代は、バレーボール部の練習の合間にとるレモンの砂糖漬けや、レモン果汁で作るレモン水が大好物でした。
大人になってからは、「酸っぱい物好き」がさらに進化したようです。揚げ物や炒め物、納豆など、周囲があきれるくらい、いろいろな物に酢をかけて食べています。
最近、みそ汁に酢を入れる「酢みそ汁」が密かなブームと聞きました。実をいうと私も、20年ほど前から、みそ汁に酢を入れています。
きっかけは、お仕事でごいっしょした先輩が、みそ汁に酢を入れるのを見たことでした。意外な組み合わせに驚きましたが、お酢好きの私は、すぐにまねをしました。すると、予想を上回るおいしさだったのです。それ以来、みそ汁には必ず酢を入れています。
みそ汁に入れる酢の量は、私にとっては普通ですが、ほかの人から見ると多いようです。瓶からお椀に直接グルッとかけるので、正確な量はわかりませんが、みそ汁1杯につき、大さじ1杯以上は入っているでしょう。酸味をしっかり感じますが、私には、ちょうどいいのです。
私は毎朝必ず、酢みそ汁を飲みます。朝に酢みそ汁を飲むと、全身にスイッチが入ったように、頭がスッキリして、体もシャキッとします。
お気に入りは、落とし卵の酢みそ汁です。
みそ汁の鍋に酢を入れ、そこに生卵を割り入れて少し火にかけ、半熟の状態でいただきます。酢みそ汁に生卵を落とすと、白身が散らばらず、ポーチドエッグのようにきれいに仕上がります。
飲んだとたん手足がポカポカ
また、暑くて火を使いたくない夏の日や、時間のない朝には、略式の酢みそ汁を作ります。
みそと顆粒だしと酢を、お椀に入れてお湯を注ぎ、焼きノリをちぎってのせるだけ。ノリの風味と酢がマッチして、実においしいのです。
ロケ先でも、旅館やホテルでみそ汁が出たら、酢を入れます。舞台が始まると、けいこ場や楽屋の冷蔵庫に、酢を1本入れておきます。昼食のときに、インスタントみそ汁に入れたり、お弁当のおかずにかけたりするためです。
海外に行くときも、インスタントみそ汁を持っていきます。ヨーロッパでも、ワインビネガーやバルサミコ酢などは売っているので、酢みそ汁を飲むことができるのです。
酢みそ汁を飲んで感じる体の変化は、体が温まることでしょうか。
冬はもちろんですが、夏も冷えの改善を実感します。エアコンで冷えた手足が、酢みそ汁を飲んだとたん、ポカポカしてくるのです。体が冷えないおかげでしょうか、もう何十年もカゼをひいていません。
また、酢には疲労回復効果があると聞きます。確かに私は、周囲が驚くくらい疲れ知らず。最近は、野外ロケのお仕事が多く、街道を歩いて旅をしたり、2日続けて山に登ったりと、なかなかハードです。私より若いスタッフの皆さんが疲れ切っているときでも、私は全く平気です。
ある旅番組のロケで、時間が押してしまい、「帰りの電車に間に合わないかも!」ということがありました。私は慌てて、早足でスタスタ歩いたのですが、ふと気づくと、近くに誰もいません。スタッフの皆さんは、私の歩く速さについてこられなかったのです。
「秋本さんが元気過ぎて、ほんとうに大変だった」と、語り草になっています(笑)。
野外ロケに限らず、女優という仕事は体が資本。健康で、思いどおりに動ける体でいるために、これからも酢みそ汁を欠かさず飲み続けようと思います。
優れた発酵食品の効果で疲れにくくなる(東京農業大学名誉教授 小泉幸道)
酢みそ汁は、優れた発酵食品である酢とみその健康効果を同時にとれる、すばらしい健康食です。秋本さんが実感されているとおり、酢みそ汁を飲むと疲れにくくなります。
酢のさまざまな健康効果は、「1日大さじ1〜2杯(15〜30㎖)を継続してとることで得られる」という研究結果があります。ですから、秋本さんのように、舞台のけいこ場や楽屋に酢を常備し、酢みそ汁として毎日飲む方法は、非常に高い効果を期待できます。
海外旅行の際に、現地のビネガーなどで酢みそ汁を作るというのも、いいアイディアです。継続して酢みそ汁を飲めるだけでなく、その国の食文化を知るいい機会にもなります。