気づかぬうちに70kgの大台を突破
33歳の時、会社の健康診断の結果を見て、私は愕然としました。身長150㎝で、前年まで63㎏だった体重が、なんと70㎏になっていたのです。
さらに、中性脂肪値、血糖値も高く、医師からは生活習慣病と言われました。仕事のストレスを、ケーキなどの甘い物を食べて発散していたのがよくなかったのでしょうか。
ウエストがゴムのズボンをはき、体重も測ることなく過ごしていたので、体の異変にはまったく気づきませんでした。
とはいえ、肩こり・頭痛を頻繁に起こし、体がだるくて仕事に集中できない日々を過ごしていたので、今にして思えば、この体重増加が原因だと思っています。
体重70㎏の大台に乗り焦った私は、市販のダイエット系サプリメントを片っ端から試しました。しかし、効果はありませんでした。炭水化物を抜く食事制限では1ヵ月で2㎏減ったものの、仕事の忙しさと空腹に負け、つい間食をしてしまった結果、結局リバウンドしてしまいました。
努力が水の泡となり、それ以来、私はダイエットのやる気をなくしてしまったのです。
そんなある日、書店でたまたま目にしたのが、『キュウリ食べるだけダイエット』の本でした。そこには、著者で料理人の野崎洋光さんが2ヵ月で11㎏減量した様子をはじめ、1ヵ月で2〜5㎏以上やせた人たちの写真が掲載されていました。
調べてみると、この本を監修した医師の工藤孝文先生の病院は、福岡にあるそうです。
自宅から通える距離だったので、私はまず工藤先生の診療を受けてみることにしました。今年の5月のことです。
そのときの検査結果は、中性脂肪値が168㎎/㎗(正常値は150㎎/㎗未満)、空腹時血糖値が182㎎/㎗(正常値は110㎎/㎗未満)、ヘモグロビンA1cが8.1%(過去1〜2ヵ月の血糖値がわかる数値で、正常値は6・5%未満)と、いずれも高い数値でした。しかも、体重は75.3㎏もありました。
そして、工藤先生から食事指導を受けました。その指導とは、毎食前にキュウリを1本食べるというもので、それ以上のことはなにも言われませんでした。
私は、朝はスライスしたキュウリにタマネギ、レタスを加えたサラダを食べ、昼は職場で、弁当を食べる前に生のキュウリをかじって食べるようにしました。生のキュウリばかりでは飽きるので、夜はキュウリを酢の物にして、食事の最初に食べました。
キュウリを食べるときに心がけたのは、ひと口につき20回嚙んで食べることです。これも、工藤先生の指導によるものです。20回嚙んで食べると満腹になり、以前よりも食事の量は自然に減っていきました。
2ヵ月空腹を感じずにやせられた!

キュウリ食べるだけダイエットを開始して、1週間たった時のことです。体重を量ってみると、2㎏減って73.3㎏になっていました。それからさらに3週間後には、71.2㎏に。なんと、1ヵ月で4.1㎏も減ったのです。
特別な食事制限や、運動をしたわけでもなく、食前に1本のキュウリをひと口につき20回嚙んで食べただけでこんなに効果が出るとは、驚きました。
キュウリ食べるだけダイエット開始から2ヵ月たつ今は、体重69㎏と、ついに70㎏を切りました。血液検査では、中性脂肪値が57㎎/㎗に激減!空腹時血糖値126㎎/㎗、ヘモグロビンA1cが6.9%と、こちらも正常値に近づきつつあります。だるさもなくなり、体調は良好です。
キュウリは安価で、スーパーに行けば必ず手に入るのもよいところ。この2ヵ月間、苦労なく着実にやせているので、目標は60㎏を切ることです。
引き続き、キュウリ食べるだけダイエットを継続していくつもりです。

ランチの前にも必ずキュウリを1本食べた
今までダイエットに失敗した人にお勧め(工藤内科副院長 工藤孝文)
井上さんは生活環境に合わないダイエット方法に失敗して、やる気をなくしていました。しかし、キュウリ食べるだけダイエットは、手間がかからず、空腹感がないので、続けられたのでしょう。このように、これまでダイエットに失敗してきた方にお勧めです。
また、キュウリ食べるだけダイエットを行う以前は、サプリメントをいろいろ試したようですが、サプリメントは、食事、運動療法の補助として使用しないとなかなか効果は出ません。
朝食では、キュウリのほかにタマネギ、レタスを加えてサラダにして召し上がっていたとのこと。
キュウリと同じくレタスも食物繊維が豊富で、便秘の予防と血糖値の上昇を抑えてくれます。また、タマネギには血液をサラサラにする効果があるので、とてもよい組み合わせです。お酢も脂質や血糖を下げる作用があるので、あわせてとるのはとてもよいことです。
ベジタブルファースト、よく嚙んで食べる習慣がつけば、リバウンドの心配もなくなってくると思います。