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股関節痛の「今ここにある痛み」を解消する 即効性のツボ・刺激点はココだ!

股関節痛の「今ここにある痛み」を解消する 即効性のツボ・刺激点はココだ!

左右のバランスの崩れは、腰、股関節、ひざなど、さまざまな関節に痛みを引き起こします。そうはいっても、一朝一夕には、足の不自然な動きを矯正することはできません。「今ここにある痛み」をどうにかしたい…!そんな時に痛みを和らげる「足の甲刺激」のやり方をご説明いたします。【解説】石橋輝美(大津接骨院院長)

体のアンバランスで起こる痛みを取る

 もともと私たちの体は、左右のバランスが完全ではありません。そのうえ、体の使い方にクセがあると、バランスはさらにくずれます。

 バランスがくずれていても、体は自然と姿勢を保とうとします。その結果、左右のどちらかの足の筋肉に、不合理な負荷がかかってしまうのです。そうすると、負荷のかかった足は正しく機能しなくなり、正しく歩けなくなります。

 これが、腰、股関節、ひざなど、さまざまな関節に痛みを引き起こします。足の不自然な動きを矯正し、不合理な負荷をなくして、正しく歩けるようにするのが、これらの関節の痛みを根本的に解決する道です。
 そうはいっても、一朝一夕には、足の不自然な動きを矯正することはできません。「今ここにある痛み」をどうにかしたいというのが、本音でしょう。そういう場合にお勧めなのが、足の甲刺激です。

 足の甲刺激は、私が体系づけた「ペイン・シフト」理論に基づく治療法です。これは、痛み(ペイン)がある状態を、痛みのない状態に変換(シフト)する理論です。長年悩まされていた痛みが、その場で消失することも少なくありません。

 ここでは、特に股関節痛にテーマをしぼって、足の甲刺激のやり方をご紹介しましょう。
 まず、体のアンバランスによって不合理な負荷がかかっている側の足を見分けます。正しく機能していない側の足をN足(ネガティブ)、正しく機能している足をP足(ポジティブ)と呼んでいます。
 
 これを見分ける方法が、「片足立ちチェック法」です。
 まず、両足を腰幅程度に開いて立ちます。次に、左足の足裏を右ひざの内側につけて、右足で片足立ちします。視線は正面に、手は腰に当てたり、後ろに組んだりして固定し、手でバランスを取らないようにしてください。
 右足の足裏の内側のライン(かかと、土踏まず、親指)に重心をかけるようにして、体がぐらつくかどうか確認します。同様に、左足でも行い、右足と左足とで体のぐらつきぐあいを比べます。
 バランスの取りにくい側の足が、N足です。足の甲刺激は、N足に行います。

足の甲刺激のやり方

慣れるまでは指先で強い力で押すとよい

 刺激する足の甲のポイントの位置を説明しましょう。刺激する位置は、股関節の痛みの出方によって三つに分けられます。三つとも、足の甲の骨の上です。足の指の骨を足首に向かってたどったとき、指のつけ根から足首の手前までの骨を、中足骨といいます。三つのポイントは、それぞれ第2指、第3指、第4指の中足骨の上になります。

❶ 股関節を伸ばしたときに股関節が痛む場合
 足の第2指の中足骨を3分割した足首側で、中足骨の真上にあるポイントを刺激します。

❷ 股関節を曲げたときに股関節が痛む場合
 第3指の、① と同じ位置にあるポイントを刺激します。

❸ 歩行時に股関節に突き上げるような痛みがある場合
 第4指の、① と同じ位置にあるポイントを刺激します。

 足の指から足首に向かって、骨をたどってみてください。3分の2のところ、足首寄りがポイントです。周辺を指先で押すと、ほかとは違った特異な痛みを感じる場所があるはずです。
 探す際には、かかとだけを床につけたまま、足の裏を床から浮かせ、足を緊張させないで、指で探ると、ポイントを特定しやすいでしょう。

 足の甲の刺激は、手の指先をポイントに当てて押します。点を押すというより、少し広いゾーンを押せばいいでしょう。慣れてきたら、ボールペンの先や、先が丸いはしなどで、ピンポイントに刺激すると、効果が高まります。
 指先やボールペンの先を皮膚に対して垂直に当て、痛みを感じる程度の強い力で、10〜20秒間ギューッと押してください。
 1日に、何度行ってもかまいません。

解説者のプロフィール

大津整骨院院長
石橋輝美(いしばし・てるみ)

●大津整骨院
神奈川県横須賀市大津町2-1-21
TEL 046-836-0062

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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