シスター3人で昼と夜に毎日愛食!
沖縄本島からフェリーで30分ほどにあるサンゴ礁の島・伊江島は、小さいけれど自然豊かな、とても美しい島です。私は、2017年の3月まで5年間、そこの修道院に派遣されていました。夏が近づくと、伊江島の修道院で食していた、ゴーヤの甘酢漬けを懐かしく思い出します。
ゴーヤは、今では全国各地で栽培されるようになりましたが、沖縄のゴーヤはひと味違います。ゴーヤの苦みを苦いと感じさせない、なんともいえない深みがあるのです。亜熱帯に育つ滋味豊かなゴーヤは、沖縄の人たちへの、神様からの贈り物なのでしょう。
伊江島の修道院では、私が赴任する前から、ゴーヤの甘酢漬けを作っていたそうです。そこで、私たちもその習慣を受け継いで、毎年、5月8日の「ゴーヤの日」のころになると、庭で育ったゴーヤを使って漬けました。
厳密なレシピはなく、目分量です(下記作り方参照)。三温糖をたっぷり入れ、まろやかに甘酸っぱく、味を調整します。
これを、昼と夜に、毎日食していました。3人のシスター(修道女)が好きなだけいただきますから、2日くらいで食べ切ってしまいます。また、お客様が見えたときも、必ず食事の際にお出しするので、その日になくなることもしばしば。ですから、常に切らさないように、ほぼ毎日作っていました。
召し上がったお客様は、口をそろえて「おいしい!」と喜んでくださいます。
コレステロール値が上がらず体調も万全!
ゴーヤの甘酢漬けは、そのまま食べることが多いですが、庭でとれた野菜で作るサラダに加えることもあります。また、漬け酢もドレッシングがわりに使っていました。
残った漬け酢に酢と砂糖を継ぎ足して作っていたこともありましたが、そのつど甘酢を作って漬けたほうが苦みが抑えられておいしいことがわかったため、残った漬け酢は瓶に取っておくようにしました。
夏の暑いときに、これを20~40㎖ほどコップに注ぎ、そのまま飲みます。飲むと身も心もシャキッとするので、私たちは「シャキットジュース」と呼んでいました。ゴーヤの成分が酢にも出ているので、夏バテ防止にもなったと思います。
ゴーヤの甘酢漬けは、毎日食べても、飽きることはありません。それどころか、ゴーヤのない時期は何か物足りなく、寂しく感じるくらいです。
沖縄は日ざしが強く、夏は夜になっても気温が下がりません。私たちは、ボランティアで島のあちこちに行きましたが、バスの便が少ないので、たいてい、歩きました。それでも、夏バテしたり、体調をくずしたりするようなことはありませんでした。きっと、ゴーヤの甘酢漬けで、元気をいただいていたからでしょう。
私は、毎年受けている健康診断で、以前からコレステロール値が高めだと指摘されていました。しかし、その数値が上がることはなく、そのほかの検査値も良好です。もしかすると、ゴーヤの酢漬けが、数値上昇の予防に役立っているのかもしれません。
また、私は伊江島にいる間は、毎日のように汗をかいて、自然とスリムになりましたが、体力が落ちることはなく、全身が健康的に引き締まりました。これも、ゴーヤの甘酢漬けを始め、ふだんから地元の食材を食べていたおかげだと思います。
現在、私は神奈川県の修道院におりますが、ここに来てからも、庭になったゴーヤを使って、甘酢漬けを作っています。これも、こちらのシスターたちに好評です。
土地は変わりましたが、ゴーヤの甘酢漬けを食べて、元気に過ごしたいと思います。
村松さんのゴーヤの甘酢漬けの作り方


【材料】
ゴーヤ…中1本半程度、酢…200~250ml、三温糖…100~150g

【作り方】
❶ゴーヤは種とワタを取り、2〜3㎜幅にスライスする。
❷深めの容器(500㎖程度)に酢と三温糖を入れて、よくかき混ぜる。

❸②に①を入れてふたをして、冷蔵庫に1日おいて完成。漬けている途中、清潔な箸で上下を入れかえると、味が均一になりやすい。
※漬けている間、ゴーヤから水分が出るため、漬け酢はゴーヤが少し出るくらいの量でよい。
ゴーヤの苦み成分でコレステロール値が安定(下津浦内科医院院長 下津浦康裕)
ゴーヤの苦み成分であるチャランチンやモモルデシンには、コレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があります。これらが、村松さんのコレステロール値の維持に役立ったと思われます。また、ビタミンCが豊富なゴーヤと、疲労回復効果が高い酢をいっしょにとり続けたことで、夏バテとは無縁の体になったのでしょう。
ただし、糖尿病ではないにせよ、漬ける砂糖の量が気になります。フルーティーなリンゴ酢で漬けたり、熟れたゴーヤを使用したりすると甘みを感じやすくなります。ぜひ「減糖」も心がけてください。
毎年甘酢漬けを作る村松さん