MENU
シスターの元気を支える伝統食!伊江島の修道院の「ゴーヤの甘酢漬け」のレシピ

シスターの元気を支える伝統食!伊江島の修道院の「ゴーヤの甘酢漬け」のレシピ

伊江島の修道院では、私が赴任する前からゴーヤの甘酢漬けを作っていたそうです。私たちもその習慣を受け継いで毎年、庭で育ったゴーヤを使って漬けました。現在私は神奈川県の修道院におりますが、ここに来てからも、庭になったゴーヤを使って甘酢漬けを作っています。【体験談】村松直子(マリアの宣教者フランシスコ修道会シスター・72歳)

シスター3人で昼と夜に毎日愛食!

沖縄本島からフェリーで30分ほどにあるサンゴ礁の島・伊江島は、小さいけれど自然豊かな、とても美しい島です。私は、2017年の3月まで5年間、そこの修道院に派遣されていました。夏が近づくと、伊江島の修道院で食していた、ゴーヤの甘酢漬けを懐かしく思い出します。

ゴーヤは、今では全国各地で栽培されるようになりましたが、沖縄のゴーヤはひと味違います。ゴーヤの苦みを苦いと感じさせない、なんともいえない深みがあるのです。亜熱帯に育つ滋味豊かなゴーヤは、沖縄の人たちへの、神様からの贈り物なのでしょう。

伊江島の修道院では、私が赴任する前から、ゴーヤの甘酢漬けを作っていたそうです。そこで、私たちもその習慣を受け継いで、毎年、5月8日の「ゴーヤの日」のころになると、庭で育ったゴーヤを使って漬けました。

厳密なレシピはなく、目分量です(下記作り方参照)。三温糖をたっぷり入れ、まろやかに甘酸っぱく、味を調整します。

これを、昼と夜に、毎日食していました。3人のシスター(修道女)が好きなだけいただきますから、2日くらいで食べ切ってしまいます。また、お客様が見えたときも、必ず食事の際にお出しするので、その日になくなることもしばしば。ですから、常に切らさないように、ほぼ毎日作っていました。
召し上がったお客様は、口をそろえて「おいしい!」と喜んでくださいます。

毎年甘酢漬けを作る村松さん

コレステロール値が上がらず体調も万全!

ゴーヤの甘酢漬けは、そのまま食べることが多いですが、庭でとれた野菜で作るサラダに加えることもあります。また、漬け酢もドレッシングがわりに使っていました。

残った漬け酢に酢と砂糖を継ぎ足して作っていたこともありましたが、そのつど甘酢を作って漬けたほうが苦みが抑えられておいしいことがわかったため、残った漬け酢は瓶に取っておくようにしました。

夏の暑いときに、これを20~40㎖ほどコップに注ぎ、そのまま飲みます。飲むと身も心もシャキッとするので、私たちは「シャキットジュース」と呼んでいました。ゴーヤの成分が酢にも出ているので、夏バテ防止にもなったと思います。

ゴーヤの甘酢漬けは、毎日食べても、飽きることはありません。それどころか、ゴーヤのない時期は何か物足りなく、寂しく感じるくらいです。

沖縄は日ざしが強く、夏は夜になっても気温が下がりません。私たちは、ボランティアで島のあちこちに行きましたが、バスの便が少ないので、たいてい、歩きました。それでも、夏バテしたり、体調をくずしたりするようなことはありませんでした。きっと、ゴーヤの甘酢漬けで、元気をいただいていたからでしょう。

私は、毎年受けている健康診断で、以前からコレステロール値が高めだと指摘されていました。しかし、その数値が上がることはなく、そのほかの検査値も良好です。もしかすると、ゴーヤの酢漬けが、数値上昇の予防に役立っているのかもしれません。

また、私は伊江島にいる間は、毎日のように汗をかいて、自然とスリムになりましたが、体力が落ちることはなく、全身が健康的に引き締まりました。これも、ゴーヤの甘酢漬けを始め、ふだんから地元の食材を食べていたおかげだと思います。

現在、私は神奈川県の修道院におりますが、ここに来てからも、庭になったゴーヤを使って、甘酢漬けを作っています。これも、こちらのシスターたちに好評です。
土地は変わりましたが、ゴーヤの甘酢漬けを食べて、元気に過ごしたいと思います。

村松さんのゴーヤの甘酢漬けの作り方

【材料】
ゴーヤ…中1本半程度、酢…200~250ml、三温糖…100~150g

【作り方】
❶ゴーヤは種とワタを取り、2〜3㎜幅にスライスする。
❷深めの容器(500㎖程度)に酢と三温糖を入れて、よくかき混ぜる。

❸②に①を入れてふたをして、冷蔵庫に1日おいて完成。漬けている途中、清潔な箸で上下を入れかえると、味が均一になりやすい。

※漬けている間、ゴーヤから水分が出るため、漬け酢はゴーヤが少し出るくらいの量でよい。

ゴーヤの苦み成分でコレステロール値が安定(下津浦内科医院院長 下津浦康裕)

ゴーヤの苦み成分であるチャランチンやモモルデシンには、コレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があります。これらが、村松さんのコレステロール値の維持に役立ったと思われます。また、ビタミンCが豊富なゴーヤと、疲労回復効果が高い酢をいっしょにとり続けたことで、夏バテとは無縁の体になったのでしょう。

ただし、糖尿病ではないにせよ、漬ける砂糖の量が気になります。フルーティーなリンゴ酢で漬けたり、熟れたゴーヤを使用したりすると甘みを感じやすくなります。ぜひ「減糖」も心がけてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
タマネギに含まれるのは植物性乳酸菌で、生きて腸まで届きます。腸内環境がよくなると、免疫力のアップや自律神経のバランスが整います。血中コレステロールの低下による高脂血症の予防・改善、大腸がんのリスク低減などにもつながります。 【解説・レシピ考案】中村美穂(管理栄養士・フードコーディネーター)【料理・スタイリング】古澤靖子
更新: 2019-09-10 22:10:00
越冬も終盤に差し掛かると、生の野菜が食べたくなるもの。年明け(南極の夏季)にヘリで補給物資を少しだけ持って来てくれるのですが、待ち遠しかったですね。 久しぶりの生タマネギを使った料理で、仲間たちがいちばん喜んでくれたのが「タマネギみそ」。【解説・レシピ】西村淳(南極料理人・作家)【料理・スタイリング】古澤靖子
更新: 2019-09-10 22:10:00
チャレンジ前の私の血管年齢は、実年齢よりも7歳若い42歳。そして、10日後に再測定してみると、さらに3歳若い39歳と、実年齢から10歳も若い結果が出たのです。体調の変化はほかにもあります。血行がよくなったのでしょうか、首や肩のこりが軽減。うれしかったので、ブログで報告したほどです(笑)。【体験談】早見優(タレント)
更新: 2019-09-10 22:10:00
独身時代はほとんど食べ物に気を遣っていなかった私でも、家族ができれば話は別。なるべく人工添加物などが使われていない、体にいい食べ物を食卓に並べるようにしてきました。自然に食べ物へ関心を持つようになったわけですが、近年私の心をとらえて離さないのが「タマネギ」です。【体験談】志穂美悦子(フラワーアクティビスト)
更新: 2019-09-10 22:10:00
「みそ汁に酢を入れたら、酸っぱくなるのでは」と心配するかたもいるでしょう。でも、お椀1杯のみそ汁につき、小さじ半分程度の酢なら、酸味はほとんど感じません。今回、酢みそ汁に初挑戦するかたがたのために、お勧めの具材や、作り方のコツをご紹介しましょう。【解説】庄司いずみ(野菜料理家)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル