解説者のプロフィール

杉野宏子(すぎの・ひろこ)
●青山エルクリニック
東京都港区南青山5-10-6 テラアシオス表参道ビル5階
0120-034-697
http://www.aoyama-eluclinic.com/
青山エルクリニック院長。日本形成外科学会認定専門医。医学博士。
順天堂大学医学部形成外科非常勤講師。順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部形成外科講師、都内クリニック副院長などを経て、2003年に青山エルクリニック院長に就任。体の内側のコンディションを整えながら美を導くことをモットーに、最新の美容治療マシンや各種先端治療を取り入れている。また、一般向けの講演や執筆活動を通じ、アンチエイジングのための美容医療と食事の大切さを広めている。
ゴーヤは夏の時季にイチ推しの美容食材!
私は美容外科医として、患者さんをはじめ、一般のかたにもブログなどを通じて、美容における食事の大切さをお伝えしています。
夏の時季に私がお勧めしたい美容食材が、ゴーヤです。私も夏になると、庭にできたゴーヤを毎日のように食べています。
私は、3年前から、庭でゴーヤを育てています。ゴーヤの「グリーンカーテン」で夏の強い日ざしを遮り、少しでも涼しく過ごしたいと思ったのがきっかけです。昨年は60本以上と、思いのほかにたくさん収穫できました。ご近所にもおすそ分けし、おいしくいただきました。
私はよく、ジュースやスムージーにゴーヤを使います。果物やヨーグルトなどと合わせれば、生のゴーヤを使っても、さほど苦みは感じません。
そして、我が家でいちばん人気のゴーヤ料理は、「ゴーヤ酢じょうゆ漬け」です(作り方は左㌻の図参照)。酢としょうゆを1対1で合わせ、ニンニクとショウガを加えた漬け酢に、スライスしたゴーヤを漬けた一品です。
夜、これを仕込んで冷蔵庫で漬けておけば、翌日の夜には食べられます。ニンニクとゴマ油の香りが食欲をそそり、夏の晩酌のお供にピッタリです。また、ゴーヤは厚めにスライスすると歯ごたえがあり、これもいいアクセントになります。完成後、3日くらいは保存できます。
夏は食欲が落ちて、そうめんや冷やし中華ばかり食べる人も多いでしょう。しかし、それでは、夏バテを自ら招いているようなもの。暑いときこそ、栄養価の高いゴーヤと疲労回復に効く酢をとれば、夏バテも吹き飛ぶのです。
肉といっしょに食べればコラーゲン生成に役立つ
美容におけるゴーヤと酢の効果について、解説しましょう。
ゴーヤには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成に必須のビタミンです。
皮膚の真皮層にあるコラーゲンは、加齢とともに少しずつ減少していきます。すると、肌のハリや弾力が失われ、シワもできやすくなります。こうした肌の老化を防ぐためには、ビタミンCをたっぷりとって、コラーゲンの生成を促進させることが重要です。
また、ゴーヤには、苦みや香りの成分であるフラボノイドも豊富です。
フラボノイドとは、活性酸素(老化や病気の原因となる物質)を消去するポリフェノールの一種です。抗酸化作用があり、肌の場合、日焼けによるシミや肌荒れなど、紫外線で受ける酸化ストレスを防いでくれます。また、ビタミンCにも、同じく抗酸化作用があります。
一方、酢には、血管拡張作用があります。血管がしなやかになって血流がよくなれば、皮膚の新陳代謝が活性化し、肌を若々しく保つことができます。
つまり、ビタミンCなどの抗酸化物質が豊富なゴーヤを、酢といっしょにとることは、夏の強力な紫外線から肌を守り、肌トラブルの発生を防ぐことにつながるのです。
ちなみに、ゴーヤ酢じょうゆ漬けは、肉類のつけ合わせにするといいでしょう。なぜなら、コラーゲンを生成するには、ビタミンCだけではなく、たんぱく質も必要だからです。
特に肉類は、アミノ酸スコア(たんぱく質の量と必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを数字で表した指標)が非常に高く、コラーゲンの生成に大いに役立ちます。ですから、たんぱく質が豊富な豚肉や卵を炒めて作るゴーヤチャンプルーは、美肌づくりという観点でも、非常に理にかなった料理といえます。
なお、ビタミンCは体内に蓄積されづらいため、毎日しっかりととることを心がけましょう。
この夏、ゴーヤと酢を上手にとり続けて、美容と健康維持に役立ててください。
杉野先生オリジナル!ゴーヤ酢じょうゆ漬けの作り方


【材料】
ゴーヤ…中1本程度
ニンニク、ショウガ…各1片
Ⓐ酢、しょうゆ…各大さじ2、ゴマ油…小さじ1

【作り方】
❶ゴーヤは5mm幅にスライスする。ニンニクとショウガはつぶしておく。

❷Ⓐをジッパーつき保存袋に入れてよく混ぜたら、①を入れて軽くもみ込む。
❸②の空気を抜いてジッパーを閉め、冷蔵庫に保存する。
1日おいたら完成。3日間は日持ちする。
※時間が経つと水分が出てくるので、ゴーヤが漬け酢に完全に浸らなくてもよい。ただし、漬かりが悪い場合は、ゴーヤを減らしたり漬け酢を増やしたりして調節する。