解説者のプロフィール

高橋怜奈(たかはし・れな)
産婦人科専門医。・プロボクサー。
2009年、東邦大学医学部卒業。国立国際医療研究センター国府台病院、東邦大学医療センター大森病院産婦人科、大森赤十字病院産婦人科などを経て、16年より都内大学病院の産婦人科に在籍。ダイエット、食事療法、運動療法等のアドバイスをメディアにて発信。16年6月にボクシングのプロテストに合格し、世界初の女医ボクサーに。女医+(じょいぷらす)所属。
「女医×ボクシング×ベリーダンス=怜奈のブログ」
https://ameblo.jp/renatkhsh0707/
足指の骨の間の溝を重点的にもんでいる

私はもともとむくみやすい体質で、以前は、すねを押すと、お猪口1杯分はあるんじゃないかと思うくらいの大きなくぼみができるほどでした。また、血流が滞りがちで、手足の指先が冷えることもしょっちゅう。そこで、全身の血液循環の要である足からふくらはぎにかけての範囲を、もんだり刺激したりして、全身の血流をよくすることを心がけてきました。
まず、季節を問わず、必ずお風呂に浸かります。湯船の中では、足をていねいにもみます。足裏なら土踏まず。足の甲側では足指の骨と骨の間の細い溝を、重点的に刺激します。固くなりがちな、くるぶしの辺りも、強めの力でほぐします。
道具は使わず、両手の指の腹や関節で、心地いいと感じる部分を、1カ所1分程度ずつもんでいきます。
お風呂上がりには、髪を乾かす間の20分程度、青竹踏みもします。
足は心臓から遠く離れているうえ、心臓よりも下方に位置します。足が硬くこり固まっていては、血液を心臓に正常に送り返せず、血流が滞ってしまいます。普段から足をほぐしておくと、全身の血行がよくなり、むくみや冷え、代謝の低下が改善できます。
このほかにも、通勤時に車内で立っているときや、デスクワークで座っているときに、かかとの上げ下げをするのもいいですね。血行対策はもちろん、加齢とともに減退しがちなふくらはぎの筋肉を維持するのにも有効です。
足指・足裏を毎晩刺激してひどいむくみが大改善
足もみ入浴
お風呂で、足指~足の甲と裏~足首~ふくらはぎをまんべんなくもみます。足の甲側から、足指の骨と骨の間の溝を押すのが好きです。

竹踏み
鏡の前に置いて、入浴後に髪を乾かす際に、欠かさず踏んでいます。髪が長いので、かなりの時間になりますね。

薬いらずで毎月の不調が解決する
このような一連の足への刺激により、以前のようなひどいむくみや冷えは、感じにくくなりました。その実体験から、今では、PMS(月経前症候群)に悩む患者さんにもこれらの手法をお勧めしています。
生理前の7~10日間は、プロゲステロンという女性ホルモンの影響により、体内に水分が余計に取り込まれ、むくみやすくなります。こうした症状にも、足への刺激は有効。毎月の不快な症状が、薬を使わず、簡単なマッサージや軽い運動で改善できるケースも多いです。
女性はもともと筋肉量が少ないうえ、静脈の血液を押し流す力が男性よりも弱いです。また、子どもを産むために、水分や栄養をため込みやすい体のしくみになっています。ですから、何もしないでいると、むくみや冷えが起きるのは当然です。
ほんの少しの時間でいいので、足のマッサージを毎日続けてみてください。むくみや冷え、PMSなどの女性ならではの不調の改善に役立つでしょう。

足指から血行を整えると女性の不調は解決する!