MENU
1日1分【足の裏みがき】で脳が活性化 よく眠れ、冷えも解消

1日1分【足の裏みがき】で脳が活性化 よく眠れ、冷えも解消

頭脳明晰なままに長生きするには、足裏の感覚を鋭敏にすることが重要です。その方法としてお勧めする「足裏みがき」をご紹介します。最近の研究では、足裏みがきが、脳活性化以外にも新たな効果をもたらすことも判明しました。【解説】黒川伊保子(感性リサーチ代表)

余分な角質が取れ、足裏の感覚が鋭くなる

 私たちの脳は、二足歩行になったことで、目覚ましい進化を遂げてきました。直立した二足歩行では、手の指が自由に使えます。また、四足歩行に比べて、不安定な体を上手に制御する必要が生じました。それらの要因が、空間認知と身体制御をつかさどる小脳を発達させたのです。

 加えて、足裏がさまざまな刺激を受けるようになります。その豊富な足裏からの情報が、脳を活性化させたのです。

 私たちの足裏の神経は、地面の傾きや段差、すべり具合、靴や靴下、ストッキングをはいたときの感覚など、歩行時に多くの情報を脳に伝えてくれます。

 それを脳が瞬時に処理し、どのように体を動かすべきかの指令を、全身の各部位に向けて出します。それにより、私たちは不安定な道でも、転ばずに歩くことができるのです。

 ロボットは、人間のようには細やかな動きはできません。これは、足裏の感覚と脳とが、人間ほど密接につながっていないからです。

 私たち人間も、年齢を重ねるにつれ、歩き方がぎこちなくなったり、ちょっとした段差でつまずきやすくなったりします。これは一般的には、加齢による筋力低下が原因だと考えられていますが、それに加え、足裏の感覚が鈍くなっていることも大きな一因でしょう。

「歩けなくなるとボケる」とはよくいわれますが、それはまさに、歩行時の足裏からの情報がなくなることによって、脳が衰えてしまうからなのです。

 そのため、頭脳明晰なままに長生きするには、足裏の感覚を鋭敏にすることが重要です。その方法としてお勧めなのが、足裏をブラシでみがくことです。

 足裏をブラシでみがくと、刺激が脳に伝わり、脳が活性化してボケを防ぎます。加えて、余分な角質も取れるので、足裏の感覚もより鋭くなるのです。

足裏ブラッシングの効果

全身の毛細血管が再生し冷え症も改善

床に置く形の足裏ブラシもある

 最近の研究では、足裏みがきが新たな効果をもたらすことも判明しました。
 上の表をご覧ください。足裏をブラシで刺激すると、血液中の酸素濃度が上がっているのがわかります。
 
また、別の実験によれば、足裏をみがくことによって、足裏以外にある毛細血管も再生することも確認できました。
 
 毛細血管は、私たちの健康を維持するうえで、重要な器官です。老化などによって、毛細血管が傷ついたり、欠損したりすると、その部分には酸素や栄養素がじゅうぶんに届かなくなります。それが、病気や痛みの原因になることがあるのです。

 足裏みがきで、血中の酸素濃度が上がり、全身の毛細血管が再生すれば、健康維持に役立つことは間違いありません。

 さらに、足裏みがきには冷え症改善の効果もあります。被験者に足裏みがきを1ヵ月続けてもらったところ、ほぼ全員がひざ下の体表温度が上昇し、日常的に冷えを感じにくくなったのです。いずれの実験も、床に置く形の足裏ブラシで行いました。

 私自身も、足裏みがきを実践していますが、さまざまな健康効果を実感しています。なかでも特に感じるのが、睡眠の質の向上です。足裏みがきを習慣にする前と比べ、明らかに睡眠が深くなり、翌朝スッキリとした気分で起きられるのです。おかげで、疲れもたまりにくくなりました。

 両足の足裏全体を、1分ずつブラシでみがいてください。毎日続ければ、体が変化していくのを感じられるはずです。

解説者のプロフィール

黒川伊保子
1959年、長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業後、14年にわたり人工知能の研究開発に従事。2003年、(株)感性リサーチを設立。人工知能の研究成果をマーケティングに導入し、感性分析の第一人者となる。近著に『家族脳:親心と子心はなぜこうも厄介なのか』(新潮社)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
抹茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールは、抗酸化力の強い物質であることがわかっています。さらに、レモンの皮に含まれる「ノビレチン」というポリフェノールには、認知症の原因の1つとされている、アミロイドβという物質の脳への沈着を減らす働きがあるという研究結果が出ているのです。【解説】丁宗鐵(医学博士・日本薬科大学学長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
ほとんどの人は、両足10本の指のうちに何本か、意識があまり通じていない指があるはずです。足には多くの筋肉があり、5本の指それぞれで、使う筋肉も異なります。指1本1本を動かしたり刺激したりすれば、それだけで、脳に多彩な刺激が行き渡り、脳が喜びます。【解説】加藤俊徳(加藤プラチナクリニック院長・「脳の学校」代表)
更新: 2019-09-10 22:10:00
鼻の奥でにおいがキャッチされると、その情報が脳の大脳皮質に伝わります。その際、においの情報は、記憶をつかさどる海馬を通ります。このように、嗅覚が刺激されることで、古い記憶が呼び起こされるのです。この一連の過程は、脳を活性化することにつながります。【解説】塩田清二(星薬科大学教授・医学博士)
更新: 2019-09-10 22:10:00
ヤマイモに含まれるジオスゲニンという成分に、認知機能を多方面から改善する効果があるとわかったのです。アルツハイマー病だけでなく、血管型やレビー小体型といった認知症、パーキンソン病のような神経変性疾患にも、進行を遅くしたり改善させたりする効果が期待できます。【解説】東田千尋(富山大学和漢医薬学総合研究所教授)
更新: 2019-09-10 22:10:00
味覚の衰えを感じた時点で、おいしさを再認識できれば、食への意欲を回復できます。食べる楽しさを取り戻すことは、脳への刺激となり、認知機能の回復に役立ちます。そこで、おいしいと感じることを取り戻すために、私は「コンブだし」をお勧めします。【解説】熊谷賴佳(京浜病院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル