寝返りが痛くてすっかり睡眠不足
私は、子供のころからスポーツが大好きでした。これまで、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、ボルダリングなどを経験してきました。
しかも、体を酷使するレベルまで打ち込んでいたので、筋肉疲労は慢性的でしたし、軽いケガは絶えませんでした。
そのため、高校生になったころからは、体のメンテナンスのために、劉莉亜先生(足の親指を回せば首が緩む参照)の治療院で鍼を打ってもらっていました。
近年は、地元のバレーボールのチームに所属し、ハードな練習を行っていました。
ところが7年ほど前、プレー中に激しく転倒してしまったのです。そのときは、さほど痛みを感じなかったので、軽い打ち身だ思っていました。ところが、あとになってから、首が痛むようになったのです。
ここ数年は、生活にも支障が出てきました。
名前を呼ばれて振り向いたり、何かを見上げたり見下ろしたりというちょっとした動作で、首に激痛が走ります。また、仕事中、長時間パソコン画面を見続けていると、目が疲れるにしたがって、首の痛みが増幅します。
睡眠にも影響が出ました。
眠っているときは、無意識に寝返りを打つものですが、そのつど首の痛みで目が覚めるのです。就寝から起床までの間に、頻繁に目が覚めるので、すっかり睡眠不足になりました。眠りが浅いので目覚めも悪く、昼間は頭がボーッとしています。
もちろん、大好きなスポーツもできなくなりました。それは私にとって、大きなストレスです。気分が落ち込みました。市販の鎮痛剤を飲んでみましたが、痛みは治まりません。
そんなとき思い出したのが、劉先生の治療院です。何年もごぶさたしていたのですが、首のことなら劉先生だと思い、早速治療院に行きました。
首を回しても上下左右に振っても痛くない!
劉先生の鍼治療を、1週間に1度、受けることになりました。そして、治療と治療の間に、自宅で行うセルフケアとして先生が教えてくれたのが、「足の指回し」です。
先生によれば、足には体の各部位に対応する反射区があり、首に対応するのが、足の親指のつけ根だそうです。体の右側に症状が出ていれば、右の足の親指を回すといいとのこと。私の場合は、首の右側が痛かったので、右足の親指を回すことになりました。
やり方は以下のとおりです。
手の親指と人差し指で、右足の親指をつまみます。そして、右足の親指を100回くらい、指先の方向へ引っ張ります。
次に、右足の親指をつまんだまま軽く回していきます。小さい回転から、しだいに大きな回転にしていくのがポイントです。右回りと左回りを、それぞれ10回ほど行います。
最後に、右足の指全部を手でつかんで反らし、足の裏を伸ばします。
この足の指回しを、私は毎日実行しました。夜、リラックスしているときや、風呂上がりなどに、行うようにしたのです。
すると、徐々にではありますが、首の痛みが軽減していくのがわかりました。
足の指回しを始めて1ヵ月が過ぎたころには、寝ているときに首の痛みで目が覚めることがなくなりました。夜から朝まで途切れることなく眠れると、ほんとうに体が楽です。睡眠の質も上がったのでしょう。朝、すっきり目覚めるようになりました。日中も頭がクリアなままで、ボーッとすることはありません。
さらに足の指回しを続けたところ、首を回したり、上下左右に振ったりしても、痛みを全く感じなくなったのです。
足の指回しを始めてから半年後には、スポーツを再開することができました。大好きなバレーボールで、また汗を流すことができるようになり、こんなにうれしいことはありません。暗かった気持ちも、空が晴れ渡るように明るくなりました。
首の痛みがぶり返さないように、足の指回しは今後も続けるつもりです。
硬直した首が緩み痛みが軽減した(劉先生鍼灸院院長 劉莉亜)
高田さんはスポーツマンで、10代のころから絶えず体を動かしてきました。バレーボールでの転倒が原因で首の痛みが起こったとのことでしたが、それはきっかけにすぎないかもしれません。首は、体の各部位が受けた衝撃の影響を受けます。
例えば、子供のころ自転車で転んだとか、階段から落ちたとか、多くの人が経験するでしょう。そのときの外傷は、ひざや腰かもしれませんが、首にも衝撃が蓄積されるのです。大人になってから、それが表面化することが少なくありません。
足の指回しは、まじめに取り組めば、必ず効果が現れるセルフケアです。首の反射区である足の親指のつけ根を、やわらかくほぐすことで、硬直していた首の筋肉が緩みます。
筋肉が緩むと、痛みが軽減すると同時に、心身をリラックスさせる副交感神経の働きも高まります。その相乗効果でよく眠れるようになったのでしょう。
痛みが消えてバレーボールが楽しい!