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【朝リンゴダイエットとは】やせる効果抜群「りんご」の2つのスーパー成分

【朝リンゴダイエットとは】やせる効果抜群「りんご」の2つのスーパー成分

「朝リンゴダイエット」は、朝食をリンゴか、リンゴのジュースに置き換えるものです。リンゴには、2つのスーパー成分が含まれています。その一つがアップルペクチン。もう一つがリンゴポリフェノールです。脂肪の吸収を阻害して、内臓脂肪をへらす効果があります。【解説】白澤卓二(お茶の水健康長寿クリニック院長)

解説者のプロフィール


白澤卓二(しらさわ・たくじ)
●お茶の水健康長寿クリニック
東京都千代田区神田駿河台2-8 瀬川ビル7F
03-5577-4970
https://ohlclinic.jp/
●白澤抗加齢医学研究所
https://www.shirasawa-acl.net/

お茶の水健康長寿クリニック院長。白澤抗加齢医学研究所所長。医学博士。
1958年、神奈川県生まれ。82年、千葉大学医学部卒業。90年、同大学大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所を経て、2007~2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。
17年、お茶の水健康長寿クリニックを開院。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、ミシガン大学医学部神経学客員教授も務める。
テレビや新聞、雑誌での医学解説でも活躍。著書・監修書は300冊を超える。『白澤卓二教授の朝りんごダイエット』(マキノ出版)など。

健康に役立つ「リンゴ」の2つのスーパー成分

欧米には、「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざがあります。
それほど、リンゴは健康に役立つフルーツです。

今回ご紹介する「朝リンゴダイエット」は、朝食をリンゴか、リンゴのジュースに置き換えるものです。
その優れた健康効果を生かし、健康的にやせることができます。

リンゴには、二つのスーパー成分が含まれています。

スーパー成分その1「アップルペクチン」

その一つが、「アップルペクチン」です。

アップルペクチンは、水に溶ける食物繊維で、腸からのコレステロールの吸収を阻害して、便とともに体外に排出する働きがあります。
また、血液中にある、悪玉のLDLコレステロールが増加すると、血管の内側に蓄積したり、詰まらせたりします。

その結果、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病気のリスクを高めることになるのです。
リンゴを摂取していれば、悪玉コレステロールをおさえるアップルペクチンの効果により、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐことができるでしょう。

加えて、アップルペクチンは、腸からの糖質の吸収を遅らせ、食後の血糖値が急に上昇するのをおさえます。
血糖値が急上昇し、その状態が長く続けば、血液中にだぶついたブドウ糖が中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄積されて、肥満の原因になります。

アップルペクチンが食後血糖値の急上昇を防ぐことで、体脂肪の蓄積をおさえ、肥満の予防につながるのです。
また、アップルペクチンは、腸内の善玉菌のえさになって、腸内環境を整え、免疫機能を高めることにも貢献します。

スーパー成分(その2)リンゴポリフェノール

リンゴに含まれる、もう一つのスーパー成分が、「リンゴポリフェノール」です。
ポリフェノールとは、植物などの色素成分で、強い抗酸化作用を持っています。

リンゴポリフェノールは、抗酸化作用以外にも、アップルペクチンと同様、脂肪の吸収を阻害して、内臓脂肪をへらす効果があります。
同時に、リンゴポリフェノールは、直接、細胞の遺伝子に働きかけ、脂肪の合成を抑制します。

つまり、リンゴポリフェノールは、体内への脂肪吸収を阻害すると同時に、遺伝子にも働きかけて体内の脂肪の減少を促すという、二段構えの作用で、内臓脂肪や皮下脂肪をへらすのです。
リンゴポリフェノールを長期にわたって摂取すると、ヒトの血液中の中性脂肪や総コレステロール、内臓脂肪、そして、脂肪を合成する酵素の働きを低下させます。

実際にヒトを使った臨床研究によって、この効果が確認されています。
リンゴポリフェノールの抗酸化力は、非常に強いとされていますが、この抗酸化作用をもたらしているのが、リンゴポリフェノールの65%を占める「プロシアニジン」というカテキン(タンニン、苦み成分)の化合物です。

リンゴの皮は、熟するにつれて赤くなります。
これは紫外線によって発生する活性酸素の酸化作用を防ぐため、強い抗酸化力を持つカテキンどうしが結合して、より強力な抗酸化作用を持つプロシアニジンに変化した結果です。

このプロシアニジンを含んだリンゴを摂取すれば、肌のメラニン色素の発生を抑制して、シミ、シワができるのをおさえ、肌を若々しく保てるのです。
私たちのDNAには、ガンになる遺伝子が組み込まれており、なんらかのきっかけでそれが傷つけられると、細胞のガン化が始まります。

リンゴポリフェノールは、ガン細胞に組み込まれている自滅を促す遺伝子に働きかけ、ガン細胞を自死へと導きます。
こうした点から、リンゴポリフェノールには、ガンを予防し、治す働きも期待できます。

認知症になるリスクが76%も低下する!

リンゴには、ほかにも優れた働きがあります。
花粉症やアトピー性皮膚炎などに対する強い抗アレルギー作用も、その一つです。

アレルギーの原因物質が体内に侵入してきたとき、肥満細胞からヒスタミンという物質が放出されます。
このヒスタミンがアレルギーの原因となりますが、リンゴポリフェノールがヒスタミンの放出を抑制することで、アレルギー症状を緩和するのです。

また、朝、1杯のリンゴジュースを飲めば、認知症のリスクが4分の1になると期待できます。
リンゴに限りませんが、週に3回以上、野菜かフルーツのフレッシュジュースを飲んでいる人は、認知症になるリスクが76%低下するという調査もあるからです。

私も毎朝、リンゴに旬のフルーツや野菜を加えたフレッシュジュースを飲んでいます。
ダイエット以外にも、多様な健康効果がある朝リンゴを、ぜひ試してみてください。

白澤教授がズバリ回答!朝リンゴダイエットQ&A

朝リンゴダイエットの基本ルールを挙げておきましょう。
❶朝食はリンゴ1個。
または、リンゴを入れたフレッシュジュースに置き換える。
ポイントは、リンゴを皮ごと食べたり、使ったりすること。
❷昼食と夕食は、「腹7分目」を心がける。
昼食や夕食に、リンゴを取り入れると、なおよい。

やり方としては、これだけです。
次に、朝リンゴダイエットのいくつかのポイントを、Q&A形式で説明しましょう。


Q1 リンゴを毎日食べるのは、糖分のとりすぎでは?
A1 リンゴの果糖は、体内で中性脂肪に変化しやすい性質があります。確かに、果糖のとりすぎは、肥満の原因になります。
しかし、1日にリンゴ2個程度までであれば、過剰摂取の心配はありません。果糖をとるデメリットよりも、リンゴによる健康効果のほうが、はるかに大きいと考えられます。


Q2 どの時期のリンゴが最もダイエット効果がある?
A2 リンゴの有効成分の一つに、リンゴポリフェノールがあります。赤く熟しているリンゴのほうが、リンゴポリフェノールが多く含まれています。
ただし、熟しているリンゴがいいからといって、あまり熟しすぎたものは避けてください。なぜなら、熟しすぎると、リンゴポリフェノールの主要成分であるプロシアニジンの分子が大きくなりすぎ、腸から吸収することができなくなるからです。

リンゴには、多くの種類がありますが、品種や産地によって収穫する時期が異なります。本来の旬の時期のものを使ってジュースを作ることをお勧めします。


Q3 リンゴは、皮をむいてはいけない?
A3 リンゴのスーパー成分の一つであるリンゴポリフェノールは色素成分で、皮や皮の直下に多く存在しています。このため、皮をむいてしまうと、せっかくのリンゴポリフェノールが摂取できません。
ですから、皮ごと食べたり、皮ごと調理したりすることがお勧めです。皮の表面についた農薬などが気になるかたは、植物性洗剤などでよく水洗いしてから使ってください。


Q4 ジュースを作るには、ジューサーとミキサーのどちらがよい?
A4 ミキサーを使って作りましょう。ジューサーでは、ダイエットに重要な食物繊維がカスとして取り除かれてしまうので、お勧めできません。いっしょに入れるほかの野菜の皮や茎、葉の部分なども、丸ごとミキサーに入れて、野菜や果物の栄養を余すところなく摂取しましょう。


Q5 作ったフレッシュジュースが飲みにくいと感じたら、どうしたらいい?
A5 酢やリンゴ酢を2~3滴、ほんの少量の塩を加えると、飲みやすくなります。


Q6 夜、寝る前にリンゴ入りのフレッシュジュースを飲んではいけないの?
A6 リンゴ入りのフレッシュジュースを就寝前に飲むことは控えてください。朝にフレッシュジュースを飲むのなら、昼間の活動でリンゴの果糖が消費されるので問題ありません。しかし、寝ている間は、エネルギー代謝が極端に低く、果糖が消費されません。この結果、果糖が中性脂肪に変わり、脂肪細胞に蓄積されて、肥満につながりかねないのです。


Q7 朝リンゴダイエットを避けたほうがいい症状は?
A7 原則的にはありません。肥満の人はもちろん、糖尿病や高血圧、血液中のコレステロールと中性脂肪が異常にふえる脂質異常症、便秘などがあっても、お勧めです。

ただし、慢性腎炎など、腎障害があるかたは、念のために主治医に相談してから、朝リンゴダイエットを始めてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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