解説者のプロフィール

谷口光利(たにぐち・みつとし)
●日本ボディーケア学院
東京校:東京都千代田区神田練塀町73プロミエ秋葉原202
TEL 0120-27-0184
http://www.j-bca.com/
日本ボディーケア学院学院長、鍼灸師、柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師。
日本で資格取得後、中国広州中医薬大学留学、ベルギーの個人病院でも働いた経験を持ち、99年、中医学を基礎とした独自の美容・健康法を確立させ「日本ボディーケア学院」を設立。
大手化粧品会社への技術指導や講演も多数行う。
「鼻が高くなった」「あごがシャープになった」
私は、東洋医学の「気」の通り道である経絡と、最新の解剖学に基づいた、「経絡ヘッドケア」という頭部の施術を開発しました。
施術を受けたかたは、「鼻が高くなった」「あごがシャープになった」「顔のむくみが取れてすっきりした」「目もとのシワが消えた」などの美容効果を、その場で実感され、必ずといっていいほど、驚きの声をあげます。
ここにご紹介する「セルフ経絡ヘッドケア」は、経絡ヘッドケアをご自身で行えるようにアレンジしたものです。毎日行うと、そのぶん効果も持続します。
私たちの体には、12本の経絡の流れがあり、それが全身をくまなく巡っています。これら経絡の流れに沿って刺激していくと、気の流れがよくなり、健康な体づくりはもちろんのこと、美容にも役立ちます。
頭にも膀胱経、胆経などの重要な経絡が走っており、さらに美容に関係するツボも数多くあります。それらにアプローチするのがセルフ経絡ヘッドケアです。
セルフ経絡ヘッドケアは、美容効果のほか、睡眠障害や肩・首のこり、腰痛などの改善効果も期待できます。やり方を覚えて小学生のお子さんにやってあげたところ、「成績が上がった」「難しい数式をスラスラ解いた」という報告もあります。
やり方を覚えてしまえば簡単ですので(やり方は下記)、ぜひ実践してみてください。
目指すのは、適度な厚みと弾力、柔らかさがある頭皮
「セルフ経絡ヘッドケア」は、マッサージではなく、頭皮を引っ張って伸ばす、いわば頭皮ストレッチです。健康な頭皮には、むくみがなく、適度な厚みと弾力、柔らかさがありますが、そのような状態を目指します。
頭皮の下には、おでこからまゆ毛を覆っている前頭筋、耳の上の側頭部にある側頭筋、後頭部にある後頭筋という筋肉があります。前頭筋が緩むとたれ下がり、額の表面にシワができやすくなります。
頭頂部付近には筋肉はありませんが、帽状腱膜という繊維状の膜が、帽子をかぶったように頭蓋骨をピタッと包んでいます。前頭筋、側頭筋、後頭筋は、この帽状腱膜と深い関係があります。
さらに頭には、体の正中線を流れる経絡、督脈をはさんで、膀胱経、胆経、三焦経、胃経という経絡が、左右にそれぞれ流れています。
セルフ経絡ヘッドケアは、これらの経絡の走行に沿って行います。
効果はその場で現れ毎日行うと持続する
基本となる手技は、人さし指、中指、薬指の3本の指で行います。
髪の上からでは指がすべってしまうので、まず、髪をかき分けるようにして3本の指を髪の中に入れ、指の腹を直接頭皮に押し当てます。
そして、筋肉を頭頂部の方向に引き上げるイメージで、指の腹で頭皮をキュッと引き上げて、その状態を1秒ほどキープしてから指の力を抜きます。力を抜いたときも、指の腹は頭皮に当てたままです。下から上へ、少しずつ移動しながら、基本の動きを繰り返します。
頭皮と顔の皮膚はつながっているので、頭皮がストレッチされて柔軟になると、たるんでいた顔の皮膚が引き上げられて、シワの改善やリフトアップにつながります。
皮膚と筋肉は、短い時間ですが、刺激や動きを記憶します。毎日、ていねいに引き上げると、記憶の時間が長くなり、リフトアップした状態を維持できるようになります。
「セルフ経絡ヘッドケア」のやり方
■①〜④は頭皮の触れ方がポイント(谷口先生の実演)

❶指で髪をかき上げ、❷少し戻して頭皮に直接触れ、❸指の腹で頭皮をキュッ!と持ち上げ1秒キープ。これら①〜③を1、2、3と3拍子のリズムで。頭皮はこすらない

❶人さし指、中指、薬指の腹を額の髪の生え際に当てて、頭皮を少し引き上げてから力を抜いて戻す。少しずつ位置を上方にずらしながら頭頂部まで行う

❷①と同様に3本の指の腹をもみあげの生え際に当てて、頭皮を少し引き上げてから力を抜いて戻す。少しずつ位置を上方にずらしながら頭頂部まで行う

❸同様に3本の指の腹を耳の後方の生え際に当てて、頭皮を少し引き上げてから力を抜いて戻す。少しずつ位置を上方にずらしながら頭頂部まで行う

❹額の生え際から正中線に沿って、左右の人さし指、中指、薬指、親指を軽く交差させた状態で指の腹を頭皮に当てて、頭皮を少し後ろにずらしてから力を抜いて戻す。正中線に沿って少しずつ位置をずらしながら後頭部の生え際まで行う

❺首のつけ根の中央にあるくぼみ(盆の窪)のすぐ外側にあるくぼみ(天柱)、さらに外側のくぼみ(風池)、耳の後ろの出っぱった骨の下のくぼみ(完骨)を順にほぐす

❻手のひらの下側を目尻の横にあて、手のひらを前方に向かって広げるような感じで、小指側から親指側に向かって力を移動しながら側頭部をおさえる

❼眼の周りの骨の縁に沿って、下部は人さし指で骨を下に押し下げ、上部は親指で骨を押し上げ、眼窩を放射状に広げる感じで軽く指圧していく

❽右手の中指と薬指を左右の目頭のわきに当てて鼻をはさむ。左手の中指と薬指で小鼻をはさむ。右手は上方に、左手は下方に抜くようにして鼻から指を離す

❾親指以外の指の腹を耳の前方の頬骨の下に当てて、上に上げながらクルクルと円を描く。少し下に指をずらして同様に行ってから、親指であごの骨の内側をほぐす

❿手のひら全体を使い、耳の後ろから首の横の太い筋肉(胸鎖乳突筋)に沿って、鎖骨にリンパを流し込む感じでなでる