酢ショウガの効果を得るためには、日々続けることが重要です。
だから、なるべく簡単な方法がいい。
そして、健康効果が高ければなおGOOD。
そんな酢ショウガの食べ方を、酢ショウガのエキスパート石原新菜先生に伺いました。
監修者のプロフィール

石原新菜(いしはら・にいな)
●石原新菜 Official Blog
http://nina-ishihara.cocolog-nifty.com/blog/
イシハラクリニック副院長。
医師。帝京大学医学部卒業後、大学病院での研修を経て、現在、自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實氏が院長を務めるイシハラクリニックで、漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療に当たっている。
著書『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)など好評発売中。
最近は一般の方にも、「冷え(低体温)は万病のもと」ということが広く知られるようになりました。
体が冷えると血管が収縮し、全身の血流が悪くなります。
血流が悪くなると、栄養や酸素といった必要なものは届かず、不要なものが体内にたまります。
また、体内に熱が巡らなくなり、冷えがさらに悪化します。
その結果、内臓の働きが衰え、便秘、肌荒れ、頭痛、肩こりなどの不調や、高血圧、糖尿病などの病気を招きます。
この、冷え→血流障害→冷えの悪化、という悪循環は、老化に拍車をかけることをご存じでしょうか。
体が冷えて血流が滞ると、新陳代謝が低下し、老廃物を排泄できなくなったり、細胞の入れ替わりがスムーズに進まなくなったりします。
そうなると肌にシミやシワができたり、髪が抜けやすくなったりするなど、老化が進むのです。
ですから、病気の予防はもちろんのこと、若さを保つためにも、冷えを解消して、血流を整えることが重要です。
当院では、冷えを取るケアとして、患者さんに「酢ショウガ」をお勧めしています。
酢ショウガ紅茶

【作り方】
好みの濃さの紅茶を入れ、小さじ半分~1杯程度の酢ショウガを加える。
好みでハチミツや黒砂糖で甘みをつけてもよい。
【活性酸素の害をダブルで防ぐ】
レモンティーとは一味違うさわやかさのある紅茶です。この酢ショウガ紅茶の最大の特徴は、病気や老化の原因となる体内の「活性酸素」を除去する力に優れていること。ショウガの成分であるジンゲロールやショウガオールはもちろんのこと、紅茶の成分であるポリフェノールも、抗酸化力が強く、全身のアンチエイジングや病気の予防に一役買ってくれます。
ダイエットや糖尿病の治療で糖質をひかえたいという方は、黒糖を入れなくても大丈夫。
酢ショウガ紅茶の1日の摂取量の目安は、3~5杯ぐらいです。
酢ショウガニンジンジュース

【作り方】
ニンジン2本、リンゴ1個をジューサーにかけてジュースを作る。
そこに小さじ半分~1杯程度の酢ショウガを加える。
【余分な水分や毒素を排出する】
ニンジンジュースの味を、ショウガがピリッと引き締めてくれます。東洋医学では、体内の水の巡りが悪いことを水毒といい、めまいや耳鳴り、むくみの原因と考えられています。酢ショウガニンジンジュースには、この水毒を改善する効果があります。
酢ショウガには優れた血流改善効果がありますが、血流がよくなると、発汗、排尿、排便も促進されます。加えて、ニンジンやリンゴに含まれるカリウムは体内の余分な塩分を排出します。全身の老廃物や毒素の排出がスムーズになり、めまい、むくみに効くのです。
酢ショウガヨーグルト

【作り方】
プレーンヨーグルト100gに、適量の酢ショウガを加える。
好みでハチミツなどで甘みをつけてもよい。
【腸内環境を整え免疫力を増強】
酢ショウガをほんの少しのせるだけで、ヨーグルトのさわやかさが倍増し、薬効豊かなデザートになります。
この酢ショウガヨーグルトは、骨を強くする作用に優れています。酢の主成分である酢酸は、カルシウムと結びつき、体への吸収を高める働きがあります。ヨーグルトに酢ショウガをかけると、ヨーグルト中のカルシウムを効率よく吸収できるというわけです。
また、ショウガとヨーグルトは、ともに胃腸の働きを活性化し、腸内環境をよくする食品です。腸には免疫細胞(病気やウイルスに抵抗する働きをする細胞)の70%が存在していますから、腸内環境を整える酢ショウガヨーグルトは、免役力の増強にも役立ちます。
酢ショウガキムチ

【作り方】
キムチ30g程度に、適量の酢ショウガを加える。
【ダイエット効果がさらにアップ!】
酢ショウガキムチはキムチ単体よりもうま味が増すので、おかずやお酒のつまみとしてもよく合います。
酢ショウガを取ると血流や代謝がよくなり、体内の余分な脂肪が燃えやすくなります。ここにキムチを加えると、酢ショウガのダイエット効果はさらにアップします。キムチの辛み成分であるカプサイシンは、脳の神経を刺激してアドレナリンの分泌を促します。このアドレナリンが分泌されると、肝臓に貯蔵されているグリコーゲン(糖質)と、脂肪組織に貯えられている脂肪の両者の分解が促進されます。また、ニンニクの香り成分であるアリシンは、ビタミンB1の吸収を高め、糖質をエネルギーに変えやすくしてくれます。