
キャベツの青臭さと酢の酸味がまろやかに
キャベツはせん切りにしてそのまま食べても、もちろんおいしいのですが、
ひと工夫してさらにおいしくしてみませんか。
私が今、お勧めするとっておきの食べ方が、ムラカミ式「酢キャベツ」です。
作り方は、とても簡単。
酢に砂糖と塩を加えて加熱し、せん切りキャベツにかけて一晩寝かせるだけ。
作業自体は15分もかかりません。
私が考案した酢キャベツは、発酵などの難しい過程がないため、失敗なく簡単にできます。
そのうえ、酢の酸味とキャベツの青臭さがまろやかになって、おいしいと評判です。
冷蔵庫に入れて1年間保存できるので、大活躍すること間違いなし。
手軽に毎日の副菜が一品増えるので、忙しい主婦にとっては、大変助かる常備菜ではないでしょうか。
ムラカミ式「酢キャベツ」の作り方

酢キャベツ応用レシピ

代謝がアップしやせ体質になる!
一方の酢は、疲労の回復を促し、食欲を増進します。
また、血流を促し、血圧を下げる働きもあるので、高血圧にお悩みのかたにも推奨できます。
ムラカミ式酢キャベツは、砂糖を使用します。
これには、もちろん味を調える意味合いも大いにありますが、それだけではありません。
「クエン酸回路」と呼ばれる、私たちのエネルギー代謝システムを活性化する狙いがあるのです。
酢に砂糖が加わることで、エネルギー消費量が増え、代謝がアップし、やせやすい体質になります。
豊富な食物繊維によって腸内環境が整うことと、クエン酸回路を促すこと。
この二つの働きによって、酢キャベツは、大きなダイエット効果をもたらしてくれるでしょう。
ただし、血糖値が気になるかたは、砂糖の分量を減らしたり、人工甘味料に替えたりしてもかまいません。
ミネラル分が多い、きび砂糖や黒砂糖、ハチミツを使用してもいいでしょう。
ご自身の好みと症状に合わせて、お選びください。
とってもおいしくて、健康パワー満点の酢キャベツ。
そのまま食べるのはもちろんのこと
、納豆と和えたり、おひたしにしたり、オムレツやハンバーグの具材に使ったりするのもお勧めです。
ぜひ、今日から始めてみませんか。
酢キャベツは、ただ手軽でおいしいだけではありません。優れた健康効果があるのも、もう一つの大きな特長です。
身近な野菜の代表格といえるキャベツは、ビタミン類がとても豊富。特にビタミンCとビタミンUは、淡色野菜のなかで含有量がトップクラスといっていいでしょう。
美容の健康成分といえば、その筆頭がビタミンCです。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、肌にハリや弾力をもたらします。
また、シミの原因になるメラニン色素の生成を抑える働きもあり、若々しい肌を維持するには欠かせません。
ビタミンCが多く含まれる食材というと、一般的にイメージされるのは、ミカンやグレープフルーツといった果実ではないでしょうか。しかし、実はキャベツはこれらより多くのビタミンCを含んでいるのです。
キャベツに含まれるもう一つの重要な栄養素が、ビタミンUです。別名キャベジンと呼ばれることからも、キャベツを代表する栄養素といえるでしょう。
胃腸薬の名前としてもおなじみですが、胃酸の分泌を抑制し、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。胃が疲れていたり、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を患っていたりするかたに効果的に働きます。
天然の機能性成分であるファイトケミカルのうち、イソチオシアネートの効用も見逃せません。辛み成分であるイソチオシアネートは、発ガン物質を無毒化する作用があるとされ、食道ガンや胃ガンの予防・改善も期待できるでしょう。
加えて、キャベツは水に溶けにくい不溶性食物繊維が多い野菜です。不溶性食物繊維は、消化器官内で水分を含んでふくらみ、便の量を増やします。それが腸壁を刺激し、腸が収縮する、いわゆる蠕動運動を促します。これにより、便秘の解消につながるのです。
解説者のプロフィール

村上祥子(むらかみ・さちこ)
料理研究家。管理栄養士。
福岡女子大学国際文理学部食・健康学科客員教授。
1985年より、福岡女子大学で栄養指導実習講座を担当。
生活習慣病の予防・改善のために、栄養バランスのよいカロリー控えめのレシピを数多く考案。
著書多数。
●空飛ぶ料理研究家 村上祥子のホームページ
http://www.murakami-s.jp/