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医師解説【首の痛み】は「あお向け寝」と「エア縄跳び」で治る

医師解説【首の痛み】は「あお向け寝」と「エア縄跳び」で治る

体の健康維持のために、昔からいわれているのは「睡眠(休息)」「栄養バランスのよい食事」「運動」です。【解説】三井弘(三井弘整形外科・リウマチクリニック院長)

枕をせずに「あお向け」で寝るのが一番。うつぶせ寝はNG

 体の健康維持のために、昔からいわれているのは「睡眠(休息)」「栄養バランスのよい食事」「運動」です。
 体全体が健康であることは、首の健康にも影響してきます。そのため、これらは首の健康を守るための健康習慣ともいえます。
 特に、首の筋肉量は年齢とともに落ちてきますので、筋肉を維持するための努力は、ある程度必要でしょう。

 しかし首の場合は、足腰のように直接筋肉を鍛えるというわけにはいきません。そこで、現在保たれている首の力が落ちないように、睡眠、食事、運動で体全体の健康を維持することが重要になります。

 まず、睡眠についてですが、首に負担がかからないのは「あおむけゴロ寝」のように、枕をせずに眠ることです。
 枕をすると、どうしても首が前に曲がってしまいます。これが首に負担をかけ、よく眠れなかったり、肩こりを悪化させたりもします。とはいえ、枕をしないで眠るのは、慣れないとなかなか難しいものです。

 枕を使うのであれば、頭全体から肩までくらいの大きさで、羽毛など柔らかいものを選ぶといいでしょう。また、頭を乗せたときに、首が前に曲がる感じのするものは避けます。
 なお、うつぶせ寝は首に大きな負担がかかります。あおむけで、首をまっすぐに伸ばすようなイメージで、床に就くとよいでしょう。

首によい食事「三カ条」

 次に、栄養バランスのよい食事です。

 私は、首の健康維持に役立つ「首によい食事の三カ条」というものを提唱しています。
 これを毎日の食生活に、ぜひ取り入れてみてください。首痛の予防と改善に、きっと役立つはずです。

●第一条 骨の健康を保つためにはカルシウム、ビタミンD、たんぱく質

 首は7個の首の骨(頸椎)が、椎間板というクッションの役割をした軟骨で連結されています。首の椎間板が飛び出して脊髄や神経根を圧迫するのが頸椎ヘルニアで、しびれや痛みなどの症状が現れます。
 首の骨が強くなれば、軟骨にかかる負担も和らげることができます。そのためには、骨の強化によい食事をすることが大切です。

 首の骨を強化するということは、当然ながら全身の骨を強くすることにつながりますので、骨粗鬆症の予防や改善にも役立ちます。
 骨を強くするうえで欠かせない栄養素には、骨をつくる成分であるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨の組織の結びつきを維持するたんぱく質の三つがあります。
 たんぱく質は筋肉などの組織を作る成分でもあるので、カルシウム、ビタミンD、たんぱく質をバランスよく取り入れることは、骨だけでなく筋肉の強化にもつながります。

●第二条 軟骨組織を守るのはコンドロイチンとコラーゲン

 軟骨組織は加齢ですり減ってくるものですが、いったん減ってしまうと元に戻すことはできません。
 また、軟骨量を直接増やすこともできません。軟骨組織を守るには、組織の減少を少しでもゆるやかにすることです。

 そのためには軟骨の成分となるコンドロイチンや、椎間板の組織であるコラーゲンが補える食生活を心がけるのがよいでしょう。
 コンドロイチンもコラーゲンも体内で合成される成分ですが、年齢とともに合成能力は下がってきます。ですから、この二つを含む食材をバランスよく摂取して合成を助けることが大切です。

●第三条 硬過ぎる食べ物は首を痛める

 強くかみしめる動作は、あごや歯に多大な負担をかけるだけではなく、首にまで大きな力がかかることになります。
 もちろん軟らかいものばかりを食べていたらあごが退化してしまいますが、必要以上に硬いものを頻繁に食べることは避けるべきでしょう。

 また、力を入れて引きちぎって食べたり、力任せにかみ砕いたりする必要があるものなどは、首に衝撃を与えて頸椎ヘルニアの原因にもなります。
 口いっぱいに食べ物を入れて、いっぺんに飲みこんだり、ごくごくと喉を鳴らして飲み物を飲んだりするのも、首に負担がかかるので要注意です。
 もちろん、ここに挙げた食材にばかり偏り過ぎるのはよくありません。あくまで、バランスよく食べるのが基本です。

首痛を回避する生活のコツ

縄跳びなら自然に姿勢がよくなる

 最後に、運動も大切です。軽い運動としては、効率よく全身運動ができるラジオ体操や、縄跳びがお勧めです。

 縄跳びは首を上げた姿勢を保たないと跳べないので、姿勢が自然とよくなります。始めは、1日に2~3分、100回程度を目標にして、慣れてきたら5分以上連続して行うといいでしょう。

 縄跳びは、場所もないしやりにくい、という患者さんに私が勧めているのは、縄を持たずに跳ぶ「縄なし縄跳び」です。これなら、家の中でも、会社でもできます。

 頸椎は、約5~7kgもある頭を支えると同時に、頸椎の中を通る脊髄を保護しています。脊髄には、脳と全身を結ぶすべての神経が通っています。

 その脊髄を守るためには、首の健康維持が非常に重要だということが、おわかりでしょう。 首の不調は、生活スタイルがと大きな関連があります。一種の生活習慣病だといってもいいでしょう。そこで、上に挙げた習慣を実践し、ぜひ健康な首、そして健康な体を手に入れてください。

解説者のプロフィール

三井 弘
東京大学医学部卒業。三井記念病院勤務、オックスフォード大学留学。1984年三井式脊柱(脊髄)手術を考案。三井記念病院整形外科医長を経て、2002年より現職。著書に『体の痛みの9割は首で治せる!』(角川新書)など多数。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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