足のだるさを改善する立ち方・歩き方 下肢静脈瘤の改善効果にも期待!
血管、リンパ管に滞りができると、機能の低下や病気を引き起こしてしまいますが、プライマリーウォーキングを行うと、骨格・血管・リンパ管が整うため、体が健康な状態に向かいます。【解説】森嶌淳友(ラ・ヴィータメディカルクリニック院長)
立ち方・歩き方が悪いと静脈弁が破壊 !?
私のクリニックでは下肢静脈瘤の治療を行っており、レーザーによる日帰り手術のほか、血管を強くする食事の指導もしています。
そして、現在は、下肢静脈瘤の手術回避や再発防止、予防にプライマリーウォーキング®が効果的なのではないかと考え、30人程度の患者さんに実践していただいている最中です。
脚(下肢)の静脈は重力に逆らって心臓に戻す必要があります。
そのときに働くのが、逆流を防ぐための静脈弁です。
この静脈弁が破壊されて血流が逆流することで生じるのが、下肢静脈瘤です。
静脈弁が破壊される原因はさまざまですが、下肢静脈瘤は女性に多く、立ち仕事の人や出産後の人、家族に静脈瘤がある人がよくかかるのが特徴です。
私が、かかと体重®で歩くプライマリーウォーキングに着目したのは、立ち方・歩き方が悪いと静脈弁が破壊されやすいのではないかと考えたからです。
正しい立ち方をしていれば、くるぶしから太ももまでがまっすぐで、地面に対して直角になります。
一方で、脚が11・5度を超えて前傾していると、血流の逆流が生じて、血管がふくらみ、静脈弁が機能しないことがわかったのです。
そのため、正しい立ち方をすれば逆流を防止でき、下肢静脈瘤を予防できるのではないかと仮説を立てるようになりました。
現在はまだ検証段階ですが、有効なデータが得られれば、下肢静脈瘤の新しい治療法としてプライマリーウォーキングを提唱できるのではないかと思います。
実は私自身も下肢静脈瘤があり、脚にだるさを感じることが多かったのですが、3年前にプライマリーウォーキングを始めてから、筋肉の疲労が消えて脚が楽になったのです。
アンチエイジングにも有効
プライマリーウォーキングは、下肢静脈瘤だけでなく、全身の健康に役立ちます。
血管、リンパ管に滞りができると、機能の低下や病気を引き起こしてしまいますが、プライマリーウォーキングを行うと、骨格・血管・リンパ管が整うため、体が健康な状態に向かいます。
その結果、自然治癒力も発揮できるようになり、アンチエイジングにもつながるのです。
人間の体はソフトである内臓と、ハードである骨格の両方が機能しないと、弱くなってしまいます。
その両方をケアできるプライマリーウォーキングを多くのかたに行っていただき、若々しい体づくりに役立てていただきたいと考えています。
解説者のプロフィール
森嶌淳友
ラ・ヴィータメディカルクリニック院長。
1979年、奈良県生まれ。奈良県立医科大学卒業。京都大学医学部附属病院、近畿大学医学部奈良病院等で心臓血管外科医として修練を積み、2014年、「治療と自然治癒力のバランスを整えるオーダーメイド式医療」を提案する、ラ・ヴィータメディカルクリニックを開院。西洋医学だけでなく、東洋医学、アロマセラピー、自然療法などの代替医療を組み合わせた治療を行う。著書に『ガンと闘わない治し方 ガンになっても「安心できる」13の実話』(ヒカルランド)がある。
●ラ・ヴィータメディカルクリニック
大阪府守口市平代町8-1 ナービス守口平代2階
TEL 06-6991-1000
http://lavita-clinic.com/
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