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乳がん術後のむくみ改善!クリニックも導入するウォーキング法 「かかと体重」

乳がん術後のむくみ改善!クリニックも導入するウォーキング法 「かかと体重」

プライマリーウォーキングを行うと、骨格・血管・リンパ管が正しい状態に戻り、腰痛やひざ痛、ネコ背、O脚を改善することができます。さらに、ぽっこりおなかの改善、バストアップ、ヒップアップ、ダイエットや美脚にも効果を感じていただけます。【解説】岡本啓司(プライマリーウォーキング指導者協会会長)

頑張らない、力を入れない鍛えない歩き方

私は鍼灸・整体を施す治療家として、28年以上にわたり、たくさんの患者さんの腰痛やひざ痛、股関節痛、首痛、肩こり、ネコ背、O脚、X脚、外反母趾、むくみなどを改善してきました。
そして、「体の痛みやゆがみを抱える人がなぜこんなに多いのか」と考えたとき、間違った立ち方と歩き方をしていることが一番の原因ではないかと気づいたのです。

私たちは正しい歩き方というものを義務教育で教えられているわけではありません。
一方で、運動会の行進の練習などでは、ひざを前に高く上げて歩く、いわゆる「行進歩行」が指導されます。

そのため、「行進歩行が正しい歩き方なのだ」と間違った知識を持っている人も少なくないのです。
ひざを高く上げて進む行進歩行は、ひざや腰、股関節への負担が大きく、故障を起こしやすくなります。
行進歩行は、ふだんは行ってほしくない歩き方なのです。

また、街で歩いている人を見ていると、つま先に体重をかけて、変な姿勢で立って歩いている人の多いのが気になります。

この歩き方は、骨格をゆがめ、血管やリンパ管を圧迫し、ひざや股関節の変形、ネコ背、腰痛、むくみなどの原因となります。
さらに、「いつまでも健康に歩けるように筋肉を鍛えよう」という考え方にも私は疑問を感じています。

スポーツ選手は筋肉を鍛えていますが、みんなが長生きしているかといえば、そうではありません。
体を酷使しているため、短命の人も多いという印象があります。

一方で、筋力は弱くても、寿命をまっとうする人は少なくありません。
趣味でスポーツをするのは大いに賛成しますが、「鍛えないと健康になれない」という考え方は間違っているのではいかと常々感じていました。

そこで、私が考えたのが「鍛えない・頑張らない・力を入れない」歩き方である、プライマリーウォーキング®です。
プライマリーウォーキングとは、「赤ちゃんが最初に歩いた」「ヨチヨチ歩き」「幼児歩行」などと訳されます。

歩くためには「筋肉を鍛えないといけない」と思い込んでいる人が多いですが、赤ちゃんは筋力が弱くても、ちゃんと歩いています。
プライマリーウォーキングは、赤ちゃんの歩き方に着目した、より少ない筋力で効率的に立って歩く方法です。

ですから、体に痛みがある人、筋力が弱い高齢者、病気をしてリハビリ中の人にもお勧めできるのです。

※「プライマリーウォーキング」と「かかと体重」は、一般社団法人プライマリーウォーキング指導者協会の登録商標です。

プライマリーウォーキングはかかと体重がポイント

プライマリーウォーキングを行うと、骨格・血管・リンパ管が正しい状態に戻り、腰痛やひざ痛、ネコ背、O脚を改善することができます。
さらに、ぽっこりおなかの改善、バストアップ、ヒップアップ、ダイエットや美脚にも効果を感じていただけます。

プライマリーウォーキングは難しいものではなく、ポイントは、かかとに体重を乗せる「かかと体重®」で立って歩くことです。
つま先体重からかかと体重へと変えるだけで、股関節の伸展(※股関節が伸びて、股関節の腸腰筋が緊張した状態)を改善し、鼠径部(もものつけ根)での動静脈、リンパ管の圧迫を解放し、脚や腹部の血流が改善されます。

その結果、筋肉の緊張がなくなり、血管やリンパ管がスムーズに機能し、腰や股関節、ひざの負担が少なくなるので、歩いていても疲れることがなくなるのです。
また、重心がかかとの上に移動すると、ネコ背も改善され、骨格が本来の正しい位置へと戻ります。

その結果、頑張って胸を張らなくても、自然と美しい姿勢で歩けるようになるのです。

かかと体重歩きとは?

かかとの上に体重を乗せて歩く「プライマリーウォーキング」のこと

プライマリーとは?

プライマリーとは最初の、基本のという意味。
プライマリーウォーキングは、「赤ちゃんが最初に歩いたヨチヨチ歩き」に着目して、より少ない筋力、より少ない力で効率よく歩く歩き方のこと

下肢静脈瘤の改善や乳ガン患者にも有効

2008年にプライマリーウォーキングを創案・提唱してから、私は数々の奇跡を見てきました。
歩行器がないと歩けなかった腰の曲がった88歳の女性は、4カ月後にはまっすぐの姿勢ですたすたと歩けるようになりました。

脳性マヒで「歩くことが困難」と医師から言われた男の子が、しっかりとした足取りで歩行できるようになった例もあります。
最近では、下肢静脈瘤の改善にもプライマリーウォーキングが役立つのではないかと考えられており、医師とともに研究を進めています。

また、乳ガンの患者さんは、術後のむくみになやんでいる人が多いですが、むくみの改善法として、乳ガンの術後ケアのクリニックでもプライマリーウォーキングが取り入れられています。
このようにプライマリーウォーキングは、腰痛、ひざ痛、肩こり、ネコ背、O脚だけでなく、さまざまな病気を改善する可能性があり、医師からも注目を集めているのです。

次の記事では、「かかと体重」のやり方とポイントをご紹介しましょう。

解説者のプロフィール

岡本啓司
一般社団法人プライマリーウォーキング指導者協会会長、岡本流身体調整研究所代表。鍼灸師、整体師、トレーニング運動指導士。28年以上の治療と研究を元に、筋力を使わずに効率よく歩く「鍛えない・頑張らない・力を入れない」全く新しい理論の「プライマリーウォーキング®」を創案・提唱。2010年、プライマリーウォーキング指導者協会を立ち上げ指導者の育成にも力を入れている。その美容・運動・医療効果が注目され、今では健康施設や企業、医療機関でもとり入れるところが増えている。

●岡本啓司オフィシャルサイト
http://keiji-okamoto.com/primarywalking/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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