交通事故で右足が自由に動かせなくなった
私は22歳のときにスクーターに乗車中、横から自動車に追突される交通事故で、右足のすねを開放骨折するという重症を負いました。
それ以来、右足の指の筋肉が伸びず、指が丸まったままになりました。特に小指と薬指は感覚がなく、自力では動かせませんでした。
また、お尻を床につけてひざを伸ばし、足首を立てると、左足の指先は体側へ向かって反ります。しかし、右足の指は逆方向へ丸まってしまうのです。
立った姿勢でも右足の指が丸まるため、指先にはタコができ、歩くと右足の裏がよくつります。長く歩くと右ふくらはぎの下までつっぱり、帰宅後に手で足の指先を伸ばしても丸まりは取れませんでした。
このような状態は出産をした30歳のころから悪化し、右側の腰からお尻にかけてと、股関節の前面がズキズキと痛むようになったのです。
腰が痛み始めると股関節の痛みが強くなり、その後、ひざ、すねまで痛みとしびれが広がります。すねがしびれたら、どの体勢をしていても痛くて、生活に支障を来すほどでした。
マッサージを受ければ多少状態はよくなりますが、すぐに元に戻ってしまいます。特に股関節には、常に詰まったような不快感と痛みがあり、日に日に可動域も狭くなってきたのです。
私は学生時代に新体操をしていました。当時は、あぐらの体勢で左右の足の裏どうしを合わせて、股関節を開くと、両ひざがぺたんと床についたものです。事故後の現実は、過去との大きなギャップもあり、精神的にもきつかったです。
そんな状態が続いていた1年ほど前に引っ越しをすることになり、股関節痛もひどかったので、転居先の近くにあった、幹整体院に通い始めました。
症状を見てくれた整体院のスタッフの先生には、右足の指で体重を支えられないので、体の右側に負担がかかっていると指摘されました。そこで初めて、「足づかみ体操」をやってもらいました。
施してもらったところ、なんと、その場で股関節がスムーズに動くようになり、痛みも軽くなったのです。これには自分でも驚きました。その後は、先生からのアドバイスもあり、自宅でも足づかみ体操を続けることにしたのです。
学生時代の柔軟性が戻ってきた
私はお風呂で足づかみ体操を行っており、気になっていた小指と薬指をやや多めに動かします。時間は合計で2~3分程度。問題のある右足しか行わない日もあります。
足づかみ体操をして、半年もたった頃、小指と薬指の感覚が戻ってきたのです。1年たった現在では、指に力を込められるまでになりました。
足の指の丸まりも以前ほどありません。子どもと一日中遊んでも、痛みもないのです。
多少、丸まって痛いと感じるときがあっても、帰宅後に足づかみ体操をすれば、痛みは消え、指は伸びます。おかげで最近は、足の裏もほとんどつらなくなりました。
腰や股関節も以前ほど痛まなくなっています。特に股関節は、詰まったような不快感が消え、可動域が広がりました。あぐらの体勢で左右の足の裏を合わせて股関節を開くと、今は学生時代と同じように、ひざが床につきます。
下半身の痛みが軽くなったせいか、歩き方も変わったようです。
以前の私は右足を引きずって歩いていたようで、友人に指摘されたことがあるのですが、先日、その友人に普通に歩けていると驚かれました。
今は、イスに腰かけるのも以前ほど苦ではありません。車で移動するときなど長時間座ったときは、多少腰やお尻の辺りが痛みます。そんなときは、整体院での施術に加えて、念入りに足づかみ体操をすれば回復するのです。
自分で自分の体をメンテナンスできるようになったのは、本当によかったと思います。
痛くない程度に毎日できる範囲で行う(幹整体院院長 倉幹男)
水谷さんは来院当初、右股関節痛、右腰から右臀部(お尻)、すねの外側にかけて、しびれなどの違和感を抱えていました。
右足のすねを骨折した後、骨はくっつきましたが、周りの筋肉や関節が固まってしまったため、右足の指、中足骨、足関節が動きづらくなってしまったのです。それが、ひざや股関節までも動きが悪くなるという悪循環を生んでいました。
水谷さんは、イスに座っての足づかみ体操ができました。しかし、腰痛、股関節痛のひどいかたの中には、股関節を曲げて、体操する足の足首を、反対側の太ももの上に載せられない人もいます。その場合は、無理をせず、イスに座りながら、床に右足の指を押し付けて、足にグーを教える体操を行いましょう。
足にパーを教える体操は、指と指の間のまたを、机の脚に挟んで広げます。
このように毎日コツコツ、できる範囲のことをしましょう。 ただし、痛くなるまでするのは禁物です。
新体操をしていた高校時代と同じ動きができるようになった