解説者のプロフィール

木方功(きかた・いさお)
●ありがとう鍼灸整骨院
大阪府茨木市舟木町5-3 シャルマンコートMORI101
TEL 072-638-5777
https://www.kikata.jp/
ありがとう鍼灸整骨院代表。
日本フットケア整体協会理事。
足指の症状(外反母趾・巻き爪・浮き指など)の治療講師として全国30院以上の先生に施術を指導している。
足の指、なかでも小指の働きに着目し、独自の「小指健康法」を考案。
「足指ソムリエ」として、テレビや雑誌などのメディアで、足の小指の大切さを伝えている。
足の小指だけを動かすことができますか?
「足の小指だけを動かすことができますか?」そんなふうに尋ねると、たいていの人は驚きます。
「え?足の小指だけが動かせるんですか?」と。
もちろん、動きます。
私は小指だけを曲げることができます。
やろうと思えば、足の小指でスマートフォンを操作して、メールだって送れます。
私の治療院では、5年ほど前から、外反母趾や巻き爪といった足の指の症状に特化して、治療にあたっています。
以前は全身の症状をみていましたが、ひざ痛や腰痛、首の痛み、肩こり、頭痛などの症状に悩まされている人の多くが、足の指に問題を抱えていることがわかりました。
そこで足の指に注目し、腰や肩、ひざの治療のさいにも、足の指からアプローチするようになったのです。
巻き爪が改善したお客さまから、「巻き爪がよくなったら、腰痛もよくなりました」と言われたこともきっかけでした。
今では「足指ソムリエ」の肩書きで、当院独自の施術「足指復元整体」を行っており、関西一円はもちろん、遠くは沖縄や海外からお客さまが来られることもあります。
当院に来院されるかたの約3割は、すでに他院での施術を受けています。

痛みやゆがみの原因は「足の指」にあった
痛みのあるところを施術してもらったり、体のゆがみを矯正してもらったりしたにもかかわらず、症状が改善しなかったのはなぜでしょう。
体のゆがみだけを改善しても、ゆがみの原因を解決していなければ、生活しているうちに、またゆがんで痛みが出てくるのは当然です。
では、そのゆがみは、どこから来るのでしょう。
もうおわかりですね。
体の基礎・基盤である足がゆがむことで、ひざ、腰、肩、首など、上もゆがんでいくのです。
特に、足の指がしっかり使えていないと、体がゆがみやすくなります。
そして、足の指の中でも、最も重要なのが小指です。
当院では、足の指の機能を復元することで、ゆがみが起こらない体を作り、そこからゆがんでいる箇所を改善していきます。
と同時に、正しい歩き方や姿勢などを指導し、ご自宅でできるセルフケアをお教えしています。
足の指が開かない人、小指が動かせない人は、今回ご紹介するエクササイズを行ってください。
足の小指がしっかり使えるようになると、体が安定し、ひざや腰の痛みなどは、目に見えてよくなるはずです。
足の指が使えていないと体がゆがむ!

足の指できちんと地面をつかめている状態。
体の基礎が安定しているので、骨盤や肩、首などにゆがみが出にくい。

足の指がうまく機能していないと、足の裏が全身を支えきれず、それをカバーするために体にゆがみが生じる。
現代人の多くは「足の小指」が使えていない!
私たちが立ったり歩いたりするとき、足の親指と小指、かかとの3点でバランスを取り、全身を支えています。
着地するさいには、足指が地面をつかむように広がります。
しかし、現代人の多くは、足指で地面をつかむ動きができません。
靴の中の指は丸く縮こまったままで、本来の機能を果たすことなく歩いているのです。
先の細いハイヒールなどをはく女性の中には、足の小指が隣の指にぴったりくっついた状態で固まっている人も少なくありません。
これでは、ますます指は動かなくなってしまい、地面をしっかりつかむことはできません。
足の小指がきちんと使えないと、踏ん張りがきかず、重心が外側に傾いていきます。
このアンバランスな状態で歩いているうちにO脚になり、ひざ痛を引き起こすのです。
小指が動けば膝にかかる負担が減る
また、足の小指が使えていないと、足裏の正しいアーチが作られず、歩いたときの衝撃が大きくなり、ひざに悪影響を及ぼします。
そこで、小指のエクササイズとしてお勧めしているのが、「小指ひっぱり」と「ゴルフボールつかみ」です。
小指ひっぱりとは、動きが悪くなっている足の小指を手の指でひっぱり、ピンと弾くように離して刺激するものです。
片足につき1~2分、毎日行うといいでしょう。
ゴルフボールつかみは、素足でイスに座り、足の指でゴルフボールをつかむだけです。
親指側と小指側、それぞれでやってみましょう。
初めはボールをつかめなくても、持ち上げられなくても大丈夫です。
大切なのは、つかむ動作をして、しっかり指を動かすことです。
夜寝る前に片足ずつ、各5分、集中して行うといいでしょう。
ひざの変形がある場合は、変形を治すことは難しいですが、足の親指と小指、かかとの3点でバランスよく立てるようになると、ひざにかかる負担を減らし、歩きやすくすることは可能です。
ひざ痛以外にも、巻き爪、O脚、足のむくみ、冷え症、股関節痛、足のしびれ、腰痛、肩こり、頭痛などの症状に改善が見られたと、お客さまがたからご報告をいただいています。
小指のエクササイズが必要なのは、関節が気になる中高年のかただけではありません。
外反母趾や巻き爪、O脚などは、見た目の美しさにも影響します。
美容の面からも、予防のために今から始めてください。
また、近年「浮き指」の子どもが急増しています。
足の指がしっかり使えず、正しい姿勢や正しい歩き方が身に付いていないと、将来に影響しますので、ぜひ、お子さんやお孫さんと一緒に、ご家庭で小指のエクササイズに取り組んでください。
【やり方】足の小指を鍛えるエクササイズ
足の小指ひっぱりのやり方

足の小指を手でしっかりつかみ、やや痛みを感じる程度の力でひっぱり、ピンとはじくように離す。
これを1~2分程度くり返す。
※基本的に両足に行う。
ゴルフボールつかみのやり方

素足になってイスに座り、足の指でゴルフボールをつかむ。
足の親指側と小指側、それぞれで行う。
夜寝る前に片足ずつ、各5分、集中して行うとよい。
※目を閉じた状態で行うと、また感覚が変わる。