解説者のプロフィール

田中信二(たなか・しんじ)
国際ブレイン・アップデート協会会長。
1960年、静岡県生まれ。陸上自衛隊に4年間、企業研修インストラクターとして8年間勤務。「どうしたら真の人間革命を起こせるのか」という探求過程でキネシオロジーと運命的に出合う。以来、約30年にわたってキネシオロジーを探求し、日本の草分けの1人として活躍。2014年、国際ブレイン・アップデート協会を設立。認定講師を育成し、その普及に邁進している。
●国際ブレイン・アップデート協会
http://brain-update.jp/
46歳で離婚→ホームレス→とび職に
私に転機が訪れたのは、46歳のとき。
今から、9年前です。
裕福な妻と離婚し、ホームレスに近い生活をした後、1年間、とび職で糊口をしのぎました。
そんな転機の始まりは、前妻との出会いです。
彼女からの依頼を受け、私はセラピストとしてキネシオロジー(後述)を施し、彼女が持っていた過去の問題を解決しました。
それをきっかけに、私は彼女と結婚します。
しかし、結婚したのち、私は彼女との差に悩まされるようになりました。
彼女は有能な実業家でもあり、1人の女性としても飛びぬけてすばらしい人格を持っていました。
それに比べると、自分はなんの取り柄もない男だと思うようになったのです。
キネシオロジーによって、トラウマを解決すると、彼女はいよいよ輝き始めました。
あっという間に、人間面でも、社会的な成功面でも、彼女は私を追い越していったのです。
その当時、ある人からこんな言葉を聞きました。
「教師は2種類の人しかいない。
1人は、自分の体験を通して培ったものを教える本物。
もう1人は、他人からの受け売りだけで情報を伝える偽者だ。
情報を伝えるだけでも、皆が無知なら最初はうまくいく。
しかし、無知な人に情報を伝えたら、同じレベルになる。
それどころか、情報から学び、真の体験をした人は、情報を受け売りした人を追い越していく。
だから他人からの情報を受け売りするだけの偽者は、常に新しいネタを探さなければならず、どんどん頭でっかちになっていく。
そして、もっと無知な人を探して、下へ下へと降りていかなければならない」
――まさに私の身の上に起こったことでした。
妻はキネシオロジーで、人生を上昇させました。
情報を受け売りしてきた私は、無知な人を探して降りていかなければならなかったのです。
2人は完全にすれ違ってしまっていました。
そのうえ、妻以外にも、私の教えを受けた人がどんどん私を追い越していくのです。
私は完全に行き詰まりました。
悩み考えた末に、すべてを捨てることにしたのです。
妻と別れて裕福な生活を捨て、ホームレスとなりました。
その後、これまでの自分とは無縁の職業を体験したいと考え、選んだのがとび職です。
50歳も近い年齢になって、10代の若者にあごで使われる身になりました。
そして、とび職を始めて2カ月ほど後には、夜は居酒屋でもバイトを始めました。
当時の睡眠時間は3時間ほど。
無理に無理を重ねるような体験を、自分に強いたのです。
こうした1年間の体験の後に、私は再び、キネシオロジーの世界に戻ってきました。
この人生のリセット体験を経てからは、私はキネシオロジーを教科書通りではなく、実際の生活に役立つものとして自由自在に使えるようになっていました。
そして、生み出されたのが、「脳マッサージ」(※正式名称は「BUリフトアップセラピー」)なのです。
顔は、その人の人生そのものです。
顔を変えることは、生き方を変えることです。
脳マッサージは、そんな顔を変え、人生に幸運をもたらすお手伝いをする手法なのです。
脳に休息を与えて体の緊張を取る
脳マッサージは、手のひらを顔に当てながら自分自身に語りかけるというシンプルな方法で、心と体をコントロールする方法です。
脳マッサージを行うと、ストレスを解消し、脳に休息を与えることができます。また、過去の重大なトラウマ(心的外傷)を探り当てて、その傷を回復させ、自分自身を変えることも可能です。
こうした心の変化は、その人の顔を明るく変貌させ、人生にも大きな変化をもたらします。
では、なぜ、脳マッサージでそのような優れた効果が得られるのでしょうか。
脳マッサージの基盤となっているのは、キネシオロジーという健康法です。キネシオロジーは、1960年代にアメリカで開発されたもので、神経学、生理学、解剖学などの西洋医学に加えて、東洋医学やカイロプラクティックが統合された、心身の統御法です。その大きな特徴は、無意識下の心の動きを、筋肉の反射を診ながら測っていくことができる点です。
私たちの脳(心)と筋肉とは、密接に、かつ精妙に連携し合っています。筋肉は、脳からの電気信号によって動かされますが、脳にストレスがかかっていると、脳からの電気信号が乱れ、その結果、筋肉に力が入らなくなります。
キネシオロジーは、このような反応を利用して心の奥底を知ることができます。また、この連携を活用して脳に働きかけ、ストレスを解消したり、心身の病的状態を改善したりできるのです。
脳マッサージにおいても、キネシオロジーの同じ原理が当てはまります。脳にストレスがたまっていると、顔の筋肉が緊張し、ほおが下がります。ただの美顔マッサージなどでは、こうして下がったほおを持ち上げることはできません。
いきいきとした表情で人を引きつける顔になる
脳マッサージを行うと、その場で、ほおが上がった状態をキープできるようになります。
目が大きくなり、顔つきが変わり、見違えるようになります。
世の中には、多くの美顔法がありますが、それらと脳マッサージとの違いは、その効果が半ば永遠に持続することでしょう。
それはなぜか?一般にほおが下がる理由としては、加齢や過労、肌の手入れ不足など、いろいろな原因が考えられます。
しかし、最大の原因はストレスです。
脳にたまったストレスの影響によって顔の筋肉を統御する電気信号が乱れ、顔の筋肉がゆるみ、たるんだ状態なのです。すると、ほおは下に落ち、肌の潤いもなくなり、実年齢以上に老けて見えるのです。
自分でも忘れている過去の重大なトラウマ(心的外傷。親との関係性の悪化など)が引き起こしていることも少なくありません。
その影響で、今という瞬間を自分らしく生きられていない、そのことがほおを下げているのです。
そのストレスやトラウマが改善されない限り、物理的にほおを押し上げても、効果は持続しません。
逆に、下がったほおは、脳に悪影響を及ぼします。ほおの下がった状態では、人は過去にとらわれ、クヨクヨと思い悩んだりして、どんどんネガティブな状態へと追い込まれていきます。この脳のネガティブな状態が、さらにほおを下げさせる悪循環を生むのです。
両手で両方のほおを引き下げると、歩こうと思っても、足が重く、なかなか前へ進めません。一方、両手でほおを引き上げると、足取りが軽くなり、楽に足を前に運べるようになっているはずです。
脳マッサージは、こうした顔と脳との関係を活用し、ストレスやトラウマを解消・解放へと導きます。
その結果、ほおが上がってその人が本来持っていたいきいきとした表情になり、魅力的な顔になるのです。
額に手を当てるだけで脳の血流が大幅アップ
最初に脳マッサージでは、額に手を当てます。
私たちは考えこむとき、よく手のひらを額に当てるポーズを取ります。
これは、なんの理由もなく行っている行為ではありません。手のひらを当てて前頭前野を活性化させ、抱え込んだ問題の解決策を見つけようとしているのです。
それを脳マッサージでは意識的に行います。
こうすることによって、抱えている問題をより客観視できるようになります。
続いて、もう一方の手をほおに当てて下げ、今抱えている課題や、自分らしく生きることを妨げている問題を見つめ直します。それを見つめ直し、いったん受け入れる必要があるのです。
このとき「その感情を受け入れ、手放します」と言葉かけをします。この手続きをとることで、次のステップを踏み出すことができるのです。
次に、ほおを引き上げる動作を行い、理想の自分になることを受け入れます。
ほおを引き上げるときには、「その自分を受け入れます」と語りかけます。この言葉がけが重要です。
脳マッサージによって、脳のストレスやトラウマを解消すると、顔つきが穏やかになり、その人本来のよい顔になります。よい顔がもたらす影響、いいかえれば、よい波動はたちまち周囲に波及していき、人間関係がよいサイクルで回り出します。この好循環が、新たな出会いや幸運をもたらすのです。

額に手を当てると脳の前頭葉が活性化する
無意識下のロックをはずす!脳マッサージのやり方
悩ましい問題やストレスを解消しようとしても、なかなかうまくいかないことが多いものです。それは、多くの人が心の奥底で「どうせ解決できない」とか、「また失敗する」などと思い込み、あきらめているからです。無意識下で自分の行動にロックをかけているのです。
この無意識下のロックをはずさない限り、抱え込んでいる問題を解決したり、ストレスやトラウマを解消したりすることはできません。無意識下のロックをはずすために、脳マッサージで自分自身への言葉がけがぜひとも必要なのです。

①片手を額に当てる。
手のひら全体の感触をしっかりと額で感じ

②もう一方の手で、ほおを下げながら、理想達成の障害となっている事柄をイメージする。
その際に起こるネガティブな感情をよく味わいながら、「その感情を受け入れ、手放します」と心の中で言う

③理想を達成した自分の姿を具体的にイメージしながら、ほおを上げる。
そのとき自分が何を感じているのか、よく味わいながら、「その自分を受け入れます」と心の中で言う。
深呼吸をして、両手を離す

POINT
◎1回の長さはあまり意識せず、落ち着いて、理想の自分の姿を具体的に思い描くとよい
◎1日に何度行ってもよい
◎1回で心身に変化を感じる人が多い
◎効果は実践をくり返すたびに大きくなるそのため、くり返し行うのがお勧め
脳マッサージは、繰り返し行うことで効果が高まります。根気よく続けてみてください。
「最近、雰囲気が変わったね」
周囲の人から、そう言われるようになったら、すでにあなたの人生はよい方向へと変わり始めていると言っていいでしょう。
「脳マッサージ」体験者の声
感謝の言葉が素直に言えた
脳マッサージでストレスが取れると顔の印象がガラリと変わります。
Yさん(男性、30歳、自営業)は、極度の緊張症でした。人と対面すると過度に緊張し、うまく言葉が出てこないのです。家族ともうまくと話せず、初対面の人となるとまったくコミュニケーションが取れません。そのため、「自分は一人で生きていけばいいと」と、半ばあきらめるように考えていました。
そんなYさんが脳マッサージと出会い、人は一人では生きていけないという当たり前の事実に気づかされました。そして、人とつながることを恐れていた自分を客観的に見られるようになったのです。
私のセミナーを受けた直後、Yさんは両親に電話をかけ、育ててくれた感謝の気持ちを素直に伝えました。また、妹とも折り合いが悪かったのですが、妹にも素直に謝りました。
感謝の気持ちを口にしたり、素直に謝ったりすることによって、今までの親子関係や兄妹関係にあった不自然さが解消されました。自然と過度な緊張がなくなり、初めて会う人でも、ごく普通に話すことができるようになったのです。Yさんは今、自分のやりたいことを見つけ、充実した毎日を過ごしています。

心の鎧が取れて弱音を吐けた
次は、Kさん(女性、30歳、エステティシャン)。Kさんは6年前、突然、パニック障害にかかってしまいました。病院でも原因がわからず、治療もほとんど効果が見られません。そんなとき、私の脳マッサージのセミナーに参加しました。セミナーを受けたときの感想をKさんは「衝撃だった」と表現します。
Kさんは、いつも明るく何事も前向きな頑張り屋と、自分を思い込んでいました。だから仕事でもプライベートでも、どんなにつらいことや苦しいことがあっても弱音を吐けない。「助けて」と言いたいのに、言えない。それをしたら自分ではなくなると、かたく信じていたのです。
セミナーの途中、Kさんはパニック障害の発作が起きたのですが、そのときは素直に「助けて」と言えました。脳マッサージを受けて、「鎧をつけている必要はないんだ。弱音を吐いたり、助けを求めたりする自分も含めて、私なんだ」と、そのときようやく理解できたのです。
それから3年余りがたちますが、パニック障害の発作は起きていません。今は縁があって東京でエステの仕事をしていますが、仕事はことのほか順調で、お客様が増えていると聞きます。脳マッサージは、その人が抱える内面の問題を解消し、心から笑顔が生まれる方法なのです。
