MENU
【悟りを開く】般若心境実践法 仏教の教えに近づく瞑想“空感体験”とは

【悟りを開く】般若心境実践法 仏教の教えに近づく瞑想“空感体験”とは

『般若心経』の中に「色即是空」という言葉があります。「色(しき)」というのは、現実の世界、目でとらえることができるものを指します。一方、「空(くう)」は、現象そのものを否定した本質の世界で、無常、無我のことです。【解説】堀澤祖門(三千院門跡第六十二世門主)

解説者のプロフィール

堀澤祖門
三千院門跡第六十二世門主。
京都大学経済学部在学中に比叡山に上がり、千日回峰行を満行した故・叡南祖賢大阿闍梨の下で得度受戒。戦後初めて「十二年籠山行」を満行。天台宗僧侶を養成する叡山学院長、天台座主への登竜門「戸津説法」の説法師を務める。2013年より京都大原三千院門主。著書は、『求道遍歴』(法藏館)、『君は仏、私も仏』(恒文社)、『生きるのが楽になる「覚り」の道の歩き方』(阿部敏郎氏と共著、角川書店)など。DVDに、『いまここで悟りを味わえるDVD』(大和田菜穂さんと出演、マキノ出版とAmazonで販売)がある。

悟りを開いた人はみんな空を体験している

『般若心経』の中に「色即是空」という言葉があります。
「色(しき)」というのは、現実の世界、目でとらえることができるものを指します。

一方、「空」は、現象そのものを否定した本質の世界で、無常、無我のことです。
多くの人は、世界には「色」(現象)しかないと思っていて、「色」の中で、争いや執着に翻弄されて、一生が終わってしまいます。

この「色」からいかに抜け出すかを教えてくれるのが仏教で、ブッダは悟りという境地をつかみました。
ブッダは、「空」という言葉は使っていませんが、次のような言葉から「空」を体験していることがわかります。

愚かな人は、「自分の子どもだ」「自分の財産だ」と思い悩む。
しかし、自分自身が、すでに自分のものではない(「空」)ではないか。
どうして、子どもや財産が、自分のものだということができようか。

悟りを開いた人は皆、「空体験」をしています。
例えば、禅僧の道元は、坐禅をしている最中に、意識が転換し、「気がついたら心も体もどこにもなかった」(身心脱落)という体験を伝えています。

これがまさに「空体験」で、悟りなのです。
仏教に帰依している人でなくとも、苦しい病気をなさったことで、「空体験」をされるかたもいらっしゃるでしょう。

「色」の世界の価値観では、自分も存在し、相手も存在します。
そこで比較しあい、優劣を競い、争いが起こるのです。

「色」のことを、仏教では「実有」とも呼びますが、実際にあると思い込んでいるから、執着するのです。
自分も相手も、仮の存在(仮有)であり、「空」であることがわかれば、無用な争いはなくなるでしょう。

「空」の世界に近づく「空感体験」のやり方

とはいえ、修行をして「空体験」をすることは、容易ではありません。
僧侶でも「空」を体験できる人は一握りです。

そこで、「このすばらしい《空体験》をなんとか多くの人ができないものだろうか」と私が考えだしたのが、「空感体験」です。
とても簡単な方法ですが、真剣に続けていると、「空」の世界に限りなく近づくことができます。

多くの人は、頭のてっぺんから足のつま先まで、「色」でいっぱいでしょう。
ですから、自分で「色」を捨てていくといいのです。

頭から、「空」のフィルターをかけて、スーッとつま先まで下げていく。
具体的には、「自分はここにいる」と感じている根拠を一つひとつ消去していきます。

そうして、身体全体を空っぽにしていくんです。
それを繰り返し行ってください。

中には「捨てきれません」という人もいますが、イメージですから「捨てた」と思えばだいじょうぶです。
難しく考える必要はありません。

幻想である「色」を全部捨てていくと、自分がだんだん変わってくることがわかります。
「これが空の感じか」「軽々としてきた」「肩の荷が下りた」「気持ちいい」……といった「空感」が、人それぞれに出てくるのです。

くしを下すようにスーッスーッと「空」のフィルターをかけると、だんだん梳られてきて、「色」がなくなってきます。
立っていても、横になっていても、歯磨きしていても、歩いているときもできるので、時間を見つけて、自分が「空」になろうと思ったら、そのときに一生懸命やってください。

「空感体験」は、いわば24時間瞑想で、いつでもどこでもできます。
毎日100~300回も行うと、「空感」とは何かが、しだいにわかってくるでしょう。

この「空感体験」は、私自身も常に行っています。
毎日、真剣に「空感体験」をすることによって、特別な人でなく、一般の人でも、悟りを開くことができるんだと知っておいていただければと思います。

「色」を洗い流して「色」である自分にまた戻る

『般若心経』では、最初に「五蘊皆空」(この世の中のすべてのものは皆「空」である)と結論を出しており、その説明が後に続きます。
皆さんも、「色」の世界の価値観にとらわれず、「空」の世界に飛びこみ、「空」で自分自身から「色」を洗い流して、洗濯をじゅうぶんした後、「色」である自分にまた戻ってきたらどうでしょうか。

「空」を体験すると、枠にとらわれず、自由になれます。
「色」を「空」に転じ、皆が悟りを開いたブッダになれば、世界は平和になるでしょう。

今は修行を積んだ僧侶でなくても、普通の人がどんどん悟りを開いており、ブログや書籍などで、その体験を発信されています。
阿部敏郎さんや、黒澤一樹さん、大和田菜穂さんもそうでしょう。

時代に合わせて、さまざまなアプローチで、「空」を体験して生きる人が増えていることを、喜ばしく思っています。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
私たちの体は、使わないと衰えていきます。例えば、運動せずにいると筋力が落ちていき、ついには立ったり歩いたりすることができなくなります。それは、脳も同じです。使わないでいると、頭はどんどんボケていきます。いちばんいいのは、あっと驚く物を見ることです。【解説】武田邦彦(中部大学特任教授・工学博士) 
更新: 2019-09-10 22:10:00
私がB型肝炎を発症したのは、27歳のとき、初ミュージカルの稽古中でした。病気そのものもそうですが、病名を知らない間に報道されて、当時はまだ肝炎という病気に対したくさんの誤解があったため、偏見に直面することになったのです。【体験談】石川ひとみ(歌手)
更新: 2019-09-10 22:10:00
孤独力を身につけることは、家族や友人に頼り切らずに、周りの人たちと適度に交わりながら、充実した人生を送る秘訣だと思います。そのためにも、自分にとってほんとうにたいせつな物事を取捨選択する「人生の片づけ」が必要なのです。【解説】弘兼憲史(漫画家)
更新: 2019-09-10 22:10:00
仕事や子育てをリタイアしたあとは、エンディングに向けて準備する時期だと思います。では、どんな準備が必要で、リタイア後はどんな生きかたがいいのか。 私が出した結論は、60歳からは「手ぶら人生」で行こう、です。【解説】弘兼憲史(漫画家)
更新: 2019-09-10 22:10:00
テレビで話題の“時短家事”の専門家が直伝!「勝手に片づく家」を作る3つの秘策!家事効率がよくなると、「めんどうな家事」も、気軽に、気楽に、ごく短時間で取り組める「楽しい家事」に変わります。【解説】本間朝子(知的家事プロデューサー)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル