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【歯ぐきの腫れ・膿や出血】歯周病を改善する漢方薬「排膿散及湯」とは

【歯ぐきの腫れ・膿や出血】歯周病を改善する漢方薬「排膿散及湯」とは

漢方では、「口の中は、全身を映し出す鏡」といわれ、昔から健康状態は口の中に現れると考えられてきました。その考えどおりに、漢方の診断法の一つに、舌で体の状態を見る「舌診」があります。舌の色や形などの状態で、内臓の働きや栄養状態、胃腸の状態、病気の進行までわかります。【解説】平地治美(薬剤師・鍼灸師)

解説者のプロフィール

平地治美
薬剤師・鍼灸師

●平地治美の漢方ブログ
https://blog.goo.ne.jp/harumi4567

口内には全身の健康状態が現れる

漢方では、「口の中は、全身を映し出す鏡」といわれ、昔から健康状態は口の中に現れると考えられてきました。
その考えどおりに、漢方の診断法の一つに、舌で体の状態を見る「舌診」があります。

舌の部位は、五臓(東洋医学でいう肝、心、脾、肺、腎)に対応していると考えられ、舌の色や形などの状態で、内臓の働きや栄養状態、胃腸の状態、病気の進行までわかります。

大学の薬学部を卒業し、漢方薬局に就職したばかりのころ、職場の中国人の中医師が、患者さんの舌を見ただけで、さまざまな症状を言い当てるのを目の当たりにして、まさに舌を巻きました。

以来、私は舌診を極めるために勉強を続け、臨床に生かしています。
私は舌診をするとき、舌だけではなく、歯ぐきも見ます。

歯ぐきは「脾」に対応していると考えられています。
脾は、食べたものの栄養素を体に運ぶ消化器官ですから、その先端である口の中と強く関係しています。

患者さんの歯ぐきが炎症を起こして腫れていたり、赤紫色になっていたりすると、私は脾の働きの低下を疑います。
脾の働きが落ちる原因は、食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスなどが挙げられます。

症状の軽い患者さんには、胃弱や慢性胃炎に効く漢方を処方します。
それと共に、食べ過ぎや飲み過ぎを控え、胃腸を休めてもらいます。

さらにクヨクヨ思い悩まないようにして養生すると、すっきり改善します。
しかし、なかなか歯ぐきの腫れが治まらない患者さんには、すでに病巣があると考えられるので、歯科医院への受診を勧めます。

すると、初期の歯周病と診断されることが多いのです。

歯周病の症状改善に役立つ漢方薬

歯周病は、歯に付着した歯垢や歯石に細菌が繁殖して、炎症を引き起こし、歯ぐきの中の骨を溶かしてしまう、怖い病気です。
進行を抑えるためには、まずは丁寧な歯磨きを行うことと、歯科での適切な治療を行うことが大切です。

そしてそれと併せて、症状に合わせた漢方薬を併用すると、より効果的です。
最近、西洋薬では対応できない口内炎やドライマウス、歯周病に対して、漢方薬を処方している歯科医院が増えてきました。

これは、外側から治療するだけでなく、漢方によって体の免疫力(病気に対する抵抗力)を高めることで、口腔疾患によい影響を与えることが、注目され始めたからでしょう。
私の開催する勉強会にも、歯科医の方の参加が増え、歯周病や歯の痛み、抜歯後の痛みなどに積極的に漢方薬を処方しています。

歯周病によい漢方薬の種類と効能

それでは、歯周病にはどのような漢方薬がよいか、具体的に紹介しましょう。

①葛根湯
葛根湯は、日本でよく知られている漢方薬の一つ。

カゼの初期症状によく効くので、家庭の常備薬にしている人も多いでしょう。
葛根湯の効能は、消炎と鎮痛作用なので、歯ぐきの腫れや痛みを緩和します。

歯周病の症状に加え、肩こりのある人に、特にお勧めの漢方薬です。

②排膿散及湯
排膿散及湯は、歯ぐきの炎症が進み、腫れた部分を指で押すと、柔らかくプヨプヨし、口臭がある場合に使います。

この漢方薬は、歯ぐきの中に大量にたまった膿を排出し、歯ぐきの腫れや痛み、出血を鎮めます。
排膿散及湯には、6種類の生薬(漢方薬の原材料となる天然物)が配合されています。

ここで、それぞれの効能を紹介しましょう。

★桔梗=膿を排出し化膿を防止
★枳実=膿をつぶし、炎症を抑える
★甘草=諸薬の調和を図る
★芍薬=血液循環をよくして瘀血を取る。炎症を抑えて痛みを鎮める
★大棗=体を温め、緊張を緩和。腸の動きを抑制
★生姜=健胃作用がある

これらの生薬の相乗作用で、胃腸や血流など体内の問題を根本的に解決して、歯周病を改善します。
排膿散及湯は、どんな体質の人にも副作用がほとんどありません。

早めに飲めば、即効性を得られるでしょう。
この漢方薬は、市販もされていますが、保険適用でも処方してもらえるので、漢方を取り入れている歯科医師に相談してみるのもよいでしょう。

歯ぐきの状態がよくなれば、飲用をやめますが、保管しておいて、再度腫れそうになったとき、すぐに飲むと早めに治まります。

歯周病の予防には、前述したように、飲み過ぎや食べ過ぎを控えるとともに、睡眠を十分に取り、精神的ストレスをためないようにしましょう。
また、口の中を殺菌してくれる唾液の分泌も重要なので、よく噛み、よくしゃべって、舌を動かすようにしましょう。

こうしたことは、歯周病だけでなく、全身の健康維持にも役立ちます。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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