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【陰部のかゆみ】薬で治る?水虫菌なら抗真菌剤で改善 流行中の梅毒にも注意

【陰部のかゆみ】薬で治る?水虫菌なら抗真菌剤で改善 流行中の梅毒にも注意

年配男性の股間のかゆみの原因で最も可能性の高いと考えられるのは「老人性掻痒症」です。加齢とともに皮膚が乾きやすくなり、外敵の侵入を防ぐ皮膚のバリア機能が低下してきます。【解説】古堅進亮(新都心クリニック・東京前立腺センター院長)

【悩み】股間がかゆい…市販薬を使って大丈夫?


最近、股間がかゆくてたまりません。思い当たるふしはまったくないのですが……。
市販のかゆみ止めを試そうかと思っていますが、何か病気でも困るし、場所が場所だけに真剣に困っています。(60代男性)


水虫がある人は、陰部白癬(俗に言うインキンタムシ)の可能性が高い

ご質問の内容で、最も可能性の高いと考えられるのが「老人性掻痒症」です。
加齢とともに皮膚が乾きやすくなり、外敵の侵入を防ぐ皮膚のバリア機能が低下してきます。

その部分がチクチクしたり、かゆみを引き起こしたりします。
さらに、かゆさに耐えきれずにかきこわすと、傷に細菌が入り込んで、かゆみがさらに強くなるのです。

かいたあとがただれている人は、ほとんどがこのケース。
特に冬場は空気が乾燥していることも手伝って、こうした患者さんが目立ってきます。

治療法としては塗り薬の塗布がメインになりますが、薬を決めるために、まずは傷口に感染した菌の種類を見きわめます。
最も多いのが白癬菌(水虫菌)です。

陰部白癬、俗にインキンタムシともいって、水虫を持っている人なら、たいていはこの白癬菌が犯人です。
陰部白癬は、抗真菌剤の軟膏を塗布することで改善します。

原因が白癬菌以外の可能性がある場合には、抗生物質とステロイドを合わせた軟膏を処方することで、大半は治ります。
ここでのポイントは、ステロイドの強さです。

ステロイドはよく効く薬ですが、半面、多用していると、さまざまな副作用が出てくることも否めません。
そのため、短期決戦が求められます。

ステロイドの強さは5段階あり、症状に応じて、できるだけ早くかゆみをなくし、薬をストップするように処方を調整するのです。
また、今のように乾燥が強い時期には、ステロイドに保湿剤を加えたものを処方します。

接触性皮膚炎の場合は、ステロイド剤と抗ヒスタミン剤で改善

老人性掻痒症以外では、「接触性皮膚炎」が考えられます。
これは植物や洗剤など、なんらかの外的刺激が肌に接触してかゆみを伴う湿疹が生じる疾患で、俗にいうかぶれです。

股間のかゆみだと、お風呂上がりに、石けんが内ももに残っていた可能性もあります。
接触性皮膚炎の場合は、ステロイド剤の塗布、抗ヒスタミン剤の服用で、比較的簡単に改善します。

場所が場所だけに、通院をためらって市販のかゆみ止めを塗る人もいるのですが、できたら一度、医療機関を受診してください。
市販の薬がうまく合って効くこともありますが、かゆみの原因菌に効く薬でないと、治癒が長引いたり、逆に悪化したりするケースもありえます。

急がば回れで、結局、通院したほうが早くつらいかゆみから解放され、お金もかからないことが多いのです。
また、処方された軟膏は、症状が完治した後も保管しておくといいでしょう。

軟膏は2〜3年は変質しないので、次に同様の症状が出たときに使うことができます。

陰部のかゆみを防ぐ生活のコツ

なお、かゆみの再発を防ぐために、以下のことにも気を付けるとよいでしょう。

●肌を清潔に保つ
ただし、洗い過ぎはかえって刺激になることもあるので、入浴のさいにきちんと洗えばよいでしょう。

●保湿を心がける
特に寒い時期は、皮膚のバリア機能を維持するためにも、保湿を心がけてください。股間の場合、顔に使用するローションやクリームで保湿するのもいいでしょう。

●食生活を見直す
陰部に限りませんが、皮膚炎になりやすい人は、腸の状態に問題がある可能性も大です。
腸内にウェルシュ菌などの悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなってくると、腸管内で発生した有毒物質が体内に吸収され、免疫力が低下しがちです。

その結果、細菌に対する抵抗性が弱くなり、アレルギーや皮膚炎を起こしやすくなるのです。
暴飲暴食を避け、ヨーグルトなど善玉菌が多く含まれている発酵食品を取るよう心がけて、腸内環境を整えましょう。

流行している「梅毒」にも注意

ところで、今回の質問では可能性が低いと思われますが、股間や陰部に異常が見られる場合、私たち泌尿器科医が最初に頭に浮かべるのが梅毒です。
梅毒はスピロヘータという細菌によって発生する感染症(性病)で、性交が主な感染経路になります。

特にここ数年来は、実は梅毒が流行しています。
厚生労働省も警告を発しているほどですから、より注意が必要になっています。

梅毒というと、昔は脳や脊髄などを侵される怖い病気でしたが、今はペニシリンを投与することで、確実に完治します。
通常、梅毒の初期はかゆみや痛みといった自覚症状を伴いません。

初期の段階では陰部に小さなしこりができたり、それが崩れて潰瘍になったりします。
痛みやかゆみがなくても、これが目に留まったら、早めに泌尿器科を受診してください。

解説者のプロフィール

古堅進亮
新都心クリニック・東京前立腺センター院長。
東京医科大学卒業後、八王子医療センター勤務、立正佼成会附属佼成病院泌尿器科医長を経て、2011年、新都心クリニック・東京前立腺センター院長に就任。経尿道的前立腺切除術、TURP手術(日帰り手術)、前立腺炎、前立腺ガン、膀胱炎、性感染症、ED外来、尿もれ治療、夜尿症治療などに力を入れている。

●新都心クリニック
東京都渋谷区代々木2-16-7 山葉ビル メディカルセンター3階
TEL 03-5304-7127
https://www.tutrp.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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