解説者のプロフィール

シルク
大阪府出身。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)卒業。1985年、小学校からの同級生・ミヤコと漫才コンビ『非常階段』を結成。96年にタレントに転向後は、テレビ、ラジオで活躍するほか、全国で女性限定の美容イベント「シルクのべっぴん塾」を開催。『シルクのべっぴん塾 筋膜ゆるトレ』『シルクのべっぴん塾 美欲』『シルクのべっぴん塾 てっぱんダイエット』(いずれもヨシモトブックス)など著書多数。
足の裏でボールを転がすと全身のねじれが元どおり
皆さん、こんにちは。「よしもとの美容番長」こと、シルクです。
ここで皆さんに、私が毎日の美と健康のために行っている「筋膜リリース」のお話をしようと思います。
筋膜リリースといっても、難しくありません。ホームセンターなどに売っているスーパーボールを、足の裏でコロコロ5分間転がすだけ。簡単です。
筋膜とは、筋肉を包み込んでいる膜のこと。
足の裏の筋膜がねじれると、全身のバランスに影響して、顔のたるみやゆがみを引き起こすこともあります。さらに、顔の筋膜がねじれて固まると、そこに紫外線が集中して、シミやシワ、くすみの原因になるともいわれています。
ですから、まず足の裏の筋膜をほぐして、ねじれを元に戻すことが大切なのです。
筋膜は、やわらかい物に反応するので、スーパーボールが最適です。私の経験上、大きさは直径32mmがベスト。とりあえずは、図のやり方を見ながら、手もとにある小さめのボールを使ってやってみてください。
顔のハリやツヤが格段に違う!
今でこそ、女性限定の美容イベント「べっぴん塾」を主宰する私ですが、30代後半まで、今より10kgも太っていました。美容やおしゃれにも無頓着、街を歩いているとき、ウインドーに映る自分を見て「どこのおばちゃん?!」と愕然とするほどでした。
ニューヨークで顔面筋トレーニングとサルサ(ラテン音楽に合わせて踊るダンス)に出合い、美に目覚めました。その後、ランニングや食事制限で10㎏の減量に成功。ところが、生理不順や冷え症に悩まされ、胸やお尻はしぼみ、肌はカサカサに……。
そのころ、「大切なのは、体の外側ではなく内側だ」ということに気づきました。がむしゃらに走るのをやめ、食生活を改善しました。
同時期に、全身をしなやかに鍛えるピラティスというエクササイズに出合ったのです。そこで、筋膜リリースを知りました。
以来、私の体は加速度をつけて変わり始めました。筋膜リリースをすると、顔面筋トレーニングの効果も上がるのです。顔のハリとツヤ、リフトアップの度合いが格段に違います。
偏った動作や姿勢を続けると、筋膜は、ねじれた状態で癒着します。その結果、筋膜の下にある筋肉や、筋膜の上にある皮膚も動きにくくなるのです。つまり、ねじれのない筋膜は、美と健康の基本といえます。
筋膜リリースを始めてから、私の体には、やわらかく良質な筋肉がつき、ケガをしたり、痛みを感じたりすることも減りました。
日常生活では、片方の肩にバッグをかけて歩いたり、長時間立ちっぱなしだったり、一日中パソコンに向かっていたり、ということがありますよね。ですから、多少の差はあれ、どんな人も筋膜がねじれて固まっています。それをほぐして本来の状態に戻すのが、筋膜リリースです。
足裏ころころのやり方
とはいえ、「何から始めたらいいか、わからない」「教室に行くのは難しい」という人も多いでしょう。そんな人に、足の裏をボールでコロコロ刺激してほしいのです。
足の裏の筋膜は、ふくらはぎ、太ももの裏、背中、後頭部を通り、顔につながっています。つまり、足の裏の筋膜をほぐすと、つながった筋膜もほぐれ、顔の皮膚や筋肉にまで影響するのです。顔面筋トレーニングの前に、筋膜リリースをすると効果が上がるのは、そのためです。
私は、筋膜のつながりを知ってから、「顔」「太もも」「お尻」と個別にとらえるのではなく、全身を整えることを考えるようになりました。そうすることで、心身を若く健康に保つことができると気づいたからです。
皆さんも、足の裏をコロコロ刺激してください。それが、美と健康の第一歩になります。

血液やリンパ、神経の流れがスムーズになる(いいだ整骨院・鍼灸院・ いいだカイロプラクティック院長 原幸夫)
私たちの体の筋肉は、筋膜という薄い膜に覆われ、複合的につながっています。これを筋膜連鎖(アナトミートレイン)と呼んでいます。筋膜は絶妙な張力でバランスを保っており、一部の張力がくずれると、全身のバランスが乱れます。ピンと張ったシーツの一ヵ所をつまむと、ほかの部分にシワが寄るのと同じことです。
筋膜の起点といえる足の裏の筋膜を刺激すると、全身の筋膜が元の状態に戻ります。すると、皮膚や筋肉の血液やリンパ、神経の流れがスムーズになって、本来の美しい素肌や体形がよみがえるのです。