塩を溶かしたお湯で肌が滑らかに!
「塩湯デトックス(塩浴)」は、石けんやシャンプーの代わりに、たっぷりの塩を溶かしたお湯(塩湯)を体や髪に塗り、手のひらでなでるように洗うだけのシンプルな入浴法です。
私の父である故・松本永光が、医師の故・湯浅寛先生から教えを受け、研究と実践を重ねて考案しました。
「塩湯を塗るだけでほんとうに体が洗えるの?」と思われる読者も多いかもしれませんが、塩湯の効果は絶大です。
肌表面の汚れを取り除くだけでなく、毛穴に詰まった古い皮脂や老廃物の排出を促し、肌が本来持つ自然浄化力や再生力を回復させ、ベタつき、かさつきのないすべすべな肌へと導いてくれるのです。
塩湯が効く理由を説明する前に、まず私の体験をお話ししましょう。
27年ほど前、私は原因不明のひどい肌荒れに悩んでいました。
今から振り返ると、化学物質アレルギーのようなものだったと思います。
最初は小さな手荒れから始まり、やがて全身にかぶれが広がっていきました。
どんなに高価な化粧品を使っても改善せず、洗顔料や石けんも使えなくなりました。
困り果てていた私に、父は再三、塩水で体を洗うよう勧めました。
最初は抵抗がありましたが、かゆみや肌荒れのない肌を取り戻したい一心で、試してみることにしたのです。
肌の再生が進み化粧品が不要になる
当初は、頭や体からヌルヌル、ギトギトとした脂がどんどん出てきて、嫌なにおいもして、不快でたまりませんでした。
しかし、最初はドッと出ていた脂やにおいも、毎日塩水で体を洗い続けるうちに2、3日で落ち着き、気にならなくなりました。
そのたびに体の中の汚いものが出ていく感じがして、励みになりました。
そして、荒れてウロコのようにひび割れた肌も徐々に落ち着き、かきむしった傷あとも消えて、肌が見違えるほどきれいになったのです。
以来24年間、石けんやシャンプーは滅多に使うことがありません。
基礎化粧品やメイクアップ化粧品は、いっさい使っていませんが、肌はいつもスベスベで、トラブルとは無縁。
今は塩すらほとんど使わず、普段はお湯だけで髪や体を洗う沐浴をしていますが、においや脂が気になることもありません。
現在46歳ですが、白髪もありません。
塩湯を体に塗ると、塩の浸透圧で汗が出やすくなり、また、毛穴に詰まった古い皮脂や老廃たんぱく質、石けんやシャンプーの残留物を溶かしながら流してくれます。
肌に塩湯を塗ってなでるとヌルヌルしてくるのは、古い皮脂などが溶け、さらに新しい皮脂が出ているためです。
古い脂や皮脂腺の詰まりが取れて、汗を適度にかくようになれば、肌再生のサイクルが整っていきます。
皮膚の分泌機能も正常化し、きれいな皮脂と汗によって作られる皮脂膜が、「天然の美容液」として肌をガードしてくれるので、化粧品いらずの美肌になれるのです。
塩湯デトックスのやり方

解説者のプロフィール

松本和子
「伯方の塩」で知られる伯方塩業株式会社創立メンバーの一人である、『塩浴革命』(三栄)の著者、故・松本永光の長女。父の志を受け継ぎ、塩浴を実践し、普及に努めている。著書に『塩だけで髪もからだも洗ってしまう新習慣 塩浴生活をはじめよう!』(KADOKAWA)がある。