解説者のプロフィール

金子エミ(かねこ・えみ)
1991年からモデルとして活動開始。CM出演は100本以上を数えるほか、テレビ番組や雑誌などでも活躍。パーツモデルとしての仕事のほか、手や足などの独自のケア方法を紹介するなどパーツ美容研究家としても活躍。二児の母。『No.1パーツモデル金子エミが教える〜家事をしながらエステ』(ワニブックス)など著書多数。
家事・育児で荒れた手がプルプルになった!
「女性の年齢は手に出る」。この言葉は至言です。最近の女性は、顔はケアしてお若いかたが多いですが、手のケアはおろそかになりがち。手がガサガサになったり、シワシワになったり、あかぎれになったり、爪がひび割れを起こしていたり、いわゆる「主婦湿疹」に悩まされたりしているかたは少なくありません。
実は、手足のパーツモデルをしている私も、手がひどく荒れていたことがあります。子どもが生まれ、家事や育児が忙しくなり、それまで気を遣っていた手のケアに時間をかけられなくなりました。すると、手はみるみる荒れ、「仕事もこのまま引退かも」と思うほどになりました。
しかし、育児も落ち着き、またしっかりとケアを始めたところ、私の手は、潤いとスベスベ肌を取り戻しました。
「手が若返るはずがない」と思うかもしれませんが、考えてみてください。全身の細胞はいくつになってもターンオーバーして生まれ変わっています。ということは、荒れてガサガサでシワシワになった手も、毎日のケアを積み重ねていけば、みずみずしい手に生まれ変わることができるのです。
私が日々の手のケアで最も気をつけていること、それは「乾燥」です。
冬場、乾燥しているのでハンドクリームを塗る、というのは多くの人がやっているケアでしょうが、特に気をつけたいのは水仕事やお風呂など、手を濡らした直後。私は手が濡れた後は即座にタオルで優しく押さえるようにしながら、しっかり拭きます。
手を濡れたまま放置すると、水分が蒸発するときに、皮膚の水分も一緒に蒸発してしまうからです。
例えば、料理をするとき、野菜を洗って、そのまま濡れた手で包丁を持つのはNG。私の場合、エプロンの縁にタオルをはさんでおき、手が濡れたらすぐに拭くようにしています。また、野菜を洗うときはまとめて洗うなど、工夫をしてなるべく手が水に触れる回数を減らしています。毎日のことなので、この積み重ねがたいせつです。
化粧水は水で薄めてたっぷり使う
乾燥を防ぐだけでなく、水分を補うことも重要です。そのとき、いきなりハンドクリームを塗らず、まずはたっぷりの化粧水で保湿してください。こうすると、クリームの成分が浸透しやすくなります。
化粧水は、高価なものを使う必要はありません。ただし、惜しむことなく、たっぷり使うようにしてください。私の場合、たっぷり使いたいので、化粧水にミネラルウォーターや精製水を1:1の割合で混ぜて使っています。これでもじゅうぶん効果があります。
薄めた化粧水をスプレーボトルに入れて、手全体に吹きかけてよくなじませます。ここで注意したいのが、指の関節のシワの間と、指と指の間の水かきです。
指の関節は常に動かす部位でシワが深くなりやすいにもかかわらず、化粧水やハンドクリームを塗るときに見落とされがちです。また、手の水かき部分はキメが粗いので乾燥しやすく、うっかりするとカサカサに乾燥し、粉が吹いているという状態になります。手の老いはこういうところに出るのです。指の関節を曲げて、シワの間にも化粧水を塗りこみ、水かきにも忘れず塗りましょう。
もう1点、気をつけてほしいのが「指先」です。スマホを常に操作している影響で、指先が硬くなっている人が多いです。ここにも化粧水を丁寧に塗りこんでください。
手全体に化粧水をまんべんなく塗ったら、次はハンドクリーム。ハンドクリームには、肌に皮膜を作って保護するのが主目的の油性と、保湿が主目的の水溶性があります。普段のケア用では、水分量の多い水溶性のハンドクリームを選ぶようにしてください。
水溶性かどうかは、化粧水と混ぜてみるとわかります。溶けるようになじんだら、水溶性です。お店にあるテスターを手のひらにとって、混ぜ合わせてみましょう。
ハンドクリームを塗るときもひと工夫。まず、手のひらに10円玉ほどの量のクリームを出します。よく手の甲に出す人がいますが、手のひらです。そして、クリームを押さえるように両手を合わせて、温めてください。温めることでクリームののびがよくなり、浸透力が高まります。
ハンドクリームを手全体に広げたら、マッサージをしながら塗りこんでいきます。マッサージをすることで血流がよくなり、シミやシワの予防にもつながります。マッサージは下の「手のマッサージのやり方」に従って行ってください。
ツヤツヤの手になるケア方法

金子流「手のマッサージ」のやり方

お風呂上がりにすぐ行うと効果的
普段の手のケアはこれで終了です。慣れれば化粧水からマッサージまで、5分もかからずにできると思います。朝1回、夜(お風呂上がり)1回、ケアを行いましょう。私はいつも化粧水を持ち歩いています。手を洗ったとき、化粧水を拭きかけると、クリームの効果が復活するからです。
とにかく手を水に濡らした後はこまめに水分を取ること。私は、洗い物はなるべくまとめて行うようにし、その場合、ゴム手袋を着用して手を濡らさないようにします。長時間に手を水につける場合は、これがお勧めです。短時間の場合でも、必ずその都度手の水分を取る。濡れた手のまま放置したり、作業したりしないようにしてください。
お風呂も、手が水分を吸ってシワシワになるほどつからないようにしましょう。お風呂から上がったら一息つく前に、すぐ化粧水とハンドクリームを塗るようにしてください。
そして、最もたいせつなのは、これまでケアを怠ってきた人も、今日からしっかりケアを始めることで、若々しいスベスベの手になれるということです。「もう歳を取ってしまってシワシワの手だし」とか「あかぎれや爪のひび割れも目立つし」などとあきらめないでください。
日々の積み重ねを今日から行うことで、荒れた手もみずみずしく若返ります。私がお話ししたハンドケアは簡単に始められます。ぜひ今日から手をいたわってあげてください。
いつまでも若々しく潤った手を保つ7カ条
