微弱電流が発生し生命力アップ

「足裏10円玉療法」は、左右の足の親指と人さし指の付け根の間と、薬指と小指の付け根の間に、10円玉を貼る健康法です(やり方は下記画像参照)。
簡単ですが、体の痛みや不調の改善に著しい効果があります。
足の裏に10円玉を貼って得られる効果は、2つです。
まず1つ目は、10円玉が発する微弱電流による刺激効果です。
10円玉は銅貨なので、そこから微弱電流が発生します。
足の裏には全身に対応する多くのツボがあり、脾経、肝経、膀胱経、腎経という経絡(一種の生命エネルギーである気の通り道)が走っています。
10円玉が発する微弱電流により、これらの経絡が刺激されると、気の流れがよくなります。
これが、体調全般が整うメカニズムです。
脾経は膵臓の働きや消化吸収に深く関係しており、肝経は血をきれいにする肝臓の働きに関係する経絡です。
膀胱経は膀胱の働きを調節するほか、全身の機能をコントロールする自律神経にも深い関わりがあります。
腎経は、成長や発育、生殖を司り、私たちの生命力に深く関係する経絡です。
これらの経絡が刺激されると、まず、体のだるさが解消したり、うつや不眠が改善したりといった変化が現れます。
そして、全身のさまざまな悩みが改善するのを実感できます。

ひざ軟骨の再生が促進される
足の裏に10円玉を貼る効果の2つ目は、立ったり歩いたりしたときに、10円玉の物理的な刺激が生まれる点です。
この刺激によって、足の指をしっかりと踏み出して歩けるようになると、腰痛やひざ痛の予防・改善にもつながります。
一般に、体が弱い人や高齢者などは、足の指が弱々しく、足の指先でしっかり踏み出して歩くことができていません。
その結果、かかとに体重がかかり、歩幅も小さくなり、ヨボヨボとした歩き方になるのです。
かかと重心になると、ネコ背になりやすく、それによって腰痛が引き起こされることもあります。
ところが、10円玉を足先にテーピングすると、しっかりと足を踏み出せるようになります。
立つ姿勢や歩き方が自然と改善され、足の指を使って力強く、若々しく歩けるようになります。
きちんと歩けるようになると、うつなどの心の不調が緩和したり、記憶力がアップし、認知症を防いだりすることにもなります。
10円玉を足の裏に貼って歩く習慣を根気よく続けていると、ガンコなひざ痛も改善します。
これは、足を踏み出した際に地面から足に伝わる衝撃によって、ひざ関節の内圧が高まるためだと考えられます。
最近の研究によると、ひざ関節の内圧が高まると、すり減った軟骨の再生が促進されるそうです。
10円玉を足の裏に貼ると、普通に歩くよりも着地時の衝撃が大きくなるうえ、ひざや腰に負担をかけない正しい姿勢で歩けるようになるので、ひざ痛の改善に有効なのです。
便秘・生理痛・足の悪臭など女性の悩みも一掃
女性にうれしい効果もたくさんあります。
全身が温まるので、冷え症の改善が期待できるほか、全身の血流がよくなって肌もきれいになります。
骨盤内の臓器の働きがよくなり、生理痛や生理不順など婦人科系の不調や、便秘なども改善します。
正しい姿勢で力強く歩けるようになるので、ダイエット効果も得られます。
さらに、10円玉は銅製のため、消臭作用や抗菌作用があります。
水虫や足のにおいが気になる人にもお勧めです。
冬場ブーツを履く女性にとっては、足のムレやにおいを防いでくれるでしょう。
私自身は、この健康法を実践して、鼻水や目のかゆみなど花粉症の症状がほとんど出なくなりました。
足の指にある目や鼻のツボが刺激されたためだと考えています。
なお10円玉は、1日じゅう貼ったままでかまいません。
1日1回、入浴の前後で貼り替えてください。
肌が弱く、かぶれが心配な人は、靴下をはいた上から10円玉を貼りつけてもいいでしょう。
解説者のプロフィール

蘆原紀昭(あしはら・としあき)
1948年、香川県生まれ。
群馬大学医学部卒業。同大学附属病院麻酔科、日本海汽船船医(イラン・クウェート・イラク・サウジアラビア・ドバイ・インドなどに赴き、現地医療を視察)、愛媛大学医学部第三内科、済生会西条病院内科医長、恒進會病院院長などを歴任。
現在は加圧治療院を開業し、加圧テープ健康法を実践する傍ら、超加圧整体学院で後進の育成に務める。
最新刊は『芦原流 超加圧テープ健康法』(文芸社)。
●加圧治療院
大阪市浪速区元町2丁目4-24田場ビル1階
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