MENU
顔や首の【加齢性のイボ】に効果がある「はと麦」とは何か

顔や首の【加齢性のイボ】に効果がある「はと麦」とは何か

年齢を重ねるほど増えてくる悩みの一つに、イボがあります。顔や首に、いつの間にか小さなイボができ、「気になるけれどしかたがない」とあきらめている人も多いでしょう。そんな人に、ぜひお勧めしたいのが「ハトムギ」です。【解説】武鈴子(東京薬膳研究所代表)

江戸時代から有名なイボ取りの妙薬

年齢を重ねるほど増えてくる悩みの一つに、イボがあります。
顔や首に、いつの間にか小さなイボができ、「気になるけれどしかたがない」とあきらめている人も多いでしょう。

そんな人に、ぜひお勧めしたいのが「ハトムギ」です。
ハトムギはイネ科の穀物で、古来、すぐれた薬として珍重されてきました。

殻を除いたものは「薏苡仁」と呼ばれ、漢方に使われる代表的な生薬です。
中国最古の薬草書『神農本草経』にも、薏苡仁(ハトムギ)が記載されています。

日本では、江戸時代の本草学者・貝原益軒が著した『大和本草』に記載され、「吹き出物やイボ取りに効果がある」と紹介されています。
特に、イボ取り効果は広く知られ、ハトムギといえば「イボ取りの妙薬」として有名です。

私自身も体験しましたが、ハトムギは、特に加齢に伴うイボを消すのに力を発揮します。
その理由は、イボの成り立ちにあります。

実は、加齢に伴って増えるイボは、体の水分代謝の衰えが大きな原因です。
体の水分代謝の中心は腎臓ですが、中高年になると腎臓の働きが衰えるので、どうしても体の水分代謝が悪くなります。

その結果として、イボが増えてくるのです。

全身の水分代謝を改善する食品はハトムギだけ

そこで重要な役目を果たすのがハトムギです。
ハトムギには、体の水分代謝を強力に促す働きがあるのです。

ハトムギを取れば、全身の水分代謝がよくなり、滞った余分な水分がどんどん出ていきます。
同時に、そこに含まれる老廃物の排泄も促されます。

すると、加齢に伴うイボができにくくなりますし、すでにできたイボも消えてくるのです。
水分代謝を促す食品には、ほかにも、アズキ、スイカ、キュウリなどがありますが、いずれも、下半身の水分代謝をよくします。

ハトムギの場合、上半身も含めて全身の水はけをよくするので、顔や首のイボにも大きな効果があるのです。
上半身を含め、全身の余分な水を出す食品はハトムギだけです。

ハトムギは、イボ取りだけでなく、シミを防ぐ美白効果もあるといわれており、近年、科学的にも研究されています。
昨年、九州大学農学研究院では、ハトムギの抽出物に、シミの原因になるメラニンの生成を抑える働きがあることを突き止めました。

私は、30年ほど発芽ハトムギ茶を飲み続けています。
おかげで、化粧はまったくしないのに、「シミやシワが少ない」、「肌が若々しい」とよく言われます。

それでも昨年、急に首に粟粒のようなプツプツした小さいイボがたくさん出てきました。
そこで、普段飲んでいる煮出すタイプのハトムギ茶よりも、効率よく成分が取れる顆粒のハトムギ茶を飲むようにしたところ、1ヵ月ほどでイボがきれいに消えていきました。

体内にできるイボ=ポリープの除去にも有効

ハトムギは、腎臓の負担を軽くして腎臓を元気にします。
ですから、漢方で腎がつかさどるとされる、骨や耳、髪などを健全に若々しく保つためにも力を発揮します。

また、体内にできるイボである「ポリープ」の改善にも役立ちます。
最近では、ハトムギに含まれるコイクセノライドという物質に、抗ガン作用があることもわかってきました。

ハトムギを最も手軽に取るには、ハトムギ茶を飲むとよいでしょう。
煮出すタイプなら、1〜2ℓの水で数分煮出すだけで香りのよいハトムギ茶ができます。

そのままでも、冷やして麦茶代わりにしてもおいしく飲めます。
脱穀した白いハトムギを煮ておかゆにしたり、白米や玄米に混ぜて炊いたりする方法もあります。

ハトムギを粉末状にしたものが、漢方薬局などで手軽に購入できます。
お湯で煮溶かし、好みの調味料を加えると手軽にハトムギスープができます。

注意が必要なのは、ハトムギには体をやや冷やす作用があるということです。
冷え症の人は取り過ぎないでください。

しかしその場合でも、ハトムギをショウガと一緒に取ると、この弱点をカバーできます。
最後になりますが、四方を海に囲まれた日本の風土は、湿度が高く、体内の余分な水分の発散が難しいのです。

そのため、日本人は男も女もむくんでいるといわれているそうです。
一方、欧米や中国などの大陸は、空気が乾燥していて、余分な水分は皮膚や呼吸器官から自然に放散されます。

そのため水分不足になりやすく、こまめな水分補給が必要になります。
しかし、皮膚からの発散が難しい日本人にとっては、余分な水分摂取は、腎臓に負担をかけることになるのではと、私は危惧しています。

無理に働かされる腎臓を助けることができるのが、ハトムギです。
ですから日本人は、通常ハトムギ茶を飲むよう心掛けることが大切なのです。

解説者のプロフィール

武鈴子
柳沢成人病研究所に勤務した経験から「食は薬なり」を実感し食養の研究に入る。86年薬膳の本拠地、中国四川省成都で薬膳を学ぶ。東洋医学を日中医薬研究会会長・渡辺武薬学博士に師事。日本の気候風土に合った薬膳を学ぶ。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
炭酸水で血流がアップするのなら、炭酸水で洗顔すれば、美肌づくりに役立つのでは。さらにその炭酸水を安く手作りできたなら、毎日気軽に使えてより美容効果が上がるはず、と考えました。重曹もクエン酸も食品添加物として使われるほど安全な成分でスーパーなどで安価に購入できます。【解説】寺井美佐栄(シロノクリニック池袋院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
日焼けはともかく、紫外線のダメージでシミやシワだらけの顔では、美容の仕事をするうえで説得力がなくなってしまいます。そこで、サーフィンを楽しむときに、レモンでビタミンCを補給していました。ビタミンCはとても抗酸化力が高いので、おかげでシミやシワに悩まされずに済んだのです。【体験談】竹脇友加(PRコーディネーター・46歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
足指が動くようになると、血流がよくなり、全身の冷えが改善します。体温が上がると代謝がアップして脂肪を燃焼する効果が高まり、太りにくくなります。いわゆる「ヤセ体質」になるというわけです。血流がよくなれば、むくみも解消し、肌のくすみ、シミ、シワなどの改善が期待できます。【解説】寺井美佐栄(シロノクリニック池袋院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
「セルフ経絡ヘッドケア」は、マッサージではなく、頭皮を引っ張って伸ばす、いわば頭皮ストレッチです。皮膚と筋肉は、短い時間ですが、刺激や動きを記憶します。毎日、ていねいに引き上げると、記憶の時間が長くなり、リフトアップした状態を維持できるようになります。【解説】谷口光利(日本ボディーケア学院学院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
ブロッコリーは、野菜の中でも栄養が飛び抜けて豊富で、多くの健康効果や美容、ダイエットにも効果を期待できる、まさに「野菜の王様」です。体にいい成分の宝庫であるブロッコリーを、積極的に食生活に取り入れない理由はありません。【解説】木村至信(秋山眼科医院耳鼻咽喉科部長、木村至信BANDリーダー)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル