MENU
【アドラー式お片付けとは】800世帯を救った片づけ術6ステップ

【アドラー式お片付けとは】800世帯を救った片づけ術6ステップ

自分にダメ出しする苦しい片づけは、もう卒業しませんか。アドラー式お片づけで最もたいせつなことは、「まずは自分が、自分自身の味方になる」ことです。片づけられなくてイライラしたり、自分はダメだと落ち込んだりしてしまうのは、決してあなたがダメな人だからではありません。【解説】丸山郁美(勇気づけホームオーガナイザー)

アドラー心理学で「片づける心」を手に入れる

「何をやっても片づかない」「片づいた部屋で暮らしたいけど、家族が散らかしてしまう」「忙しくて、片づけられない」「物が捨てられずにたまっていく」……そんなイライラを抱えるかたは多いと思います。
私自身も出産後、子育てが始まったとたんに、思うように部屋を片づけられなくなり、イライラしたり、物を散らかす家族を責めるようになったりして、苦しんでいました。

そのときひらめいたのが、里帰り中に知った「アドラー心理学」を、家の片づけに応用することでした。
アドラー心理学は日本でも近年、『嫌われる勇気』などのベストセラーで注目されていますが、20世紀初頭にオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが創始しました。

「勇気づけの心理学」とも呼ばれ、人に勇気(=困難を克服する活力)を与え、自分の意志で主体的に未来をつくっていくことをサポートする心理学です。
アドラーは、人は過去に何があろうと、今ここから自分が生きたい人生を生きられるのだと明言しました。

そして、「あらゆる悩みは、すべて対人関係の課題である」と見抜いたのです。
当時、私が抱えていた片づけの悩みも、ノウハウで解決できるものではなく、まさに家族と自分自身との対人関係が問題でした。

私は8年前から自宅での片づけにアドラー心理学を取り入れています。
そこからさらに改良や工夫を加えて、「アドラー式お片づけ(勇気づけのお片づけ)」として、一般のかたがたに広める活動をしています。

アドラー式お片づけで最もたいせつなことは、「まずは自分が、自分自身の味方になる」ことです。
片づけられなくてイライラしたり、自分はダメだと落ち込んだりしてしまうのは、決してあなたがダメな人だからではありません。

なぜなら、イライラや劣等感などの不快な感情は、理想の自分と現状の自分にギャップを感じ、「もっとよくなりたい」「もっとできるはず」と思うからこそ生じる感情だからです。
そう考えると、イライラする場所=片づけポイントとなります。

イライラは、気づきのサインです。
今まで抑えてきた自分の負の感情に対処することで、なりたい自分に向かった片づけができるのです。

片づける目的を持つことでやる気がわく

アドラー心理学によって片づけのマインドを変えたら、そこから心地よい部屋を作るための6つのベストステップに取り組みます。
各ステップの詳細は、下記画像を参照してください。

まず第1ステップは、「その部屋で何をしたいのか、イメージする」。
イライラの裏に隠れている「本当はどんなことをして過ごしたいか」という望みを具体的にイメージすることがポイント。

イメージしづらい場合は、すでにある「幸せを感じる時間」がどういう時かを思い出してみてください。
その幸せな時間を少しずつ長くしていくことが、あなたの片づけの目的になります。

第2ステップは「仲間分けして、整理する」。
ここでは、片づける場所に入っている物をすべて出し、用途ごとに「仲間分け」します。

いらない物は減らすわけですが、大事なのは「捨てる」を意識しすぎないこと。
物を手放すということは、悪者にして捨てることではなく、前向きな「卒業」です。

卒業するかどうかの判断基準は、自分にとって「快」か「不快」か。
どれだけ自分の感情に素直になれるかが肝心です。

たいせつだと判断した物については、潔く残してだいじょうぶです。
第3ステップは、「あなたの家の快適を1番に考えて、収納する」。

このときのコツは、既成のルールにとらわれず、使う場所に使う物を置くこと。
定位置を決めてから、収納グッズや家具を揃えます。

アドラー式片づけ術6つのステップ

キッチンにおもちゃを収納してもよい

ここまでのステップで、片づく部屋のシステム作りが完了します。
ここからは日常の活動となります。

第4ステップは「リセットタイムを設ける」。
整理した場所が散らかったら、もとの場所に戻すこと。

1日1回、時間を決めてやると楽です。
第5ステップは「ササッと掃除をする」。

私は毎朝1回の掃除を勧めていますが、夕方や夜でもいいですし、忙しい家庭なら毎週末にまとめて行ってもいいです。
日常生活でたいせつなのは、片づけと掃除のタイミングをつかむこと。

タイミングさえつかめれば「使ったらもとの場所に戻す」「掃除する」を繰り返すだけでOKです。
快適に過ごせるようになっても、物が増えたり、生活スタイルが変わったりすることがあります。

そこで、第6のステップ「見直し」をします。
「見直し」は、変わっていく家族や自分を受容して、よりよく変化していくための前向きな作業です。

例えば、写真の私のキッチンは、流し台の下に洋服のハンガーを収納しています。
その理由は、とてもシンプル。

私の家はキッチンからベランダがとても近いからです。
ここにハンガーがあると、洗濯物を干すときに便利なのです。

こうやって、第1〜6のステップを定期的にクルクルと回していくことで「自分にもできる!」と自信がつき、片づけが続けられるようになってきます。
アドラー式お片づけでは、完璧な片づけを目指す必要はありません。

自分にダメ出しする苦しい片づけは、もう卒業しませんか。
できていない部分より、できている部分に注目して、「毎日家事をよくやっているね」と自分自身に声をかけながら、定期的に無理なく6つのステップを回してみる。

このステップを踏むうちに、物が少ないほうが見直しが楽であることに気づくでしょう。
まずは、家の中で自分がいちばんイライラする場所から片づけてみてください。

あなたの感情は、どこまでもあなたの味方です。

次の記事では片付けスイッチをオンにする「アドラー式お片づけ練習帳」をご紹介します。

アドラー式お片付けBefore→After

解説者のプロフィール

丸山郁美
長野県出身。
東京都中野区在住。
家族は夫と娘2人。毎日笑顔でいられる気持ちよさと、家族を勇気づけるたいせつさを伝えるため、片づけのカウンセリングとサポートを行う「勇気づけホームオーガナイザー」として活動中。
講演やセミナーなども活発に行い、現在までに800世帯以上がきれいに片づいている。
近著に『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)がある。

●Twitter
https://twitter.com/jibunsuki_life

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連するキーワード
関連記事
私たちの体は、使わないと衰えていきます。例えば、運動せずにいると筋力が落ちていき、ついには立ったり歩いたりすることができなくなります。それは、脳も同じです。使わないでいると、頭はどんどんボケていきます。いちばんいいのは、あっと驚く物を見ることです。【解説】武田邦彦(中部大学特任教授・工学博士) 
更新: 2019-09-10 22:10:00
私がB型肝炎を発症したのは、27歳のとき、初ミュージカルの稽古中でした。病気そのものもそうですが、病名を知らない間に報道されて、当時はまだ肝炎という病気に対したくさんの誤解があったため、偏見に直面することになったのです。【体験談】石川ひとみ(歌手)
更新: 2019-09-10 22:10:00
孤独力を身につけることは、家族や友人に頼り切らずに、周りの人たちと適度に交わりながら、充実した人生を送る秘訣だと思います。そのためにも、自分にとってほんとうにたいせつな物事を取捨選択する「人生の片づけ」が必要なのです。【解説】弘兼憲史(漫画家)
更新: 2019-09-10 22:10:00
仕事や子育てをリタイアしたあとは、エンディングに向けて準備する時期だと思います。では、どんな準備が必要で、リタイア後はどんな生きかたがいいのか。 私が出した結論は、60歳からは「手ぶら人生」で行こう、です。【解説】弘兼憲史(漫画家)
更新: 2019-09-10 22:10:00
テレビで話題の“時短家事”の専門家が直伝!「勝手に片づく家」を作る3つの秘策!家事効率がよくなると、「めんどうな家事」も、気軽に、気楽に、ごく短時間で取り組める「楽しい家事」に変わります。【解説】本間朝子(知的家事プロデューサー)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル