爪もみで皮膚に血を流せばシミやシワも解消
一見、違うように思われがちですが、「病気」と「肌のトラブル」は原因も療法も同じです。
病気は主にストレス、疲労などが原因で起きます。
一方で、シミ・シワ、くすみ、吹き出物、乾燥肌、肌荒れといった肌トラブルも、これらが主な原因です。
ストレスや疲労がいつまでも続くと、交感神経(※体を活発にさせるときに働く神経。動脈の太さを調節する作用もある)が緊張しすぎて自律神経(※自分の意思とは関係なく、体の機能を維持・調節する神経。交感神経と副交換神経がある)のバランスを崩すのです。
交感神経が緊張すると体全体が緊張し、血液を体の中心にギュッと集めてしまいます。
そうなると皮膚まで質のよい血液が届かなくなって、皮膚の働きも落ち、肌に障害が生じるというわけです。
美肌作りには、交感神経の緊張を緩めて、体の中心に集まった血液を皮膚に向けて運ぶことが、最も重要なのです。
それを自分でできる方法が「爪もみ」です。
シミ・シワ・肌の老化に効く「爪もみ」のやり方


爪もみとは
爪もみは、爪のつけ根の両脇を刺激することで、病気や不調を改善する療法です。
実は、爪のつけ根には神経の線維や、血流に関わる毛細血管が集中しています。
ここをピンポイントで刺激すると交感神経の緊張が緩み、毛細血管の働きも活性化して血流がよくなるのです。
東洋医学では爪のつけ根に、「井穴」という効き目の強いツボがあります。
爪もみで井穴を刺激すると、気や血の通り道である「経絡」の流れもよくなり、体の中心に集まった気や血が外側に向かってフワッ、フワッと広がり、全身を巡り始め、皮膚に潤いや栄養を与えます。
また、爪もみで交感神経の緊張が緩むと副交感神経(※体がリラックスしているときに働く神経。
主な内臓機能を活発にする作用もある)が優位になり、肌をさびつかせる「活性酸素」が体内にたまりにくくなるだけではなく、活性酸素自体を排泄する解毒力も高まります。
加えて、副交感神経が働くことにより、免疫力も高まり、血液の質そのものが上がっていきます。
この血液の状態がはっきりと肌に現れてくるのです。
そのため、爪もみを習慣にすると、肌のたるみやくすみ、シミやシワといった肌の老化を食い止めることにつながります。
爪もみの美肌効果を最大限に生かすコツ
爪もみの美肌効果を最大限に生かすためには、肌の解毒作用が活発になる時間帯の、就寝前に行うことをお勧めします。
お風呂に入りながらやってもいいでしょう。
この時間帯にしっかり体を交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態に戻すことで、体がリセットされ、肌の生まれ変わり効果が期待できます。
爪もみでは、爪のつけ根を反対側の指ではさんで、グーッと押すようにもみます。
つまんでいる2本の指を小刻みに揺らしながらもむと、刺激がツボに入りやすいです。
爪先などで痛いくらいギューッともむのは、刺激が強すぎるので避けてください。
やりすぎも禁物で、1カ所につき、20秒ずつもむことを目安にしてください。
10本の指すべてをもんで1セットとして、就寝前に2~3セットもやればじゅうぶんです。
肌に潤いが出て5、6歳若返った!
治療院の患者さんたちにも、爪もみを勧めています。
始めるとほとんどの患者さんの血色がよくなり、次第に患者さんたちの肌や髪に潤いやハリが出てくるのが分かります。
60歳の女性の患者さんも、爪もみを始めてから肌に潤いが増してシミやくすみが解消。
今では、見た目で5、6歳は若返りました。
最近では、日本を代表する美人女優の中谷美紀さんが爪もみをしていることをテレビ番組で公表し、話題になっています。
皆さんも、美肌効果抜群の爪もみを始めてみてはいかがでしょうか。
解説者のプロフィール

鳴海理恵
気血免疫療法会VE&BI治療院院長。「自律神経免疫療法」を確立した医師・福田稔氏の長女であり、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師、食事療法研究家。東京・目白にあるVE&BI治療院にて、生活指導、鍼灸、マッサージ、気血免疫療法を組み合わせた治療を行う。著書に『効く!爪もみ』(河出書房新社)。
●気血免疫療法会VE&BI治療院
東京都豊島区目白3-14-18 ヒカリハイツ3F
TEL 03-3953-1337
http://vebia.net/