MENU
【足がくさくて悩む】においの原因は3つ!自分でできるセルフケア

【足がくさくて悩む】においの原因は3つ!自分でできるセルフケア

気温や湿度が高くなるこれからの季節。足の臭いの相談が多くなります。足のにおいを解消するには、日常、足のケアを続けることが何よりも重要です。足の臭いの原因は、主に、汗と角質の雑菌、靴・靴下です。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科部長、東京医科歯科大学皮膚科フットケア外来)

解説者のプロフィール

高山かおる(たかやま・かおる)

済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学附属病院臨床准教授。
1995年、山形大学医学部卒。
日本の大学病院では稀有な皮膚科のフットケア外来を開局する。
難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪、タコ、ウオノメなどの疾患を抱える患者に対して、トラブルの根治を目指した、原因の追及、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。
フットケア師によるフットケア、オーダーメイドのインソール作製などによる免荷療法など、それぞれの専門家と連携を取りながらの保存的治療も積極的に導入している。
専門は、接触性皮膚炎、フットケア、美容。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。

【今回の悩み】足がくさい

足のにおいに困っています。友人宅にお邪魔するときなど、靴を脱がないといけないときにはにおいが気になりゆううつです。30代の娘も同じことで悩んでいます。(60代女性)

足のにおいの原因は三つ

気温や湿度が高くなる季節は足のにおいの相談が多くなります。

足のにおいの原因は、次の三つが考えられます。

●汗
足の裏には汗腺が集中しており、1日に約コップ1杯分の汗をかくといわれます。
足の汗そのものには、においの原因となる物質は含まれていません。
ところが、汗をかいて足が蒸れると、足にすみついている皮膚常在菌(以下、雑菌)が増殖しやすくなります。
この雑菌が汗で分解される際に生じる老廃物が、においの原因になります。


●角質
かかとや足裏のタコなど、角質(皮膚の最も外側の部分)が厚くなりやすい場所も、雑菌の温床になります。
厚く、荒れた角質の中に雑菌がひそんで繁殖し、その後雑菌が汗で分解されてにおいを発生させます。


●靴・靴下
長時間、靴や靴下で覆われている足は、そもそも蒸れやすい場所です。
足に合わない靴を履くと、足裏は強くすれ、また指は圧迫されることで汗をかきやすくなります。

合皮やビニールの靴を履いたり、ストッキングなど吸湿性の低いものを履いたりすると、汗が蒸発しにくくなり、なおさら足が蒸れます。
高温多湿の靴の中では、角質がふやけてはがれやすくなります。
汗が角質内で増えた雑菌をどんどん分解することで、靴を脱いだときに、あのモワッとした特有のにおいがするのです。


ご相談を拝見しますと、娘さんの年代だと、暑い季節はミュール(サンダル)を履くことが多いかと思います。
ミュールでかかとがすれたり、つま先をしめつけたりしていることが、においの一因になっていると思われます。

裸足でサンダルを履いているのにどうしてにおうの?と思われる人も多いのですが、先のとがったミュールを履いていると、指と指がくっついて、想像以上に汗をかきます。

一方、お母様の場合ですが、足が冷えていませんか?
また、ストッキングを履いてサンダルを履くようなことはないでしょうか。

冷え、すなわち足の血流が悪くなっていると、皮膚の新陳代謝が低下し角質が分厚くガサガサになります。
ひびが割れた角質には、雑菌が定着しやすくなります。
ストッキングを履くことで足が蒸れ、角質がこすれアカが落ちる影響で雑菌が増え、足がにおいやすくなります。

歯ブラシを使って爪周りを優しく洗う

足のにおいを解消するには、日常、足のケアを続けることが何よりも重要です。
以下にポイントを挙げておきましょう。

①足をきれいに洗う
足を清潔に保つことは、におい対策の基本です。
足を洗っているのににおう、という人もいるかもしれませんが、足の指の間や、爪の中まできちんと洗っていますか?
抗菌性のある石けんで、足の指の間、足裏をきれいに洗いましょう。

爪の周辺は、足用に毛先が細く柔らかい歯ブラシを用意してください。
ブラシの先で爪の溝や爪の周囲を優しく洗います。

使い古しの歯ブラシは、毛先が広がり爪の溝に入らないので、NGです。
足を二の次にせず、専用の新しいブラシを用意して、丁寧にケアしましょう。


②しっかりと保湿する
角質を保湿して柔らかくしておくと、表面に傷がつきにくくなり、雑菌もすみにくくなってにおいのもとを防ぎます。
保湿剤はクリーム、オイルどちらでも構いません。
自分の好きなものを使いましょう。

なお、軽石でかかとをごしごしこすると、角質が毛羽立ってかかとの皮膚が荒れる原因になります。
ガサガサの角質はにおいの原因になりますが、無理に角質をこそげ落として傷をつけないよう気を付けましょう。


③蒸れにくい靴や中敷を選ぶ
合皮がすべて悪いわけではありませんが、足の蒸れを防ぐには、本革が望ましいといえます。
吸湿性の高い中敷きを使用すると、蒸れ予防になります。


④吸湿性のいい靴下を選ぶ
吸湿性のいい靴下を履くことも、においの発生を防ぎます。
素材は、綿、シルク、麻、レーヨンのほか、ポリエステルでも吸湿性を高める特殊加工が施してあればいいでしょう。
五本指の靴下もお勧めです。


⑤制汗剤を使う
足裏に汗をたくさんかく人は、ミョウバン(塩化アルミニウム)が配合された制汗剤を足に塗るのもお勧めです。
角質が炎症を起こしてぼろぼろむける、上記に記したセルフケアを行ってもにおいがおさまらないという場合は、皮膚科を受診しましょう。

自宅での足ケアのコツ

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
頭皮や髪の毛が臭くなるのは、洗い足りないからではありません。私のクリニックには「こまめに洗髪しているのに頭が臭い、におう」という患者さんが多く来院します。そうした患者さんに勧めているのが「塩洗髪」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)
更新: 2020-01-14 10:00:25
それまでは、市販の制汗剤をいくつか使ってきましたが、ニオイにニオイを重ねているようで、満足するものに出合えませんでした。外出時のバッグの中にも、歯ブラシセットとともに、焼ミョウバンの小瓶を忍ばせています。これは20年間変わらぬ、お守りのようなものです。【体験談】『ゆほびか』編集部M(52歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
わが家の子どもたちは、3人とも、部活動はスポーツをしています。運動部で、特に男の子だと思春期にはニキビが出がちですが、うちの子どもたちはニキビとは無縁でした。ミョウバン水は無臭で肌にもやさしく、しかも安く手作りできるので、これからも愛用していきます。【体験談】石川淑子(仮名・パート勤務・53歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
においを気に病んで消極的になると、もっとにおいが強くなってしまいます。本来、体臭は一つの個性。完全に体臭を消そうとする必要はありません。今の自分に合った、正しいにおい対策を心がけてください。体臭を抑えるために、多くの人にお勧めしているのが「ミョウバン水」です。【解説】五味常明(五味クリニック院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
今までバストと同じくらいの幅だったおなかが引っ込んだおかげで、ボディーラインにメリハリがつきました。あるとき美容院で襟足をカットする際に下を向いたら、あごのお肉がなくなっていることに気づきました。小顔になったせいか、いつもつけていた口紅も以前よりキレイに見えます。【体験談】黒川令(仮名・主婦・68歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル