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【膝痛が改善】弱り、かたくなった筋肉を刺激する「お尻トントン」

【膝痛が改善】弱り、かたくなった筋肉を刺激する「お尻トントン」

ひざ痛を改善しようとする際、大きな障害になるのは、リハビリや運動ができないことです。ひざが痛いときは誰でも動かすのは嫌でしょう。しかし大事をとるうちに、ひざを守る筋力がどんどん落ちていきます。すると、ますますひざ痛が治りにくくなるという悪循環に陥るのです。【解説】田宮高彦(鍼灸師・整体師)

解説者のプロフィール

田宮高彦
1960年、東京生まれ。鍼灸師。整体師。2001年から治療院に勤務し、これまでの治療実績は延べ2万人以上を数える。
2012年からは、中学校の体操部へのボランティア治療に取り組む。2017年、「お尻トントン」を考案。広めるために「自分でひざ痛を治す勉強会」を毎月葛飾区で開催している。

痛いから安静にするのは逆効果!

 私が考案した「お尻トントン」は、ひざ痛を改善する健康法です。地域の皆さんのために開いた勉強会でご紹介し、非常に好評を得ています。

 ひざ痛を改善しようとする際、大きな障害になるのは、リハビリや運動ができないことです。ひざに痛みを感じているとき、誰でも動かすのは嫌でしょう。
 しかし、「痛いから安静にしておこう」と大事をとるうちに、ひざを守る筋力がどんどん落ちていきます。すると、ますますひざ痛が治りにくくなるという悪循環に陥るのです。特に、高齢者の場合、ひざがズキッとすると、その痛みが恐怖心を引き起こすものです。痛みを恐れて「もういい」と動かさなくなってしまいがちです。

 そこで役立つのがお尻トントンです。お尻をたたくだけなので、ひざに痛みがあっても実行できます。
 このお尻トントンは、即効性があることもメリットです。その効果は一時的なものですが、痛みをその場で軽減できます。

なぜ、ひざ痛を緩和させるためにお尻をたたくのか

 では、なぜ、ひざ痛を緩和させるためにお尻をたたくのでしょうか。

 ひざ痛に悩むかたには、お尻の筋肉に異常が見られるという共通点があります。お尻の筋肉がかたくこわばっているか、非常に弱くなっているのです。前者は中高年のかた、後者は高齢者のかたに多く見られる傾向です。
 いずれにしても、お尻の筋肉とひざ痛の間には、密接な関連があります。お尻の筋肉は、歩いているときやしゃがみ込むときに、ひざ関節を正しい位置に保つことを助け、ひざ関節を守っています。

 ところが、加齢によってお尻の筋肉が弱ってきたり、運動不足や歩き方のクセによって、お尻の筋肉がかたくなると、ひざ関節を正しい位置に保てずに大きな負荷がかかります。それが、ひざの痛みや違和感の原因となるのです。

 お尻トントンは、この弱ったりかたくなったりしたお尻の筋肉をたたいて本来の機能を回復させて、ひざ痛を解消する方法です。それでは、やり方を説明しましょう。

「お尻トントン」のやり方

❶両足を肩幅に開いて立ちます。
❷手でこぶしを作り、まんべんなくお尻をたたきます。特に、ひざが痛む側のお尻は念入りにたたきましょう。これをおよそ30秒間くらい行います。
❸これを1セットとして、朝晩1セットずつ(できれば朝昼晩の計3セット)実行します。


 また、お尻トントンをやったとき、違和感があったり痛みを感じたりする場所があれば、そこを少し強めに20回ほどたたくとさらに効果的です。

お尻の筋肉を目覚めさせよ!

 お尻トントンを行うと、一時的にひざの痛みが和らぎます。もちろん、1回だけで痛みが消えるわけではありません。

 そもそも、筋肉が弱ったりかたくなったりするのは、ふだんから使わないでいた結果です。すると、筋肉自体が、どう動けばよいのか忘れてしまい、本来の機能を果たせなくなるのです。ひざに関していえば、お尻の筋肉がどう動けば、ひざ関節を正しい位置に保ち、ひざを守れるのかわからなくなっている状態です。

 そこで、お尻をたたき刺激を与えて、「筋肉を目覚めさせる」ことが重要になります。お尻トントンで、お尻の筋肉が活性化してきちんと使えるようになれば、ひざにかかる負担が減ります。その結果、ひざの痛みは軽く楽になっていくでしょう。

 もちろん、ひざ軟骨の変形が進行している場合は、その変形を回復させることは難しいでしょう。ただ、私の経験からいえば、ひざ痛に悩むかたの約8割には、このお尻トントンが効果を発揮しています。

 ともあれ、お尻トントンはとても簡単で、いつでもどこでもどなたにでも行うことができます。ひざ痛でお悩みのかたは、ぜひ試してみてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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