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【ひざ痛】「ひざのお皿」が動かせなくて起こっている?対策は「太ももほぐし」

【ひざ痛】「ひざのお皿」が動かせなくて起こっている?対策は「太ももほぐし」

ひざ痛を引き起こすかたの特徴の一つに、太ももの前面の筋肉がかたくなっている点があります。大腿四頭筋がかたくこわばる→ひざのお皿がスムーズに動かなくなる→ひざに負担がかかって軟骨をすり減らす→痛みや違和感を生む、となるわけです。【解説】八木愛子(からだ快善協会理事長・鍼灸指圧師・柔道整復師)

ひざ痛の人は太ももの筋肉がかたい!

 ひざ痛を引き起こすかたの特徴の一つに、太ももの前面の筋肉がかたくなっている点があります。
 太ももの前面にあるのは、大腿四頭筋という長くて太い筋肉です。この筋肉は骨盤から始まり、太ももの骨(大腿骨)を覆うように伸びて、ひざのお皿を包み込む靭帯につながり、すねの骨(脛骨)に付着しています。

 ひざ痛に悩む人の大腿四頭筋が、かたくなる理由についてお話しする前に、ひざのお皿の役割についてふれておきましょう。

 ひざのお皿は、膝蓋骨といいます。その名のとおり、お皿が蓋をして、ひざを守っています。これが一つめの役割です。
 
 二つめが、運動時のサポートです。大腿四頭筋は、主に立ち上がる動作で使われます。また、階段を下りるときなども、大腿部が落ちてしまわないよう大腿四頭筋が緊張します。
 こうした動きをするとき、ひざのお皿は、いわば滑車のような役割を果たしています。ひざのお皿が、滑車のように上下に動くことで、太ももの力がうまく伝わり、ひざの曲げ伸ばしがスムーズにできるのです。
 お皿があることにより、ひざの曲げ伸ばしのときに大腿四頭筋にかかる負担は、3割から5割軽減されると考えられています。もちろん、ひざ関節に対する負担も軽減します。
 
 ひざ痛に悩む人は、大腿四頭筋がかたくなっているといいました。大腿四頭筋がかたくこわばる→ひざのお皿がスムーズに動かなくなる→ひざに負担がかかって軟骨をすり減らす→痛みや違和感を生む、となるわけです。

 ひざ痛を起こさないようにするためには、お皿がスムーズに動けるように大腿四頭筋をほぐせばいいのです。私がお勧めする方法は、「太ももほぐし」です。やり方をご説明しましょう。

太ももほぐしのやり方

❶タオル1枚を準備して、ボール状になるようにしばります。
❷丸めたタオルのボールをイスの上に置きます。ひざの裏から10cmくらい離れた太ももの裏に当たるように、位置を調整しながらその上に座ります。
❸手のひらのつけ根を太ももの前面(タオルを当てた真上より少し手前)に当て、そこからひざのお皿に向かって、もみほぐすようにゆっくりこすっていきます。


 左右の太ももで20回ずつ刺激して、1セットとします。朝晩1セットずつ行うといいでしょう。

 太ももの筋肉に触れると、かたくなっているところがあります。そこがわかったら、重点的に押すとよいでしょう。ただし、痛みが出るほど刺激しないよう注意してください。

 この太ももほぐしは、イスに座って手軽に行うことができます。折を見て行うといいでしょう。

ひざ痛解消の特効ツボを効率よく刺激できる!

 東洋医学的には、太ももほぐしをすると、「梁丘」「陰市」「血海」といったツボがあるゾーンを刺激することができます。太ももが緊張したとき、このゾーンに、特にこわばりが現れやすくなります。
 この三つのツボは、ひざ痛の症状を軽減するのに役立つ特効ツボです。太ももほぐしをしていれば、これらのツボがあるゾーンを刺激できるので、この点でもひざ痛の解消につながるといえます。

 さて、「50歳を過ぎてから、ひざが痛んでスムーズに立ち上がったり歩いたりできなくなった」というかたが増えています。こうしたひざ痛の原因の多くは、ひざ関節の軟骨の磨耗によるものです。
 軟骨がすり減って激しい痛みが生じる以前に、ひざに軽い痛みや違和感が生じます。そうしたケースでは、今回お話ししたような大腿四頭筋のこわばりが、必ずといってよいほど見られます。

 一度減ってしまった軟骨を復活させることは難しいものです。しかし、これ以上軟骨がすり減ることを防ぐために、そして、健康なひざを末長く使うためにも、大腿四頭筋のこわばりをほぐして、日ごろからひざ関節への負担を緩和させておくことが重要です。

 なにより、太ももほぐしは継続が肝心です。三日坊主にならずに、根気よく続けていただければ、効果は着実に現れるはずです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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