80歳の変形性股関節症も治った!「貧乏ゆすり」を続けたら痛みが消失
整形外科の診断では、レントゲン写真が重視されます。
変形性股関節症の場合、症状が進むにつれて軟骨がすり減り、股関節のすき間が少しずつ狭くなっていくので、それにより、ごく初期(前関節症期)、初期、進行期、末期を判定します。
したがって、改善するときも、患者さんの痛みの増減ではなく、股関節のすき間の開大をレントゲン写真で示すことが、効果の証明になります。
貧乏ゆすりを変形性股関節症の保存療法に取り入れた場合、そうした関節の変化を、レントゲン写真ではっきりと確認することができます。
ここでは、そんな症例をいくつかご紹介しましょう。
◉症例1
K・Kさん(77歳より貧乏ゆすり開始・当時80歳・女性)
K・Kさんは、左股関節が末期の関節症で、人工股関節に置き換える手術を勧められていました。しかし、呼吸器に問題があり、麻酔科からリスクがあると説明を受け、手術を取りやめる決断をしました。
そこで、貧乏ゆすりをやるように勧めたところ、熱心に取り組み、間もなく痛みが消失したといいます。8ヵ月後のレントゲン写真では、関節のすき間があく兆候がみられました。
開始から2年11ヵ月後、K・Kさんの股関節は、自分で行う貧乏ゆすりだけで、ほぼ正常の機能を取り戻すことができました。
杖をつかずに来院されたK・Kさんが、「先生、貧乏ゆすりが癖になりました」と笑顔で話された言葉が忘れられません。約3年かかりましたが、80歳でもこれだけ軟骨を作る力があることをみごとに証明し、多くの整形外科医が「本当ですか?」と目を見張る症例です。
人工股関節の手術を 回避できた!
◉症例2
T・Tさん(62歳より貧乏ゆすり開始・現在70歳・女性)
T・Tさんは57歳のとき、突然左足が上がらなくなり、整形外科を受診しました。二つの病院から変形性股関節症と診断され、人工股関節の手術を勧められたといいます。
しかし、年齢的に再手術の可能性があり、手術を受けることには抵抗がありました。
そこで、医師に勧められた水中歩行に励んだものの、逆に痛みが強まり、簡単に痛み止めを処方されたことに不信感が募ったそうです。
60歳で当院を訪れたときには、すでに関節のすき間が消失し、大腿骨頭(太ももの骨の先端の丸い部分)の中央部には、小さな穴も見つかりました。
T・Tさんには、関節に負担のかかる水中歩行と筋トレをやめてもらい、室内でも杖を使うように指導し、62歳から貧乏ゆすりも勧めました。
最初は「貧乏ゆすりですか?」と驚いていましたが、続けるうちに痛みがらくになったそうです。
やがて徐々に関節の開大がみられ、3年後のレントゲン写真では、股関節のすき間がきれいにあいているのが確認できました。痛みが消え、もちろん人工股関節手術も必要なくなりました。
また、T・Tさんは官足法という足もみも日常的に実践しており、その相乗効果もあって、こんなによくなったのではないか、と話しています。
診察時、「貧乏ゆすりはあまりやっていない」と話していましたが、付き添いのご主人が「ウソつけ、おまえはしょっちゅう足を動かしとるぞ」とひと言。
効果の出る人は、T・Tさんのように、本人も自覚されていないほど、貧乏ゆすりが癖になっていることが多いようです。
せっかく手術をせずに済んだので、これからも貧乏ゆすりを癖にして、自分の関節を一生持たせてほしいと思います。

人工股関節を勧められたが、股関節痛を自力で完治させた
◉症例3
M・Iさん(53歳より貧乏ゆすり開始・現在55歳・女性)
病院嫌いのM・Iさんは、5年ほど前から右の股関節が悪く、整体やマッサージなどでも改善がみられなかったため、ついに整形外科を受診。複数の病院で、人工股関節にする手術を勧められました。
まだ若く、再手術のリスクが高いため、なんとしてでも手術を回避したいと思ったM・Iさんは、インターネットで当院を知り、53歳のときに「わらをもすがる思いで」来院されました。
痛みは2〜3ヵ月の短い間で悪化し、初診時は右ひざ、左足首、腰にも強い痛みがあり、ほぼ寝たきりの状態。トイレも這っていくほどだったといいます。
貧乏ゆすり専用の器械を購入され、器械が届くまでの3週間は自力で、届いてからは1回10分、1日合計2時間以上、貧乏ゆすりを続けました。
すると、2〜3ヵ月で痛みが消失。同時に、尾骨あたりがポキポキと動き出すような感覚があり、それまで、一歩も歩けなかったのに、足に力を入れ、立てるようになりました。貧乏ゆすりの器械の振動は全身に影響し、非常にイタ気持ちよかったそうです。
貧乏ゆすりを始めて3ヵ月後には、痛みなく杖をついてらくに歩けるようになり、半年後、2度目の受診では、軟骨が再生して、関節のすき間があいているのが確認されました。
1年後、3回目の受診では、杖なしで階段の上り下りもできるようになり、今では、電車やバスに乗り遅れそうになると、つい走って追いかけてしまうこともあるほど回復されています。
「薬も飲まず、通院もせず、貧乏ゆすりだけでこんなによくなるなんて。もっとたくさんの人に、このことを知ってほしい」と、M・Iさんは言います。これは、貧乏ゆすり専用の器械の利用により、短期間で完治に至った最近の症例です。
賛同する医師が増え、全国規模の「ジグリング(貧乏ゆすり)研究会」が発足
ここでは、手術をせずとも、貧乏ゆすりで痛みが消え、正常な股関節の機能を取り戻した例を取り上げました。
しかし、自骨の関節温存手術後、関節のすき間があかなかった患者さんが、貧乏ゆすりで軟骨が再生し、すき間があいた例なら、さらに多くの症例を挙げることができます。
ふとした発見から始まった貧乏ゆすり療法ですが、今では賛同する医師も増え、この秋、全国規模の「ジグリング(貧乏ゆすり)研究会」が発足する予定です。
貧乏ゆすりはお金もかからず、副作用もなく、どなたでも簡単にできる温存療法です。
今後、たくさんの症例を集めて学会に提出し、いずれは、貧乏ゆすりが、変形性股関節症の標準治療の一翼を担うことを願っています。
癖になるまで継続するのが効果の秘訣!