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【猫背が楽な理由】楽な姿勢なら、そのほうが体に良いのでは?

【猫背が楽な理由】楽な姿勢なら、そのほうが体に良いのでは?

良い姿勢より、ネコ背でいるほうがらくに感じます。こういう場合、リラックスすることが大切なら、ネコ背のほうが体への負担が少ないのではありませんか。【回答】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)

ネコ背がらくなら、そのほうが体への負担が少ないのでは?

良い姿勢より、ネコ背でいるほうがらくに感じます。こういう場合、リラックスすることが大切なら、ネコ背のほうが体への負担が少ないのではありませんか。

【回答】自分がらくに感じるのと、首・肩への負担は違います

 確かに、ネコ背やだらしないかっこうを、私たちの脳はらくだと感じます。

 しかし、われわれが感じる「らくさ」と、首や肩への負担の度合いは比例しません。ふだん、五キロもある頭の重さを意識することはありません。われわれの意識が鈍感なだけで、首や肩は、かなりの重さに耐えてがんばっているのです。

 このことを簡単に調べる方法を紹介しましょう。できれば、二人で行うとよりわかりやすいのですが、まずは一人でやる方法を述べます。

 最初に、首にやさしい座り姿勢をとってみます。背すじを伸ばしたあとで、背もたれに自然に寄りかかる姿勢です。
 このとき、右手を左肩に(もしくは左手を右肩に)当てて首のつけ根や肩の軟らかさを確かめてください。手を当てるときは、できるだけ肩を後ろに引いたまま、自然に当ててください。

 次に、首を前に出したネコ背の姿勢をとり、同じように首や肩の軟らかさを確かめます。どうでしょうか。ネコ背のほうが、首・肩がはるかに硬くなることがわかるでしょう。これが首の「張力」で、頸椎を痛める元凶といってもよいものです(ただし、こりのひどい人では、もともと硬いのでわかりにくいかもしれません)。

 二人で行う場合は、座った人の後ろにもう一人が立ち、両肩にそれぞれ両手を当てます。そして同じように、よい座り姿勢と、ネコ背の姿勢をとり、肩・首の軟らかさを比較してください。

 ネコ背などの悪い姿勢に慣れていると、背骨や筋肉が悪い形で固まっているため、初めのうちはよい姿勢がきつく感じたり、つらく感じたりする場合もあります。しかし、気がつくたびによい姿勢に戻し、できるだけ保つように心がけていると、だんだんよい姿勢をらくに保てるようになり、やがてよい姿勢がらくだと感じるようになります。

「見せかけのらくさ」でネコ背を続けていると、やがて首・肩は悲鳴をあげ始めます。そうなる前に、ぜひ、首・肩にやさしい姿勢を心がけてください。そのほうが、見た目も美しく、若く見えるものです。

解説者のプロフィール

竹谷内康修
 竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長。整形外科医・カイロプラクター。東京都生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。3年間整形外科診療を行う。その後、米国ナショナル健康科学大学へ留学し、カイロプラクティックを学ぶ。同大学を首席で卒業後、都内にカイロプラクティックを主体とした手技療法専門のクリニックを開設。腰痛、腰部脊柱管狭窄症、肩こり、頭痛、首の痛み、関節痛などの治療に取り組む。
●竹谷内医院
東京都中央区日本橋3-1-4日本橋さくらビル8階
TEL 03-5876-5987
http://takeyachi-chiro.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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