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首の痛みが改善する【椅子の座り方】首や腰が疲れない方法を紹介

首の痛みが改善する【椅子の座り方】首や腰が疲れない方法を紹介

首の痛みを招く生活習慣は人それぞれですが、なかでも最も多いのが「イスの座り姿勢」が悪いパターンです。頭が前に出て背中が丸まったネコ背の姿勢は、首に大きな負担をかけます。そこで、まずは首にやさしいイスの座り姿勢について述べましょう。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)

五つのステップで首にやさしい座り方を

 首の痛みを招いている生活習慣は人それぞれですが、なかでも最も多いのが「イスの座り姿勢」が悪いパターンです。

 頭が前に出て背中が丸まったネコ背の姿勢は、首に大きな負担をかけます。首を痛める人の大部分は、こうした座り方を長い時間しています。そこで、まずは首にやさしいイスの座り姿勢について述べましょう。

 実際に首にやさしいイスの座り方をするには、首を傷めにくいイス、あるいはそのように補正したイスを使ったうえで、座り姿勢をよくするという二段階の対策が必要です。
 その第一段階であるイスの選び方や補正法は後述するとして、ここでは座り姿勢をよくする五つのステップを紹介します。

【首にやさしい座り姿勢のつくり方】

 いままであなたがしていたネコ背などの悪い姿勢をとってから、以下の五つのステップをやってみてください。首にやさしい姿勢に変えるコツが、よりつかみやすくなるでしょう。

❶骨盤を起こす
 骨盤を垂直に立てます。これだけでも六〜七割よい姿勢になります。

❷背中を伸ばす
 肩甲骨の下端あたりの背骨を意識しながら、丸まった背中を伸ばし、胸を張ります。

❸肩を引く
 肩を軽く後ろに引きます。

❹頭を引く
 頭を心持ち後ろに引きます。あごを軽く引くだけでもかまいません。

❺背もたれに寄りかかる

 ①〜④で正しい姿勢になりますが、それだけではすぐに疲れて悪い姿勢に戻るので、背もたれにしっかりと寄りかかります。
 以上が、私が考案した最も首にやさしいイスの座り姿勢です。

 このステップの⑤は、たいへん重要です。しっかり力を抜いて正しい姿勢を保つことが、頸椎症の解消につながるからです。

「よい座り姿勢」といったときに、よくある勘違いとして、背もたれを使わず、背すじをピンと伸ばした座り方をする人が多く見られます。本などでも、これを「よい姿勢」として紹介しているものがあります。

 確かにフォーマルな場では、イスに浅く腰かけ、背もたれを使わずに背すじを伸ばした姿勢がよいとされています。しかし、この姿勢は、見た目は美しいのですが、筋肉を緊張させて背骨を支えることになります。つまり、首から腰にかけて、筋肉の張力が増すので、肩こりや頸椎症の原因を自分でつくり出していることになります。また、短時間ならできても、時間が立つとくずれやすいのも難点です。

 首をいたわるには、ぜひ背もたれを活用したよい姿勢を、右の五つのステップでつくるようにしてください。
 一見、めんどうに思えるかもしれませんが、「骨盤→背中→肩→頭→背もたれ」と、土台となる骨盤から一つずつ整えて、最後に背もたれで仕上げるステップになっていますから、一度覚えれば簡単にできます。最初のうちだけ意識すれば、意外と早く定着させることができますので、ぜひやってみてください。

解説者のプロフィール

竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)
竹谷内医院院長。
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒後、福島県立医科大学整形外科学講座へ入局。
福島県立医大附属病院等で整形外科診療に携わった後、米国へ留学。
ナショナル健康科学大学を卒業し、Doctor of Chiropracticの称号を取得。
2007年、東京駅の近くにカイロプラクティックの専門クリニックを開設。
腰痛、肩こり、頭痛、関節痛、手足のしびれなどの治療に取り組む。
日本整形外科学会会員、日本カイロプラクターズ協会(JAC)会員、日本統合医療学会(IMJ)会員。

●竹谷内医院
東京都中央区日本橋3-1-4日本橋さくらビル8階
TEL 03-5876-5987
http://takeyachi-chiro.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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