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【頚椎症性脊髄症の症状】腕や手の痛みやしびれ、足のもつれや頻尿が起こる重症

【頚椎症性脊髄症の症状】腕や手の痛みやしびれ、足のもつれや頻尿が起こる重症

ここでは、椎間板が飛び出て頸椎症性神経根症と同じ症状を起こす頸椎椎間板ヘルニアを「頸椎椎間板ヘルニアの神経根症タイプ」、椎間板が飛び出て頸椎症性脊髄症と同じ症状を起こす頸椎椎間板ヘルニアを、「頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症タイプ」と呼ぶことにします。【解説】竹谷内康修(竹谷内医院カイロプラクティックセンター院長)

進行して真ん中の脊髄が圧迫されると……

頸椎症性脊髄症とは

 頸椎症スペクトラムの最後の段階、つまり第四段階では、「頸椎症性脊髄症」などが起こってきます。

前項にあげた頸椎症性神経根症は、頸椎症によって、頸椎の左右後方から出ている神経のつけ根が圧迫されて起こるものでした。

それに対して頸椎症性脊髄症は、頸椎の真ん中を通っている脊髄が圧迫されて起こるものです。
頸椎の変形やトゲ、靱帯の肥厚などによって、頸椎の中央を通っている脊柱管が狭くなり、脊髄が押されることで起こります。
先ほどの道路のたとえでいうと、ど真ん中を通っているメインストリートが狭くなって、通りが悪くなるようなものです。

脳から体の各部に行く指令は、まず中枢神経である脊髄を通って伝達されます。
まさに道路のたとえのとおり、全身に向かう神経が、まず脊髄というメインストリートを通っていくわけです。

それだけに、脊髄が圧迫されて起こる症状は、首や腕だけにとどまりません。
もちろん、首の痛みや腕のしびれなどの症状も出ますが、枝の道(末梢神経)だけが圧迫される頸椎症性神経根症とは、症状のレベルが違います。

腕と手の症状としては、しびれや痛みが出るだけでなく、手を使ういろいろな作業そのものができなくなってきます。
たとえば、はしやスプーンを使って食事をする、服のボタンをとめる、字を書くといったことができなくなります。
さらには、下半身にまで症状が出てきます。
たとえば、足がもつれる、足に力が入らない、足がふらつく、歩くときに足が突っぱる、うまく歩けなくなる、といった足の症状が見られます。

膀胱や直腸に障害が起こることもあります。
膀胱の症状としては、頻尿、排尿に時間がかかる、尿が漏れる、尿が出なくなる(尿閉)などの排尿障害が起こります。直腸の場合は、腸の働きが衰ろえて便秘になります。

首の痛みや重苦しい感じとともに、こうした全身に及ぶさまざまな症状が出るのが、頸椎症性脊髄症です。
当然、重くなるにつれて、日常生活に大きな支障をきたすようになります。

頸椎椎間板ヘルニアも同様に脊髄症タイプがある

さて、前項では、椎間板ヘルニアで飛び出た椎間板が、頸椎の左右後方から出ている神経のつけ根を圧迫すると、頸椎症性神経根症と同じ症状が出るといいました。

同じように、椎間板ヘルニアで飛び出た椎間板が、真後ろやそれに近い位置に突出し、頸椎の真ん中にある脊髄を圧迫すると、頸椎症性脊髄症と同じ症状が出ます。

同じ頸椎椎間板ヘルニアでも、椎間板がどこに飛び出てどこを圧迫するかによって、腕の痛みやしびれといった頸椎症性神経根症と同じ症状が出るのか、足や膀胱、直腸にまで及ぶ頸椎症性脊髄症の症状が出るのかが違ってくるわけです。

ここでは以下、便宜上、椎間板が左右後方に飛び出て頸椎症性神経根症と同じ症状を起こす頸椎椎間板ヘルニアを「頸椎椎間板ヘルニアの神経根症タイプ」、椎間板が真後ろに近い後方に飛び出て頸椎症脊髄症と同じ症状を起こす頸椎椎間板ヘルニアを、「頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症タイプ」と呼ぶことにします。

頸椎症スペクトラムとしては、重症度の順に、第三段階に「頸椎症性神経根症と頸椎椎間板ヘルニアの神経根症タイプ」、最終の第四段階に「頸椎症性脊髄症と頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症タイプ」を配置しました。

ただし、必ずこの順番で発症するとは限らず、圧迫される部位によっては、第三段階をへないで、いきなり第四段階になることもあります。また、実際には第三段階と第四段階が同時に起こることもあります。

とはいえ、頸椎症性脊髄症や頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症タイプが、頸椎症のなかで最も重症で、最終段階に位置することには違いありません。

手術を要するような重症の頸椎症でもセルフケアは大事

脊髄症の段階になれば、日常生活への支障が大きくなるにつれて、手術が検討されるようになります。
しかし、そうなっても、セルフケアが役立たないということでは決してありません。

手術を要するような重症の頸椎症であればなおのこと、本サイトで紹介するセルフケアや生活上の工夫が重要になってきます。
手術の前に、あるいは術後に状態が落ち着いてきたら、ぜひとり入れていただきたいと思います。

もう一つ、ここで強調しておきたいことがあります。
それは、くり返しになりますが、頸椎症スペクトラムは「ひとつながり」だということです。
頸椎症性脊髄症の説明を読んでいると、重い病気であって、肩こりや寝違えとはまったく別のものだという感じがするでしょう。
しかし、それらは紛れもなくつながっているということを忘れないでください。

また、第一、第二段階の肩こりや首の痛みをまったく経験せず、いきなり第三、第四段階で初めて発症する人もまれにいます。
こりや痛みの感覚にやや鈍感だとそうなりやすいようです。

肩こりや寝違えをよく経験する人や、軽い頸椎症を自覚している人は、脅かすわけではありませんが、いまの状態を放置すると、どんな病気に行き着く危険性があるのかをよく知って、ぜひ早めに対策を講じていただきたいと思います。

解説者のプロフィール

竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)
竹谷内医院院長。
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒後、福島県立医科大学整形外科学講座へ入局。
福島県立医大附属病院等で整形外科診療に携わった後、米国へ留学。
ナショナル健康科学大学を卒業し、Doctor of Chiropracticの称号を取得。
2007年、東京駅の近くにカイロプラクティックの専門クリニックを開設。
腰痛、肩こり、頭痛、関節痛、手足のしびれなどの治療に取り組む。
日本整形外科学会会員、日本カイロプラクターズ協会(JAC)会員、日本統合医療学会(IMJ)会員。

●竹谷内医院
東京都中央区日本橋3-1-4日本橋さくらビル8階
TEL 03-5876-5987
http://takeyachi-chiro.com/

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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