MENU
【腰が痛い】病院で「異常なし」でも、自分で治すことができる!

【腰が痛い】病院で「異常なし」でも、自分で治すことができる!

ギックリ腰などの非特異的腰痛は、重い病気や障害が原因ではないので、焦って病院に行く必要はありません。生活習慣の改善などで、自分で治せる腰痛と考えていいでしょう。私は、非特異的腰痛の患者さんに、「運動で腰痛を治すこと」をお勧めしています。【解説】矢吹省司(福島県立医科大学整形外科教授)

「どんな体勢も痛い」「痛みが増す」は要注意

現在、日本では約2800万人もの人が、腰痛に苦しんでいるといわれています。
なぜ、それほど多くの人が腰痛を患っているのでしょうか。

腰はその名が示すとおり、体の要です。
上半身を支えるのはもちろんのこと、体を動かすときの中心部になります。

腰椎(背骨の腰の部分)は、体を曲げたり、伸ばしたり、ひねったりする動きの中心となると同時に、骨の中を走る神経組織を守る働きも担っています。
一方、頸椎(背骨の首の部分)が支えているのは頭だけ、ひざの骨は座っているときなどには休むことができます。

その点、腰椎には、寝ているとき以外、常に負荷がかかっているのです。
故障することが多いのは、しかたないのかもしれません。

ひと口に腰痛といっても、原因も症状もさまざまです。
大きく分けると、明らかな原因がわかる腰痛(特異的腰痛)と、原因が一つに特定できない腰痛(非特異的腰痛)になります。

実際には、原因をはっきり一つに特定できるケースは少なく、全体の15%くらいです。
つまり、腰痛のうち8割以上は、「悪い病気などが原因ではないとはいえるが、原因を一つに特定できない」のです。

特異的腰痛には、下肢に痛みやしびれを伴う椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折やガン、感染症などがあります。
放置すると、痛みや炎症が広がったり、マヒが起こったりして生活に支障が出るので、速やかに治療を受けることが必要です。

一方、ギックリ腰などの非特異的腰痛は、重い病気や障害が原因ではないので、焦って病院に行く必要はありません。
生活習慣の改善などで、自分で治せる腰痛と考えていいでしょう。

では、特異的腰痛なのか、非特異的腰痛なのか、どのように見極めたらいいのでしょうか。

非特異的腰痛の場合、「痛たたっ」と感じたときから、1週間以内に改善する人が約5割、3週間でほとんどの人が治ってしまいます。
このように、日に日に痛みが緩和されていくのがわかり、動いているときは痛みを感じるものの休めば消える、という場合は、セルフケアで改善できる非特異的腰痛といえます。

しかし、「どんな体勢を取っても痛い」「痛くて一睡もできなかった」「翌日になったら痛みが増した」という場合は、病気や障害が原因となっていることが考えられます。

痛みの原因が腰椎以外のケースもありますが、まずは整形外科を受診することをお勧めします。
整形外科の医師は、ガンや動脈の狭窄、子宮内膜症などの婦人科系疾患などが、腰痛を起こすことを知っています。
ですから、それらの病気が疑われる場合は、速やかにその専門科を紹介してくれます。

つまり、腰痛で整形外科に行き、「異常ありません」といわれたら、「悪い病気じゃない」と喜んでいいのです。
「痛いのに異常がないなんておかしい。何か見落としがあるのでは」などと、不安になったり、疑心暗鬼になったりするのは、痛みの増幅につながります。
異常なしと診断されたら、3ヵ月間セルフケアで様子を見てください。

それでも、痛みが変わらない、もしくは強くなったら、再度整形外科を受診しましょう。

背骨と骨盤の構造

自分で治すという意識が自己治癒力を上げる!

私は、非特異的腰痛の患者さんに、「運動で腰痛を治すこと」をお勧めしています。
痛いからといって安静を続けると、筋肉がかたくなるので、逆に治りが遅くなったり、ギックリ腰を誘発したりするのです。

運動の種類は問いません。
体の動かし方によって、腰痛の改善の度合いを調べた論文がありますが、結果は「どれも同じ」でした。

「何をしたらいいか、わからない」というかたには、ウォーキングを勧めます。
適正な速度や時間は、人それぞれですが、目安は、終了後に心地よい疲労感があり、翌日疲れが残らない程度。
「楽しかった。明日もやろう!」と思えるくらいが、適正運動量です。

ギックリ腰を起こしたときも、無理に体操をする必要はありませんが、日常生活を制限するのは好ましくありません。

全身の血流を良好な状態に保ち、筋肉を柔軟にしておくことが、治癒への早道です。
運動の利点としては、能動的に行動を起こすことで、「治してもらう」ではなく「自分で治す」意識を持てるということもあります。
人間が本来持っている自己治癒力が、上がっていく可能性があるのです。

実際、能動的に運動をしたほうが、痛みが軽くなるという研究データもあります。

別記事では、いろいろな体操やセルフケアの方法が紹介されています。
整形外科で診てもらい、異常がないと診断されたら、ぜひご自身が楽しめる運動を継続して実践してください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
言われるがままバンドを巻き体を動かしてみたところ、腰とお尻の下の鈍い痛みがその場でスッと消えたのです。心底びっくりし「これはなんですか?」と関口先生に聞いたところ、43円療法と教えられました。私の体に43円療法は合っていると思います。体の痛みを自分で調整できるのはありがたいです。【体験談】奥田弘毅(仮名・無職・69歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私は腰痛や座骨神経痛の痛みをもっとすっきり取る方法はないかと考えていました。これらの痛みは背骨や骨盤を矯正しても、多少改善されるだけで劇的にはよくなりません。試行錯誤を続けているうち、「大腿直筋」という筋肉が、硬くこわばっているために、腰痛などが起こっていることがわかったのです。【解説】関口志行(ツバサ整骨院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
驚いたのは、体操を教わった直後の出来事です。「走ってみてください」先生がそうおっしゃったのです。足を引きずりながら治療院にたどり着いた私です。まさか走れるわけが…、と思いながら足を動かしました。すると、本当に走れるではありませんか。まるで先生に魔法をかけられたかのようでした。【体験談】阿部道子(仮名・主婦・73歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
痛みは、筋肉の硬直から起こります。筋肉がかたくなると、それに引っ張られて骨や関節がゆがみ、神経や血管が圧迫されて痛みが出ます。しかし、手首を押さえながら体を左右にねじると、筋肉が緩んで、骨が本来の正常な位置に戻ります。それによって神経や血管の圧迫がなくなり、痛みが取れていくのです。【解説】関口志行(ツバサ整骨院院長)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私の腰痛は、肩こりも原因の一つなのだとか。最近は特に肩のこりを感じていなかったので、この指摘は少し奇妙に感じました。しかし、実際に手首押しを始めて1週間ほどで、腰はかなりらくになりました。1ヵ月たった今、完全に痛みが消えたとまではいきませんが、腰の調子はかなりよいです。【体験談】有田孝一(仮名・無職・77歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル