仙骨の温め方

脊柱管狭窄症や坐骨神経痛、ストレス性の腰痛に効果的
こうして深部から温まると、腰周りの血流は抜群によくなります。
骨盤や背骨のゆがみは、温まって血流がよくなると、筋肉がほぐれて、リセットされやすくなります。
また、血流がよくなると、ブラジキニンなど、血中に含まれる痛み物質も流されやすくなり、腰痛の軽減・解消に大きな力を発揮するのです。
仙骨の温めは、さまざまな腰痛の緩和に役立ちます。
脊柱管狭窄症(背骨内部の神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されて痛みやしびれが出る病)や、座骨神経痛などによる腰痛は、基本的に血流の悪さと神経への圧迫によって症状が助長されているので、仙骨の温めによる改善効果が期待できます。
さらに、ストレスからくる慢性的な腰痛の改善にも効果的です。
なぜなら仙骨には、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)のうち、リラックス状態を作り出す副交感神経が主に通っています。
前述したとおり、仙骨は温熱刺激がダイレクトに伝わる部分。
つまり骨だけでなく、副交感神経にも熱が伝わりやすいのです。
仙骨を温めて、副交感神経の働きが高まれば、リラックス状態が作れるので、ストレス性の腰痛の緩和にもなります。
解説者のプロフィール

中野朋儀(なかの・とものり)
自治医科大学附属病院麻酔科・鍼灸師。
陽だまり‘はり・きゅう’治療室院長。
鍼灸師として25年のキャリアを持ち、関東の4地区で診療にかかわる。
浦和専門学校で鍼灸師の育成に取り組む。
近著『仙骨を温めればすべて解決する』(SBクリエイティブ)が好評発売中。
●陽だまり‘はり・きゅう’治療室
http://hidamari-labo.jp/