【脊柱管狭窄症】閉塞性動脈硬化症と症状(間欠跛行)が似ている!簡単な見分け方はコレだ!
間欠跛行は、脊柱管狭窄症に特徴的な症状ですが、間違いやすい病気に「閉塞性動脈硬化症」があります。これは足の血管がかたくなり、足の血流が悪くなる病気です。脊柱管狭窄症の場合、お尻や太ももの筋力を強化する運動が有効となります。お勧めは「ゆっくりスクワット」です。【解説】井上真輔(愛知医科大学・学際的痛みセンター准教授)
ゆっくり行うことで負荷が増し筋力がつく
私たちは、慢性の腰痛患者を対象に、学内にある運動療育センターと共同で、週に1回、「腰痛教室」を開いています。
運動療育センターは、私たちの大先輩である整形外科の丹羽滋郎名誉教授が運動療法の重要性にいち早く気づき、1988年に創設した健康増進施設です。
腰痛教室では、体や痛みのことを熟知した理学療法士が、腰への負担の少ないプログラムで、運動指導を行っています。
脊柱管狭窄症の患者さんは、腰を伸ばしたり背中を反らしたりすると悪化するので、運動療法にも制限があります。
しかしこうした教室なら、安心してトレーニングができます。
お尻や太ももの筋力が弱いと、正しい姿勢を保てなくなります。
すると、脊柱管狭窄症の場合、腰椎(背骨の腰の部分)に負担がかかり、痛みが出てくることがあります。
ですから、お尻や太ももの筋力を強化する運動が有効となります。
そこでお勧めしたいのが、自転車こぎ(エルゴメーター)や水中歩行です。
自転車こぎは、前かがみの姿勢でお尻や太ももを鍛えられる、非常によい運動です。
また、水中なら浮力が働くので、腰に負担をかけずに下半身の筋力を鍛えられます。
シルバーカー(ショッピングカート)を押して歩くのもいいでしょう。
前かがみの姿勢になるので、腰に負担をかけずに長時間歩くことができます。
間欠跛行は、脊柱管狭窄症に特徴的な症状ですが、間違いやすい病気に「閉塞性動脈硬化症」があります。
これは足の血管がかたくなり、足の血流が悪くなる病気です。
いずれの病気も間欠跛行がありますが、両者を見分けるには自転車をこいでみることです。
閉塞性動脈硬化症の人は、姿勢に関係なく痛みが出て、すぐに自転車がこげなくなります。
一般的に、自転車に乗ると自然に腰が前曲がりになるので、脊柱管狭窄症の人は問題なくこぎ続けることができます。
自転車も長く乗れないなら、閉塞性動脈硬化症の疑いがあります。
脊柱管狭窄症の人には「ゆっくりスクワット」もお勧めしています。
スクワットを行うとお尻の筋力が鍛えられるので、足腰が安定し、長く歩けるようになります。
高齢者の場合、ひざを直角ではなく、その半分くらい曲げるハーフスクワットがいいでしょう。
反動をつけて行うのではなく、ゆっくり腰を落とし、ゆっくりひざを伸ばしてください。
ゆっくり行うことで、お尻や太ももに負荷がかかり、筋力がつきます。
運動をしたから、すぐに痛みやしびれが消えるわけではありません。
しかし、筋力をつけることで、少しずつ体の安定性が増し、症状の改善につながります。
長い目で見れば、それが必ずプラスに作用し、寝たきりや要介助を防ぎます。
ですから、ぜひ運動は続けてください。
ゆっくりスクワットのやり方
関連記事
セルフケアとして、私が患者さんにお勧めしているのが、仙腸関節の上に、使い捨てカイロを貼って温める「骨盤カイロ」です。カイロの熱で、仙腸関節の働きが回復します。そうすると、全身の関節や筋肉、神経の緊張が緩和し、脊柱管狭窄症をはじめとした、痛みやしびれが改善するのです。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2019-12-23 09:59:03
システマでは、闘い続けるために体を整える方法が確立されています。痛みが生じている場合、腰や背中の筋肉がかたく緊張しています。その緊張を緩めたくても痛む腰を刺激することはできないとき「おなかもみ」が役に立ちます。【解説】北川貴英(ロシア武術「システマ」インストラクター)
更新: 2019-09-10 22:10:00
毎日根気よく続けるようになって数週間経ったころでしょうか。以前よりも腕が軽くなってきたように感じました。かたかった背中の筋肉、肩の緊張もほぐれてきて、ついには腰や足の痛みをほとんど感じなくなっているのに気がつきました。【体験談】井川京子(仮名・主婦・75歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
オクラ水を飲み始めたのが、今年の6月末です。同時に別の本に書いてあった、脊柱管狭窄症に効くストレッチを行っています。また近所にある温泉に足しげく通いました。こうした生活を始めて1ヵ月が経過し、驚いたことにお尻からつま先にかけてのしびれと痛みは、ほとんど消えているのです。【体験談】岡本ハルミ(仮名・主婦・81歳)
更新: 2019-09-10 22:10:00
私たちは患者さんに高負荷の運動をしてもらい成果を上げてきました。しかし脊柱管狭窄症の患者さんの場合、痛みを伴うほど過度に行うと、逆に症状を悪化させてしまうことがあるのです。そこで、私がお勧めしたい体操が、「水平のポーズ」と「でんでん体操」です。【解説】田島文博(和歌山県立医科大学医学部リハビリテーション医学講座教授)
更新: 2019-09-10 22:10:00
最新記事
私は鍼灸師で、日本で一般的に行われている鍼灸治療のほか、「手指鍼」を取り入れた治療を行っています。手指鍼はその名のとおり、手や指にあるツボを鍼などで刺激して、病気や不調を改善する治療法です。【解説】松岡佳余子(アジアンハンドセラピー協会理事・鍼灸師)
更新: 2020-04-27 10:34:12
腱鞘炎やバネ指は、手を使うことが多いかたなら、だれもが起こす可能性のある指の障害です。バネ指というのは、わかりやすくいえば、腱鞘炎がひどくなったものです。腱鞘炎も、バネ指も、主な原因は指の使いすぎです。痛みやしびれを改善する一つの方法として、「手首押し」をご紹介します。【解説】田村周(山口嘉川クリニック院長)
更新: 2020-03-23 10:16:45
筋肉がこわばると、体を支えている骨格のバランスがくずれて、ぎっくり腰を起こしやすくなります。ぎっくり腰に即効性があるのが、手の甲にある「腰腿点」(ようたいてん)という反射区を利用した「指組み」治療です。この「指組み」のやり方をご紹介します。【解説】内田輝和(鍼メディカルうちだ院長・倉敷芸術科学大学生命科学部教授)
更新: 2020-03-02 10:09:34
慢性的な首のこり、こわばり、痛みといった首の不調を感じたら、早めに、まずは自分でできる首のケアを行うことが大切です。【解説】勝野浩(ヒロ整形クリニック院長)
更新: 2020-02-25 10:06:07
首がこったとき、こっている部位をもんだり押したりしていませんか? 実は、そうするとかえってこりや痛みを悪化させてしまうことがあります。首は前後左右に倒したりひねったりできる、よく動く部位です。そして、よく動くからこそ、こりや痛みといったトラブルを招きやすいのです。【解説】浜田貫太郎(浜田整体院長)
更新: 2020-02-17 10:18:14